農協月へ行く (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 221
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061343

作品紹介・あらすじ

ご一行様の旅行代金は一人頭六千万円、月を目指して宇宙船ではどんちゃん騒ぎ、着いた月では異星人とコンタクトしてしまい、国際問題に……!? シニカルな笑いが炸裂する標題作ほか短篇七篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • シュールなショートショートだと思って、軽い気持ちでチョイスしたところ、想像以上のブラックだった(笑)

    そう、著者の作品はふり幅大きすぎ。
    こんな本を出そうものなら今なら大問題になりかねないのではと心配になったり・・・

    解説がその真実を物語っており、この分析読んで腑に落ちる。
    刺激を求めて、また文庫本をチョイスしそうである。

  • 2019.12.14
    一気に読めました。

  • 図書館にて。
    ツイッターの今まで読んだ中で一番怖かった話のタグにこの本の中の『村井長庵』が入ってたので借りてみた。
    その話ももちろん、どの話も毒々しい…
    昔ずいぶんこの人の本は読んだが、久しぶりに読むと印象が違うなあ…
    なんというか、体にこたえる。
    良くも悪くも唯一無二だ。

  • ひとが好きなモノがときに雄弁にそのひとについて語ることがある.場合によっては意外にもそれが人の底の深さを感じさせたり,逆に違和感を伴う浅さを感じさせることも.

    青山ブックセンターセンターの夏の恒例イベントになっている選書フェアがある.2022年の今年は220人の「文化人」がそれぞれのおススメを寄せている.最近少し気になっていて著書やnoteの有料記事を読んでいる写真家がいるのだが,その人が本書を紹介していた.面白いことを言う人なのでその人のオススメなら,と図書館で借りて読んだ.

    79年刊行なので45年前.自分が生まれる1年前に出た本で,内容はオトナ向けのおとぎ話.つまり寓話であり.寓話として読むならば,そこに書かれているテキストを文字通り読むもの誤読のもとである.寓話を通じて語られることを読み取ろうとするならば,令和の今でも読めるというか通用することが書かれているわけだ.

    ただ今の時代に,これだけ幅広いジャンル,世界文学が存在する中で,これを「寓話」としてリコメンドしているならば,ある種の「趣味」の悪さを感じざるをない.ただ自分の中に1bitフラグが立ったというだけのことです.

    リコメンドした写真家は「よい写真を撮る人は本を読んでいる人に多い」と言っていた気がする.

    「読む本にもよる」のではないかと私は思う.

  • 『経理課長の放送』は衝撃だった。
    それ以外は微妙。

  • 昭和54年5月30日 初版 再読
    古さを感じない短編。日本以外全部沈没、これを許可した本家の心の広さ。村井長庵の底知れぬ狂気。

  • "村井長庵"がハードなピカレスクもので、他の収録作と雰囲気異なる際立った傑作。孤島の無医村で藪医者がやりたい放題する内容だけど、悪辣ぶりが悪鬼そのもの。ラスト込みでけっこうお気に入り。

  • 筒井康隆のスラップスティックな短編を集めたアンソロジー的な一冊。収録されているのは「日本以外全部沈没」、
    「農協月へ行く」を始めとする7作品。

    悪意とアイロニーに満ちた豊穣な言葉が過剰なまでに繰り返され、さらなる過剰を期待し、過剰さのエクスタシーに導く。これは我々はどこまでも過剰さを愛し、過剰さを追求することを止められないという資本主義経済のミラーか?

  • ブラック過ぎる感じで、自分には合わない。
    「日本以外全部沈没」がまあおもしろかった。

  • 探せば家にあるはずなのに、病院の待ち時間潰しの為に売店で買ってしまった。(;^_^A

  • その昔、中学生か高校生のころ読んだ記憶があって、40年ぶりに再読してみた。農協のおかれた状況は異なっているとはいえ、農協をベンチャー企業とでも置き換えて読めばやっぱり笑っちゃう。人の本質って変わらないよね。「不幸なやつがいるために自らは幸福だといって喜ぶ」この真実を言い切れるのは筒井先生だけだと思うのだ。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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