- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041057346
作品紹介・あらすじ
怪奇蒐集家・中山市朗が狩り集めた戦慄の建物怪談。人の気配がない角部屋から聞こえる妙に大きな生活音、引っ越し先で見つけた不気味なビデオテープ、誰もいない子ども部屋で突然鳴りだすおもちゃの音、夜の自転車置き場の地面に這うモノ……。「新耳袋」で話題騒然、今もさまざまな憶測を呼ぶ「山の牧場」の、今だから書ける、ここでしか読めない後日譚6話も収録。どの町にもある普通の建物が、異様なものを孕む空間かもしれない。文庫オリジナル。
感想・レビュー・書評
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住まいや場所に関する怪談を収録した本作。
粒ぞろいの怪談が収められているが、なかでもやはり「山の牧場」(『新耳袋 第四夜』所収)にまつわる後日譚は特別な意味を持つように思う。
この後日譚で『第四夜』で当該の話に触れた時の、闇がゆっくりと迫りくるような恐怖が思い出され、ぞくりとした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中山市朗先生の文体が相変わらず好きだ。
怖さの中の優しさみたいな文体だと思う。
実話怪談、怪談実話でも文体って大切やと常々感じる。
押し付けがましく文体は苦手だし、どんなものでも。
怖かったし面白く感じたものを。
『一家四人』『深夜の訪問者』『ビデオテープ』『奇妙な手紙』『宴会の声』『真っ暗にするとダメ』『訪問者』『置屋』
怖かったのは『深夜の訪問者』これは絶対にないとは言い切れない。でもこのマンションのこの部屋だけがやばいのかもしれない。『奇妙な手紙』お祓いをしてくれた人が穢をうけてそれを恨んでいるようなまったくこの世の理からずれた感じが怖すぎる。『真っ暗にするとダメ』な部屋はめちゃくちゃ怖い。呪いなのか異世界につながるのか。不思議すぎる。帰ってこれなかったらどこへも繋がらなかったら。『置屋』実話怪談好きはこの『置屋』読んでほしいなー。死神っているんだわと思った。『山の牧場』はきちんと時系列おって読みたいです。
中山市朗先生の本はもっと読みたい。
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安定的な怖さを醸し出している。
怪談というのはただ、怖いだけで良いとは思えない、怖い要素の中にもう一つ何かが見つけられると読んでいるほうもすごくすっきりとしてしまうのが不思議だ。
それができるのが著者の強みだろう。 -
短編集で読みやすく、でも怖かった!静かな部屋で1人で呼んでいると何度も後ろを振り向いてしまうほどに。
最近読んだ短編集で1番怖かった! -
単行本で刊行されていた『怪談狩り』シリーズだが、本書は角川ホラー文庫から。
『禍々しい家』と副題にある通り、『家』にまつわる怪談が多い……が、矢張り本書のメインは『山の牧場』の後日談が多く収録されていることだと思う。『新耳袋』を読んだ時に一番面白かった&気になる話だったので、後日談は嬉しかった。数多くの謎に解決編がつく日は来るのだろうか……。 -
面白かった。
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今まで百物語形式(?)のものを読んでいたので
短編集になっていて面白さが増した。 -
建物で起こった怪異を収集した『禍々しい家』。
「角部屋からの訪問者」「メリーさんの館」「置屋」と恐怖に震えた話。ただ、正直な話、収録されている全ての怪談に震えが止まらない。ここまで、怖さが押し寄せてくる一冊というのもなかなかない。
やはり、家という舞台がそうさせるのでしょうね。一軒家、アパート、マンション、廃屋と舞台は違えど、構成されているものは同じなので。
帰宅した時の安心感。それを裏切る違和感。例えば、消したはずの電気が点いている。たいてい自分の記憶違いなのですが、そうでない可能性。
そこに染み込んでいるのが、怪異だったりするわけです。
ふう。一気に読むには心が落ち着かず、休み休み読みました。
そして「山の牧場」後日談。
解明されず、ただただ謎と恐怖が深まり続けてゆく。後日談だから、なんらかの結論を出してくれるのかと期待していましたが、見事に裏切られる。
あの牧場にまつわる怪談や説は、これから色々な怪談・怪異を読んでいくとは思うけども、常に恐怖を与えてくれる存在であると思います。怪談のPFP。 -
「置屋」と「山の牧場 後日談」が特に怖かった。