波紋 手蹟指南所「薫風堂」 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.64
  • (1)
  • (7)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041064399

作品紹介・あらすじ

晩秋の九月。雁野直春が師匠を務める「薫風堂」に血相を変えて駆け込む者がいた。男は、直春が通う沼田民斎の剣術道場に道場破りが現れたことを伝えに来たのだ。平塚富三郎なる剣客を、その場の機転で退けた直春。だが、その場を見ていた教え子により、直春の武勇伝の噂は、意外な拡がりを見せるのだった。そんなある日、「薫風堂」に馴染んだばかりの儀助が、平塚に捕らえられたとの報が。直春は、決死の覚悟で剣客に立ち向かう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 手習い仲間の猪助が瓦版に直春のことを書いたために、いろいろな波紋が広がることになる。一つは、薫風堂の教え方のすばらしさを、もう一つは、直春が通う民斎の道場の道場破りを見事に退けたこと。ここから、いろいろな出来事が起こって来るのだが、その辺の描き方がうまい。直春が本を書くことになって仕舞ったりする。相思相愛の美雪の具合が悪いということが分かり、直春は心痛めるのだが、さていったいどうなることか。

  • 芋ずる式に話が広がり、想い人の病と自分の執筆が悩みの種となる。
    さあ、これからどうなるどうなる????
    作家が楽しんで書いている時は、時間を忘れて物語に引き込まれてしまう。
    さて、次回が楽しみ。

  • 偶然見つけた作家さんだが、ヒット!
    実にいい。血生臭くなく、人情にも溢れ知恵にも機微にも富み、好かれる主人公が読んでいて気落ちいい。
    「教育には何が大事か?」というテーマにも踏み込んでいるのが素晴らしい。哲学を持っている作家さんなんだろう。他の作品も食指が伸びる。

  • 春ちゃんの顔を見に寄せてもらいたいんだ

  • 1

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口卓の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×