京都なぞとき四季報 町を歩いて不思議なバーへ (角川文庫)
- KADOKAWA (2017年12月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041061367
作品紹介・あらすじ
京都の大学の散歩サークル「加茂川乱歩」の遠近倫人の周りには、つねに謎が寄ってくる。同じサークルの謎解きが大好きな理系女子・青河幸の気を惹くため、奮闘するも、目の前の謎は手強いものばかり。
感想・レビュー・書評
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京大キャンパス内のどこかで営業しているという、謎めいたバー〈三号館〉。
お店に入っただけで、ホームズ張りに主人公のことを見抜くシーンが、おもしろかった。
個性的で美しいドリンクも素敵。
京都市内を歩き回るサークルの活動も、観光的にたのしい。
大学生のゆるい感じにぴったり。
青河のためにがんばる遠近も、ほほえましかった。
さらっと読めるミステリ。
『クローバーリーフをもう一杯』の改題。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
京都学生青春ホッコリミステリ。突然現れる謎のバーテンダーが、日常の謎を解くアームチェアディテクティブ。
私は個人的に京都の学生生活にめちゃくちゃ憧れがありますので、評価は甘めです。
ミステリとしては、ルヴォワールのあのとんでもない作風はどこ吹く風で、極めてマイルドで読みやすく、悪く言えば個性がない印象。 -
京都が舞台の本を見つけると、つい手に取ってしまう。
一浪して京都大学に入った、遠近倫人(とおちかりんと)は友人の誘いでお散歩サークル『賀茂川乱歩』に入った。
週末に京都の観光地を巡るのが活動。
そこで出会った気になる女性は、青河幸(あおかさち)
そして、もう一つの出会い。
大学構内に神出鬼没の不思議なバー「三号館」は謎を持つ人しか辿りつけないという。
「三号館」のマスター、蒼馬実希(そうまみき)が作るカクテルが謎解きの鍵。
京都初心者で恋愛初心者の倫人は、学業と恋愛と謎解きで、充実したキャンパスライフを送る。
いいなあ~キャンパスライフ!楽しそう。
守る価値はある。
『クローバー・リーフをもう一杯』
サークルの新入生歓迎コンパの待ち合わせ場所へ。
タクシーに乗ってる人が入れ替わった?!
『ジュリエットには早すぎる』
「五月の三条を楽しむツアー」は鴨川の川床から“鴨川をどり”へ。
席が入れ替わった?!
『ブルー・ラグーンに溺れそう』
京都水族館で出会った謎の女性とイルカショーの謎。
『ペイルライダーに魅入られて』
京都が最大に盛り上がる祇園祭。
宵山初日に青河さんの身に起きた重大な出来事と、招かれざる客。
『名無しのガフにうってつけの夜』
「三号館」の危機?!最後に倫人は最大の謎を解く。 -
なかなかおもしろかったです☆
でも後半の2つのお話は、確率…とかちょっとわたしには難しい。人体消失なんかのお話はワクワクしたし、突然現れる学内の幻のバー「三号館」も魅力的!と思ったのに。
京都の四季を鮮やかに描写していてそこも良かったです☆
結局、三号館はなんだったのか…幻か、で終わると思ったら現実にいたとは。続編もあるみたいだけど、正体バレてどう続けるんだろ。
いつか読んでみたいです。 -
宵闇色と琥珀色
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京都の大学生による日常青春小説!
大きな謎解きではなく、その時々に起こるちょっと不思議な謎を解く物語。
大学内で都市伝説的に語られる幻のバー「三号館」…
そんな場所が大学にあったら、面白いでしょうね~
来店できる人にはある特徴があって…
私は絶対に来店出来なさそうです。
謎とかあっても「あ、そう…。不思議だな~」で終わらせてしまうので……
京都の観光名所もいくつか出てきて、京都水族館に行ってみたいです!
オオサンショウウオのぬいぐるみが欲しいです!
賀茂川乱歩に参加したいです! -
日常系謎解きミステリー。
京大は不思議が実際にあり何かと舞台になりがちだが、そこまでスポットを当てた感じはない。
日常にておこる小さなミステリー5本が収録されているがファンタジーじみたものなど少々トリックが雑な印象が多い。
大学にひっそりと存在するバー「三号館」という都市伝説めいたアイデアはワクワクして面白い。普通ならあり得ないが京大ならもしやと思わせるのは不思議。
もうちょっと青河さんのキャラを立たせても良いのでは?と思わないでもない。 -
京大のキャンパスで神出鬼没なバー「三号館」にお題代わりに謎を持ち込んでカクテルを飲むと謎の答えに気づかされるお話
連作短編日常の謎もの
収録作は以下5編
・クローバー・リーフをもう一杯
・ジュリエットには早すぎる
・ブルー・ラグーンに溺れそう
・ペイル・ライダーに魅入られて
・名無しのガフにうってつけの夜
「四季報」なんて単語が入っているので「株に関する謎か?」と思ったけど、京大の学生による日常の謎だった
もしかして4冊で一年間の物語の予定とか?
腐れ学生とまでは行かないけど、森見登美彦がよく書くキャラクターの風味を感じる
主人公もそうだし、憧れの女性の描写もそれっぽく思ってしまう
ただ、「江戸川乱歩」をもじった「加茂川乱歩」は、森見さんならもう一捻り加えてくるかもとも思う
謎に関しては、偶然性に頼り過ぎな謎が結構ある
まぁ、日常の謎に限らずミステリはそんなの多いですよねー
あと、バーの女性店長を「マスター」と呼ぶのは違和感がある
かといって、「バーメイド」「ミストレス」という表記をされると、それはそれで違和感を持つ人も多そうですね
まぁ、この作品ではそんな知識のなさそうな大学生視点で描かれているので、地の文でもマスターと呼んでいても「そう呼ぶでしょうねぇ」としか思わないかな
「モンティ・ホール問題」は、スタンダードな条件だと変えた方が有利ではあるんだけど
些細な条件で確率って変わるからねぇ
事前情報の有無や情報を知っているかどうかで変わってしまうものは、果たして確率論としてどうなんでしょうね?
ストーリーに関して、バーの存在がファンタジー的なものかと思いきや、そんなオチとは
ただ、理屈は説明できても、そんな営業形態にする動機がよくわからない
あと、ペイル・ライダーの前提要件が明らかにファンタジー要素を含むんだけど、これも現実的な説明ができるなんだろうか?
それとも、これも心理的な思い込みによるものなんですかね?
とりあえず、続きを読む