三頭の虎はひとつの山に棲めない 日中韓、英国人が旅して考えた

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 46
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041048351

作品紹介・あらすじ

『英国一家、日本を食べる』『英国一家、日本をおかわり!』のマイケル・ブース新刊。三国を旅して見えてきた真実と、未来

感想・レビュー・書評

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  • 日本を食べる英国人一家のマイケル・ブースが、日中韓台を旅しながら、なぜ北東アジアの国々は歴史問題でいがみ合うのかを考察する。日本についての見方は概ね同意できるものの、細かい所で埋めがたい違和感を感じてしまう。きっと中韓台の見方もそれぞれの国の人からするとギャップを感じる部分はあるのだろうと推測するが、これも一つのパーセプションという事。日本在住ということもあって少し日本贔屓かもしれない。

  • イギリス人が見た日本、韓国、中国の関係を考える内容です。
    横浜からスタートして、ペリーの話が入ります。
    なんで竹島や銅像の問題が解決しないんだろう、韓国と中国の日本への憎悪を煽るんだろうと思ったことがありましたが、それぞれの国のいいところもちゃんと触れて、
    結局どうなんだというのはありませんが、勉強になる内容でした。
    ただ、結構重たい内容なので途中で読み疲れました。

  • 選書番号:279

  • 英国人旅行作家による日本、韓国、中国を巡る旅の記録。なぜこの三国は仲が悪いのか?そんな単純な疑問を探るために取材へ向かう。この三国の当事者ではない視点で、日本、韓国、中国の戦後史と密接な関係が分かりやすく語られる。政治的立ち位置とは離れたフラットな論説。

  • 英国人の視点から見た日中韓と台湾の微妙な関係。ナショナリズムに凝り固またらない第三者視点は参考になる。

    「英国一家、日本を食べる」の筆者。日本から韓国、中国そして台湾へ。歴史問題、領土問題など対立する国。それぞれ訪問先で取材した内容を元に考察する。多くの取材者に聞いただけあってなかなか良く調べられているように思う。ただし日本人として見ると韓国、中国の言い分を鵜呑みにしている部分も多いような印象。おそらく中韓の人達が本書を読んでも同じような印象を持つことだろう。

    それでも利害関係のない第三者視点は日中韓の関係を考える上で有用である。

  • 台湾人は韓国人が嫌い。韓国は弟だと思っている。あとから来た新入りと思っている。
    韓国から反日感情を取り除いたらアイデンティティの半分は失われる。
    日本に対してネガティブな執着心がある。
    韓国への償いは逆効果になる。謝罪は国家主義的な感情に火をつけてしまう。負のスパイラルになる。
    イタリアもオーストリアも賠償責任は負わなかった。

    韓国人は一般的に、日本人は本心を明かさないと思っている。
    韓国で慰安婦問題は、学究的なプロダクトチェーンだから。研究に予算がつくので、謝罪を聞こえないふりをする。
    韓国の「恨」は抑圧と不満が生み出す感情。謝罪では氷解できない。
    しかし若い人は変わりつつある。新しいアイデンティティを探し始めている。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    日本(久里浜/横浜/寿町 ほか)/大韓民国(釜山/木浦/扶安 ほか)/中国(ハルビン/北京/曲阜 ほか)/ふたたび日本へ(東京)

  • 「英国一家、日本を食べる」で知られる著者が、中国、韓国、日本を実際に回ってみて、三国の関係を考えた本。結論は悲劇的だが、実際の対策への提言はない。まあ、誰でもそんな提言はできないかもしれないが…。英国人という三国の人からしたら外部の人だからインタビューにも本音が出ているのかもしれない。同国人や三国からの人同士でこのようなインタビューは難しいだろうな。それぞれの話題に関わる三国の歴史も書かれていて、面白かった。でも、日中戦争と中国の台湾占領が将来想定されるとは…。いやはや。

  • 2015年に日韓政府が「最終的かつ不可逆的解決」として慰安婦問題の補償について合意したとき、当時私は複雑な思いでそのニュースを聞いた。
    韓国という国についてはそれほど興味が持てないので、ほとんど何の知識もないのだけれど、反日感情を煽り利用するあの国のポピュリズムな政治は吐き気がするし、世界中に慰安婦の銅像を建てるという強迫的なやり方は私の理解を超えていて、逆に素直にお金を払いたくない気分にさせられていたからである。
    でも、「まあ、お金で解決できることは、解決しといたらエエやろ…」とも思った。(なぜか関西弁。しかしお金に関することは関西弁が似合うなぁ…)

    水木しげるさんの漫画に、彼が実際に目撃した韓国人慰安婦の姿が描かれていて、それを読んだ時の激しい胸の痛みを思い出し、慰安婦ビジネスに群がる人にもお金がわたるのは不快だけど、それでも、少しでも犠牲者にお金がいくなら、それは良いことだ、とも思った。

    だがしかし。
    そんな謝り方じゃアカンと、なぜか先方の怒りは激化。おまけに徴用工問題なども浮上し、さらに事態は複雑化。
    なんでやねん! 最終的で不可逆的という文言はどこへ行った!?
    当時、知り合いのイギリス人に「僕は日本はもう何回も謝っていると思ったけど、日本人としてはどう考えてるの?」と聞かれたが、話題を避けるしかなかった。私には訳が分からなかったからだ。

    ということで、この本を本屋さんで見かけた時、「まさに私が求めていた本!」と思った。
    ド素人向けで、日韓中以外の国の人が書いていて、かつ、私と同じ疑問から話が始まっている。少なくとも歴史修正主義者が鼻息荒くアンチ韓国論を繰り広げているわけではなさそう。
    著者が『英国人一家、日本を食べる』の人だと知って、一瞬「ん? グルメライター? 大丈夫かな?」と不安に思ったが、読んでみると、背景の説明は詳細だし、かなり公平な視点で書かれていたと思う。

    Amazonのコメント欄を見ると、軒並み「底が浅い」とか「目新しい情報はなかった」とか批判的に書かれていたが、私は特にそんな風には感じなかった。韓国や中国で行ったインタビューは確かに散漫な印象もあったけど、取り上げられているコメントはどれも興味深かったし、事実や歴史的経緯の説明も分かりやすくて、何度もなるほどと思ったけどな~。
    この本が「浅い」とは、Amazonで早々にコメントを書いている人たちは、相当この件にはお詳しいのねえ・・・。 きっと大好きなのね、この話題。

    ただ、韓国の章を読んだ後は疲れ切って、しばらく続きが読めなかった。
    彼らの「恨」の感情をそのまま受け止めるのはかなりキツい・・・
    すまぬ・・・仲良くしたいのはやまやまだが、正直に言って、もう付き合い切れない・・・。
    などと思ってしまった。

    著者も、最後の章で、「イギリス人」という「部外者」な立場を最大限に利用した形で、「もう、日本はこれ以上は謝らんでもエエんちゃう…?」というような意味のことを、遠慮がちに書いていた。ような気がする。たぶん。きっと。
    少なくとも私にはそう読めた。違うかな?

    これが英語で書かれていることはありがたいと思う。
    世界の多くの人は、日本語版Amazonにコメントを書いているような人たちほどこの問題に詳しくないと思うから。

    公平に書かれている、と最初に書いたが、実は正直に言うと、作者はちょっと日本寄りかな、という気がした。
    だから、あちこちに増えている慰安婦像についての背景説明として読まれれば日本人としては嬉しいのだけど。(数年前に、メルケルが「日本は真摯に過去と向き合うべき」と暗に韓国・中国との問題についてほのめかしているのを新聞で読んだので、とりあえずメルケルさんには読んでもらいたい…)

  • 日中韓を旅しながら、関係性とそれらを取り巻く歴史問題を、ユーモアを交えながら考察する。センシティブなテーマを扱っているが、フラットな視点と、背景への造詣も深く、著者の見解と主張には全般に説得力があった。ハッキリした批評と、対象への尊重のバランスも程良く、そのスタンスによる三国(+香港と台湾)の比較は興味深く、論点もわかり易い。旅行記としても一気に読める面白さ。東アジア文化圏の共通項として、儒教にもフォーカスされており、日本の"謝罪"問題が長く尾を引くのも、元来三弟の位置付けだった(にも関わらず、長兄次兄を凌駕し苛む罪を犯した)為、と示唆する一節は、目新しくは無いものの、改めて一理あるように感じた。英国人から見て、その儒教の(長幼の秩序などの)特質は、東アジアに限らず、そもそも人間社会において普遍的だったとする一文には納得。

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著者プロフィール

英国サセックス生まれ。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。2010年「ギルド・オブ・フードライター賞」受賞。パリの有名料理学校ル・コルドン・ブルーで一年間修業し、ミシュラン三つ星レストラン、ジョエル・ロブションのラテリエでの経験を綴った"Sacre Cordon Bleu"はBBCとTime Outで週間ベストセラーになった。

「2020年 『三頭の虎はひとつの山に棲めない 日中韓、英国人が旅して考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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