祈りのカルテ

著者 :
  • KADOKAWA
3.71
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本棚登録 : 1525
感想 : 175
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041065808

作品紹介・あらすじ

諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正医科大学病院の研修医。
初期臨床研修で、内科、外科、小児科、婦人科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。
その腕には、別れた夫の名前が火傷(ヤケド)で刻まれていた。
聴けば、夫と関係が悪化し、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという。
しかし良太は、女性の態度に違和感を覚える。
彼女はなぜ、毎月5日に退院できるよう入院するのか……。(「彼女が瞳を閉じる理由」)

初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、
循環器内科に入院した我が儘な女優など、
驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、
新米医師、良太はどう解き明かすのか。

「彼」は、人の心を聴ける医師。
こころ震える連作医療ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 短編集か...苦手だなぁ...

    美しいお話メドレーか...苦手だなぁ...
    ↓ラスト1話
    お涙頂戴ってか?やれやれだぜ...

    エピローグそして読了

    うぉぉおぉおおぉぉぉおん!!!いい話だったよぉぉおぉぉおぉぉ!!!。゚(゚´Д`゚)゚。

    こちらが今回のワタクシの脳内ロードマップとなります。
    ーーーーーーーーーーー

    正直、読み始めたからには と使命感のみで読み進めていた。美しく整った物語と、諏訪野研修医のまるでマガジン主人公キャラはハマる人にはがっちりとハマる事だろう。まぁ如何せんワタクシ暗黒書物大好きマンなので...相性の悪さは致し方無い。

    とは言え、研修医として様々な科を回る諏訪野くんが、素敵な医師や看護師達、そしてクセのある患者達に出会い心を通わせ成長していく姿を連作短編として見届けるプロットは魅力的。
    様々な事情を抱えた患者達に向き合う彼の言動によって訪れる暖かな未来に、柄にもなく穏やかな笑みを浮かべてしまった ^ ^ニッコリ

    研修での波瀾万丈な日々を経て彼が選んだ道。
    「人の心を聴ける医師」諏訪野くんのこれからを想像すると現実に希望が持てますね。
    欲を言えば、ここで産まれたこの素敵なお医者様が名探偵として活躍する医師×本格ミステリが読みたいものです。

    • ほうじ茶子さん
      NORAさんのレビューすごく唆られますね。読みたくなってしまいました。
      フォローさせてください。よろしくお願いします(^^)
      NORAさんのレビューすごく唆られますね。読みたくなってしまいました。
      フォローさせてください。よろしくお願いします(^^)
      2021/08/17
    • NORAxxさん
      ほうじ茶子さん、こんにちは^ ^
      患者の抱える「何か」に関しては考えされられる重たい物がありました。ぜひ読んでみて下さい//
      フォロー嬉しい...
      ほうじ茶子さん、こんにちは^ ^
      患者の抱える「何か」に関しては考えされられる重たい物がありました。ぜひ読んでみて下さい//
      フォロー嬉しいです、ありがとうございます!
      2021/08/17
  • 研修医の諏訪野良太が、2年間の研修で、基礎となるローテートを終え、ようやく専攻する科を決める。

    良太は、
    愛する男の暴力から逃れるため、大量服薬を繰り返し、搬送され女性。
    がん保険金により、娘や孫を幸せにしたいと、手術を希望する老人。
    幸せな未来を手に入れるため、自ら、下腿に熱湯をかける女性。
    両親が離婚して、会えなくなった父親と会いたいが為に、苦しむのを覚悟で、薬を捨てる少女。
    寄付による海外移植の費用を自らの死によって、小児心臓病で苦しむ患者に回したいと考えた女優。

    色んな患者に寄り添い、話を聞き、ようやく自分の進む道を見つける。

    研修先で、患者が抱えている問題を解決して行くが、研修に行った先の指導医他、周りの人達全員が、善人で、諏訪野に、解決を任せるが、そんな事有るかなあ、無いと思うけど。

  • ずっと気になっていた知念さん
    なんとなく手が出せずにいましたが
    ようやく手に取りました


    いやー面白い!!
    初めての作家さんなのに
    ずっと入り込めました


    研修医の諏訪野が
    いろんな科で患者や医師と出会い
    謎を解いていく


    医療ミステリ、面白いですねー



    医療モノが多いようですが
    知念さんはお医者さんなんですね
    他の作品も読んでみたいです!
    次は長編を読みたいなー

  • ドラマ化もされた、知念さんの医療ミステリ。
    連作五話(&エピローグ)が収録されておれてります。

    純正医科大学病院の研修医である諏訪野良太は、初期臨床研修中で様々な科を回って研鑽を積む日々を送っています。
    精神科での研修中のある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきますが、どうやらその女性は、睡眠薬の過剰摂取を繰り返す“常連”のようで・・・(一話目「彼女が瞳を閉じる理由」)。

    特に殺人などの事件が起こる訳ではなく、所謂“日常系ミステリの医療版”といったところですかね。
    主人公で探偵役の諏訪野君が、初期臨床研修中という設定なので、一話目:精神科、二話目:外科、三話目:皮膚科、四話目:小児科、五話目:循環器内科・・と、各話それぞれ異なる診療科が舞台になっているのも面白く、著者の知念さんが医師でもあるので医療現場のリアルな描写も謎解きと併せて楽しめます。
    さて、諏訪野君の謎解きは担当する患者の不可解な言動を、彼らが内に抱える事情や問題を汲み取って解決に導いていくような感じなのですが、読んでいて諏訪野君はエンパス体質なのかな・・という印象を受けました。
    人の感情を読む能力は高いけど、その共感性で自身もしんどくなってしまうパターンで、その辺は話の中でも精神科の指導医の先生に指摘されていましたよね。
    このように、患者さんに寄り添いながら、鋭い観察眼で謎を解いていく諏訪野君ですが、四話目「シンデレラの吐息」については、ちょっと無理あるなぁ・・と、思いました。
    ネタバレになるので詳細書きませんが、シンデレラに関して子どもがその“連想”しますかね・・・?
    とりま、連作で読みやすく、心温まる読後感なので良しとしますww。
    で、様々な診療科を巡ってきた諏訪野君が、最終的にどの科に配属を決めるのか?というのも注目なのですが、エピローグでそれが明らかになっていました。
    続編も出ているようなので、彼が選んだ科で活躍する姿も見てみたいですね~。

  • 研修医の諏訪野良太は、2年間の初期臨床研修で、様々な科を回っていく。その中で、いろいろな事件(医療的なものだが)に出会い、見過ごされがちなヒントをもとに必死に動き回り、なんとかよい結果に導いていく。心がほっとする解決になる。だから、後味はいい。素人なのでよくわからないが、ちょっと出来すぎの研修医かもしれないようには思う。出てくる看護婦や指導医師も、いい人が多い。こんな病院なら、もしかのときにかかってもいいかもね。

  • 研修医の諏訪野先生が
    何科に進むのか、研修期間に様々な科で
    担当患者さんと向き合い、ちょっとした事件を解決していくお話。

    その推理が全然、よめなく
    全く当たらなかった。

    患者さんとすごい向き合ってくれて素敵な先生。

    精神科では、指導医に
    そのままだと、自分が患者さんになるよと言われ納得した。

    小児科向きだなぁと思った。

    最後の研修は、循環器内科
    あまり聞きなれない、自分も行ったことのない科で
    いまちい、何をするとこなのか分かって無かったけど
    本を通して分かった。

    循環器内科の章は泣けちゃいました。

  • 今回もイッキ読みです。

    短編が5つ
    ・彼女が瞳を閉じる理由
    ・悪性の境界線
    ・冷めない傷痕
    ・シンデレラの吐息
    ・胸に嘘を秘めて

    研修医の諏訪野良太が研修先の科であったお話。
    重い内容の割には、軽く読めるので良かったです。

  • 本屋大賞にも名前があがっていて気になっていた作家さん、初読み。先に感想を書いてた方のレビューで興味を持ち、読んでみました。良かったです!
    文章のテンポが良く、ひとつひとつの短編も型が決まっててすごく読みやすい。
    医療現場を舞台にした日常系ミステリー(かな?)の連作集。

    初期臨床研修で様々な科を回っている新米医師の諏訪野くんは、まさに!マガジンの主人公みたいなキャラですね。それぞれの医局で出会った、わけありな患者さんの謎も心も解きほぐしていく。どのお話も読み終えたあと、ほっこりじーんと胸が熱くなりました。最後2篇が特に好き。私ももうちょい読みたいので願わくば続編希望です。

    • NORAxxさん
      ほうじ茶子さん、こんにちは^ ^

      読んでいただけて嬉しいです、ありがとうございます...♪*゚

      諏訪野くんの真っ直ぐで素直で少しおチャラ...
      ほうじ茶子さん、こんにちは^ ^

      読んでいただけて嬉しいです、ありがとうございます...♪*゚

      諏訪野くんの真っ直ぐで素直で少しおチャラけたキャラクターの放つ、暖かい空気感がとても良いですよね。
      私史上、心のカイロ作品です(笑)

      素敵なレビューありがとうございます。お陰様で薄れていたホッコリを取り戻せました。
      2021/09/20
    • ほうじ茶子さん
      NORAxxさん、こんばんは(^^)
      こちらこそ素敵なコメントありがとうございます。

      心のカイロ作品〜ほんとにそんな感じの作品でしたね♪
      ...
      NORAxxさん、こんばんは(^^)
      こちらこそ素敵なコメントありがとうございます。

      心のカイロ作品〜ほんとにそんな感じの作品でしたね♪
      今、また思い出して良かったなぁ〜という感情に浸ってます。

      NORAxxさんのレビューのおかげで新しい本に出会えて感謝です。ありがとうございました♪♪



      2021/09/20
  • 医療ミステリの連作短編集。

    他人の気持ちに敏感で、他人の立場になって考えられる。
    ひとりひとりの気持ちに寄り添える主人公だからこその、心あたたまるエピソードたち。

    前向きな主人公に、基本的にいい人ばかりで、読後感もよかった。

    ただ、全体的にあっさり解決しすぎて、ぐっと感情移入する前に終了してしまった。

  • すごく良かった〜!!! これ続編があっても全然良いって思いました!出てるのかな?そんでこれドラマ化された作品だったけかな、、?

    諏訪野くんの鋭い洞察力で患者さんの本当の気持ちを汲み取ってあげることができる能力に驚かされてばかりでした。
    病気を治すことは絶対大事だけれど、心に寄り添ってあげることができるのも大事なんだなぁって思いました(^^)
    あとどーでもいいことかもしれないがページ数が横並びじゃなくて縦並びで記してある本に初めて出会いました!

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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