こどもの城殺人事件 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046418

作品紹介・あらすじ

柳刃包丁に胸を刺されて殺された名門男子高生。彼の死後、優等生の顔に隠された不審な交友関係が明らかになる。その死の理由にたどり着いた時、切ない真実が明らかになり。どんでん返しの青春ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。思春期の少年少女の危うさ、苦悩、そして怖さを丁寧に汲み取っている。一気読みでした。
    あらすじ(背表紙より)
    男子高生の刺死体が、青山の路上で発見された。被害者は近隣の名門校に通う17歳、原田聡吾。美形で成績優秀、評判の優等生だったが、恋人の敷島亜子は、生前に彼が凶悪犯罪に関与していたとの情報を得る。同級生達の証言は食い違い、亜子は聡吾の親友から、警察捜査を妨害するよう指示された。彼は、聡吾は幼い頃に自分と交わした約束を守るため死なねばならなかったと言うのだが…。どんでん返しが冴え渡る、青春ミステリ。

  • なんとか殺人事件といタイトルの本は基本的に買わないのだけど、こどもの城との違和感で購入。
    実際にこんな事やってる賢しい高校生も居るんじゃないかと思う話もあり恐怖を感じる。
    殺人事件そのものは、更に人の心の根深い部分に起因するのだけど、結果、登場する高校生は誰も救われない。

  • スクールカーストのてっぺんにいる人達のお話なので、現実味が薄いマンガみたいな感覚で読みましたが、実際にあったらとても怖いけど、あるかもしれないなと思えるのはこの作者の力なのかなと思います。
    警察が取調べで真実に迫っていくところが面白かった。最後、クローゼットの意味がわかると、ああそういうことね、となるがこれは予想できない角度だった。偽証のモチベーションはこれだったのかと。
    途中の「負けるなって小さな声で呟いた」が秀逸。

  • "嘘"をテーマにした一冊といって良いのだろうか。
    17歳の高校生達による、薬物、殺人、と同性愛、純愛による苦悩。

    ヒキタクニオ氏らしい、ネタ回しとカメラワークというか視点の運び方。
    セリフが時にVシネ臭いところも散見するが、氏らしさが変わらないので素晴らしい。

    かつて、キレる17歳が社会問題になった時期があったが、昨今のスクールカーストから闇社会へのシフトが鮮明に描かれている。

    誰か、何かを守る為に吐く嘘。
    死して尚、貫こうとする嘘。
    葛藤という言葉がしっくりくる。 『解法少女』に次いで、青少年達を題材にした一冊。

  • 取り調べの状況から真実が分かっていく書き方が珍しい。

  • 高校生というのは、なんとも微妙な時期。
    作品の中心にいる5人の高校生は、普段は行動をともにする仲間同士だが、特異な状況に晒されたとき、それぞれが違った感情を違った形で発露させる。
    そのどれもが、大人にも子供にもない複雑な胸の内を反映している気がしてリアリティがあった。

    ラストは想像していなかった展開だったが、正直そこよりもそれに至る人物描写がこの作品のメインかなという印象を受けた。

    ただ、少年犯罪や仲間内でのいざこざが描かれている部分は読んでいて辛いものがあった。

  • なかなか読み進めても捜査が進展せず、行きつ戻りつ、なのに興奮して、結末は賛否別れる感じですが私は気に入りました。

  • タイトルからは想像出来なかったストーリーと驚くような展開が待ち構えているミステリー。ヒキタクニオが描く若者たちはリアリティがあり、とても創作とは思えない。

    青山の路上で発見された男子高校生の刺殺死体。被害者の名門高校に通う17歳の原田聡吾の身に一体何が起こったのか…原田に関係する同級生たちの怪しい行動の先にあるのは…

    老若男女問わず、如何なる犯罪が起きようと、もはや不思議ではない程に病みに病んだ現代の日本。こうした現実を背景に描かれるミステリー。警察と高校生の知恵比べという見所もあるが、総じて恐ろしさと共に嫌な後味を残す物語だった。

  • BLだったー!そゆことー!

  • 登場人物の誰ひとり魅力がなくてびっくりしちゃった。まあ、ミステリーにありがちなギミック重視の小説なのかなって思って読み進めたら最後の最後で「いや、指紋は????」ってなって愕然。ミステリーとしての体もなしてなかった。これちゃんと校正入ってる?? 大丈夫??
    久々に全部読んだ上で☆2をつけました……。

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著者プロフィール

ヒキタ クニオ
1961年、福岡県福岡市生まれのイラストレーター、クリエーター、作家。1986年、九州産業大学芸術学部デザイン科卒業。大学在学中に日本グラフィック展で奨励賞受賞。1988年、JACA日本イラストレーション展銀賞。1998年にCD-ROMで、ブラウン管で読む小説「ブラノベ」『ブラノベ人生画報』を発表以降、作家業を営む。作家代表作に、2006年に第8回大藪春彦賞を受賞した『遠くて浅い海』。ほかの作品に映画化された『凶気の桜』『鳶がクルリと』、『触法少女』など。2019年10月に、『「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」―男45歳・不妊治療はじめました』 が実写映画化される。

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