サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061596

作品紹介・あらすじ

「ロックバンドにアニソンシンガー、作詞、小説に、コラムニスト、テレビタレント、ラジオパーソナリティ、トークイベント、映画原作、舞台原作、映画出演、その他……好きなことだけをやって何とかかんとか食ってきた46年間でした。」と本文の冒頭で綴る大槻ケンヂ氏。小学生のころからの自分を振り返りつつ、サブカルチャーとの出会いからを丁寧に綴った本書。巻末に収録した、本や音楽、映画情報など、サブカルチャーの歴史が分かる貴重なデータでもある。

感想・レビュー・書評

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  • 古のサブカルめんどくさジジイが書いた本。最近は、元祖サブカルのひねくれ感をアンチする声が多いのでこういうおじさん久しぶりに見れてうれしい。

    若林のエッセイにもあったけど、「やって無駄ってことはなくて、やっただけ当たる(成功する)確率が上がってる」的な姿勢が何に対してもステキ。
    就活うまくいかないし、サブカルで食っていくほどの情熱(「○○をみんなに知ってもらいたい!」等)はないけれど、そういうものを探せばいいよっていうオーケンさんのあたたかさがすきだった

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00581457

    サブカルで食うために必要なものは・・・実家?
    「ロックバンドにアニソンシンガー、作詞、小説に、コラムニスト、テレビタレント、ラジオパーソナリティ、トークイベント、映画原作、舞台原作、映画出演、その他……好きなことだけをやって何とかかんとか食ってきた46年間でした。」と本文の冒頭で綴る大槻ケンヂ氏。小学生のころからの自分を振り返りつつ、サブカルチャーとの出会いからを丁寧に綴った本書。巻末に収録した、本や音楽、映画情報など、サブカルチャーの歴史が分かる貴重なデータでもある。(出版社HPより)

  •  オーケン=筋肉少女帯の大槻ケンヂが、自らの来し方を振り返りながら、若者たちに「サブカルで食う」ための心構えを説いた語り下ろしエッセイ。北村ヂンというライターが構成を担当している(※)。

    ※構成者がいることは本に明記されているのに、アマゾンのカスタマーレビューを見たら「いつもの大槻さんの本と文体が違う!」と文句をつけている人がいた。困ったもんである。

     「サブカルで食う」というのは、オーケンやリリー・フランキーみたいに、あるいは竹熊健太郎やライムスター宇多丸みたいに、「サブカル・ジャンルでいろいろクリエイティブな表現活動をして生計を立てる」ことを指すのであろう。
     しかしそれは、たんに「フリーライターになる」なんてことよりもはるかに狭き門であって、本書を読んだくらいでどうにかなるものだとはとても思えない。

     まあ、そんなことは当のオーケンだって百も承知だろう。本書はハウツー本というより、ハウツー本の形式を借りたオーケンの語り下ろし自伝である。そして、自伝として読むかぎりメチャメチャ面白い本だ。

     とくに、1980年代前半あたりからのサブカル・シーンを肌で知る身には、本書で矢継ぎ早に披露されるサブカル界隈裏話が、もう面白くて仕方ない。本書にはライターの北村によって大量の脚注がつけられているのだが、私にはほぼすべての脚注が不要だった。なくても理解できたのである。
     オーケンとほぼ同世代で、同時代を「サブカル好き」として生きてきてライターをしている私には、本書のオーケンの言葉の一つひとつが共感できる。あまりに共感しすぎて胸苦しさを覚えるほどだ。

     唸った一節、共感した一節、笑った一節を引用する。

    《あの頃、何かを表現したいと思っている少年少女が出会う場所というのはライブハウスしかなかった。だからみんな仲間とつながるため、友達を作るためにとりあえずライブハウスに通っていたんです。今、SNSでやっていることを、僕らはリアルでやる必要があった。それはとてもいい経験値の上げ方だったと思います。パソコンがなくて僕らは得をした。》

    《多少モテてたとしたら、すぐにバンドなんてやめていたと思いますよ。モテないっていうのもチャンスになりますね。モテないって劣等感はダイナマイト500本分のパワーがあります。その後に必ず創作の源になりますから。大切にすべきです。男子も女子も。》

    《80年代後半のあの頃、ロックバンドでメシを食っていくなんてことは、「俺、ブータンに行って国王を継ごうと思うんだよ」って言い出すくらいの世迷い言でした。》

    《僕はインディーズブーム、バンドブームというものに乗って一時期、一挙に人気が出たのですが、「人気が出る」ということは「ある日突然、いわれのない愛と憎しみを一身に受けるようになること」です。
    (中略)
     路上でいきなり女の子がパッとスカートをめくって「このパンツにサインをしてください!」なんてことを真顔で言われたこともよくありました。
     そういうわけのわからない愛情(?)と同時に、人気が出た人には憎しみというのも沢山向けられるんですね。これがキツイです。
     嫉妬心なのか何なのか分かりませんが、街を歩いているだけで若いバンドマン風の兄ちゃんから「くだらない歌で売れやがって!」と暴言を吐かれたり。》

     「サブカルで食う」ためのハウツー書にはならないとしても、何か表現行為をしたいと思っている若者の背中を押し、勇気を与えてくれる本だ。

  • 大槻ケンヂ氏の体験談に終始しており再現性に乏しい。みうらじゅん氏の『「ない」仕事のつくり方』に比べると内容が薄い。

  • 今読んで良かった
    結局、就職して一日中デスクに張り付いてたって、ニートであったって、好きな物に対してだけは真面目でないと人はダメになるね。

  • 2024.01.27 朝活読書サロンで紹介を受ける。筋肉少女帯。オールナイトニッポン。みうらじゅん賞、高木ブー伝説。サブカルチャーではなくもっと軽くて「サブカル」。1本だけでは食っていけない。何かを「できる人」はサブカルにならない。
    2024.02.10 朝活読書サロンで紹介を受ける。

  • 最後の宇多丸さんとの対談が個人的に好き

  • 久しぶりにオーケンの本を読む。
    家に積読がすげーたまっているから、まずはそれを読めよ!って話なんだけどね…。

    タイトル通り、サブカルで食っていくには?って事なんだけど、才能、運とかすでに結論が出ているので、いつも通りオーケンのエッセイとして読むが良いかと。

    どんなに成功している人でも山あり谷ありなわけで、そこはちゃんとわかった上で読むのが正解。

    軽めに読むにはちょうど良い一冊でした。

  • 「日本印度化計画」を歌う筋肉少女帯の大槻ケンヂが、サブカルでどの様に食い扶持を繋いでいくかを語る本。
    サブカルで食うための方法を、梯子を外して笑いを取るのではなく、現実的にに描いていて良かった。
    「表現したい「何か」があるのか」「ただ自分を表現したいのか」を確かめろという主張は面白かった。
    「自分の好きなジャンルやシーンを底上げしてやる!」という熱意がどうしても必要になってくるらしい。心に響く。
    若いうちに自分の時間を使って「自習」、僕の言葉で噛み砕いて言えば自分が何が好きかの試行錯誤、自分の楽しませ方を学んでおかないと将来大人になった時つまらない人間になるというのは面白かった。
    僕は大学入ってから、友達もあまりできず一人で映画やサブカルチャー批評の本を読んでいて、自分が一人置いていかれているような気がずっとしてならなかった。
    依然としてこのままではいけないのと思っているが、この本はとりあえずその時間の使い方もアリなんじゃないかと肯定してくれているようで嬉しかった。
    この本で何度も紹介されているが、サブカルで食っていくためには「才能・運・継続」が必要だという。才能と運はやってみないとわからないけれど、継続はやっていれば中の下ぐらいにはとりあえずなれるという文章に勇気を貰った。
    少年ジャンプの掲げる「友情・努力•勝利」と比べたらかなりドライな三原則だが、まじめにサブカルで食うための方法を伝えてくれている熱意を感じた。
    80年代サブカルチャーのことが全くわからないから正直出てくる固有名詞が何を言っているんだかわからない部分もあったけど、紹介されている本や映画は是非とも見たいと思った。

  • 暑い中スーツを着て就活をする、ということができそうもない若者に向けて書かれた自伝的な与太話。サブカル本だけに巻末資料は無駄に充実。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」ボーカルとしてデビュー。その後もロックバンド「特撮」でも活動。その特異なキャラクターは音楽だけにとどまらず、映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集める。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞。また『グミ・チョコレート・パイン』シリーズのほか『ロッキン・ホース・バレリーナ』『縫製人間ヌイグルマー』『いつか春の日のどっかの町へ』など著書多数。

「2022年 『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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