- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041044636
作品紹介・あらすじ
東京湾で、大型商船が爆発炎上した。当初、事故かと思われた事案は、海中に仕掛けられた機雷の爆発と判明し、恐怖のシナリオへと変わる。テロリストの目的は、東京湾封鎖。 日本はかつて無い危機に晒される!
感想・レビュー・書評
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反捕鯨団体が元英国海軍の機雷戦のプロを雇って東京湾を機雷で封鎖するという話。陸海自もしっかり活躍してる。特に掃海部隊というと護衛艦とかに比べた時にどうしても脇役感があるけど(多くの実任務をこなし多くの殉職者を出してるのは承知してるが)、その掃海部隊が主役。
医療とか経済、それに軍事の細かいところまで取材して書かれているのがよく伝わってくる。政治家はじめ登場人物の名前も実際の人のを捩ってて面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画シン・ゴジラのシナリオを思わせるような、目まぐるしい場面転換、膨大な登場人物、読者の深い感動や共感を求めない、有事が起きた際の現実的な対応と時間経過を追う展開。
しかしここでの敵はゴジラではなく、たった63個の機雷である。これが日本経済を壊滅に追い込む要因となる。東京湾封鎖、これは実現可能な作戦なのだ――。
登場人物たちに魅力を感じる間もなく、行動の動機が深いわけでもなく、英雄が現れるわけでもなく、加えて難解な専門用語が入り乱れる。ミリタリー系にある程度慣れている人でなければ、読んでいて面白いと思うような作品ではないかもしれない。
しかし、本書で描かれているのは、かつての太平洋戦争やベトナム戦争、その頃とは大きく変わった現代における「戦争」の性質と理由だ。
もはや国家を攻撃するものは国家だけではなく、その紛争は経済を良くも悪くも大きく揺さぶり、あるものには莫大な利益を与える一方で、あるものには莫大な損失を与える。
途中で読むのをやめてもいい、けれど一度は手に取ってほしい作品。そして戦争の本質と、その戦争は日本にとって対岸の火事などではないという事実に、目を向けるきっかけになればいいと思う。
KADOKAWAさんの文芸情報サイト『カドブン(https://kadobun.jp/)』にて、書評を書かせていただきました。
https://kadobun.jp/reviews/503/58bde676 -
東京湾海中に仕掛けられた機雷を除去するため、海上自衛隊機雷処理スペシャリスト奥寺がテロに立ち向かう。いまの時代の戦争は主義・主張ではなく、ごく一部の人間の金儲けのための手軽な手段となっていること、ならず者国家に近隣を囲まれた日本という国が、いかに不安定な基盤のうえに存続しているかがわかる作品。
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221緻密なスペックで読み応えあり。単なるパニック小説に終わっていない所がいいね。
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東京湾で機雷を使用したテロが発生! それに立ち向かう自衛隊の掃海部隊の活躍。「機雷」は、映画とかでもあまり馴染みのないアイテムだが、非常にリアルで緊迫感のある攻防が書かれている。