ただいまが、聞きたくて (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 89
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052099

作品紹介・あらすじ

埼玉県大宮の一軒家に暮らす和久井家は、両親と娘2人の4人家族。どこにでもあるごく普通の家族に起こった出来事。バラバラになった家族の絆は果たして再生できるのか。不器用でいびつな一家の感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の現代ものを読みたくて。
    いきなりの第1話に驚き!読んだことのない流れです…
    章ごとに家族の1人からの話として進んでいく手法。
    最後になるにつれ、
    段々と家族の在り方が良い方へ向いていくであろうと分かってくる。
    先に江戸物の優しさに触れていたので、読むのを止めようとも思ってしまいました。

  • 崩壊家庭が一抹の希望を見出す過程を綴った連作短編集。プロットに必ずひねりを入れてくる作者だが、変態ポルノまがいの体験をする女子高生のエピソードを冒頭に持ってきたのはさすがに意表を突かれたものの、その後に続く家族それぞれの物語の展開がホームドラマのように通俗的なのが拍子抜け。

  • 「居酒屋ぜんや」シリーズで馴染んでいた著者の現代小説。
    「泣いたらあかんで通天閣」以来二作目、出だしからちょっと驚く展開。
    どうなるのかと思いつつ、最後まで...
    第六話、徳雄の章ですべてが氷解していく。
    ちょっと感動モノでした。

  • 始まりが強烈だったけれど良かったです。
    短編が繋がっています。家族の行方を追っていく。そんな物語です!
    ほわほわしますよ。

  • 埼玉県大宮に暮らす和久井家は、各々が自己中心でバラバラな家族。そんな一家に思いがけない事態が襲う。不器用で歪な家庭の崩壊から再生までを描く家族小説。
    最終章の父親・徳雄の登場で物語が一気に引き締まる。それはまるで、失ったパズルのワンピースが、突然発見されて完成するがの如くのようだ。そして、物語の序盤の構成では予想しなかった感動が押し寄せる。家族小説の傑作です。

  • 崩壊寸前の家族の再生までの物語。皆それぞれが、様々な過去や思い、苦しさ、葛藤などを抱えていて、それらをひとりで抱え込んでしまうがゆえに、皆それぞれがすれ違ってしまう。だが、ある出来事をきっかけに、不器用でいびつだった家族がひとつになっていく。やっぱり思い込みって不確かで危険なもので、話してみなきゃわからないことのほうが多い。みんな誰だって一生懸命生きてる。みんな同じでみんな違う。もっとそれぞれがそれぞれを認め合えるようになったらいい。読了後、登場人物が皆愛おしく感じた。

  • 17歳の誕生日当日にフラれた女子高生。傷心の彼女は見た目さわやかなオッサンから「ぱんつを譲ってくれませんか」と声をかけられて唖然呆然。こんな女子高生を皮切りに、彼女の姉、祖母、姉の恋人、母、父の目線で語る短編連作集。私にとっては坂井希久子といえば『泣いたらアカンで通天閣』と『ヒーローインタビュー』。通天閣やら阪神タイガースやらをテーマにした作品のほうが大阪人としては嬉しいけれど、標準語ばりばりの本作も◯。一見ノーテンキでも、誰でも悩みを胸に生きている。最終章の父目線の部にはウルッときました。家族再生。

  • マニアックで衝撃的な冒頭に流されてしまった。なんとなく物語の流れがつかみ難い印象を受けたが、次回作に期待してしまう何かはあった。
    あらすじ(背表紙より)
    埼玉県大宮の一軒家に暮らす、和久井家。一見幸せそうに見える家族だったが、高2の次女は彼氏にフラれて非行に走り、ひきこもりの長女はBL趣味に夢中、商社勤務の父は社内で不倫、そしてキャバクラで働く母は家事を放棄。どこにでもあるごく普通の家族に潜む問題が次々と噴出していく。やがて和久井家を思いがけない事態が襲い…。不器用でいびつな家庭の崩壊から再生までをリアルかつ鮮烈に描いた、心温まる感動の物語。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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