- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041065822
作品紹介・あらすじ
世に放たれたレイシア級hIEと呼ばれる、レイシアの姉妹たち。オーナーを必要としないスノウドロップ、人間に寄り添う紅霞、人間を利用するメトーデ、「私にこころはありません」と告げ
るレイシア。人間がもてあますほどの進化を遂げた、人間そっくりの「モノ」を目の前に、アラトは戸惑い、翻弄され、選択を迫られる。アラトが見つけた「ヒト」と「モノ」とのボーイ・
ミーツ・ガールが導き出す人類の未来への選択とはーー。
感想・レビュー・書評
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上巻は冗長に感じたが、下巻に入ってスピード感を感じて読むことができた。上下巻でかなりのボリュームがあり、人と人とそっくりなアンドロイドとの共存を考えさせられる物語だった。アンドロイドものとしては秀逸だと思う。
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上下巻読んでの感想。
面白かった!上巻の初めは俺俺男子高校生が鼻についたけど、中盤以降全く気にならなかった。戦闘描写があまり印象的に描かれていないのもまた良かった。どっちに転んでも面白いと思うけど、小説で読むなら心情描写とか、この戦いに何の意味があるのかとかが詳細に描かれていた方がいいから、合ってた。
あとアナログハックとかミームとか、あとそれぞれの個体の二つ名もしっかりと意味があり、練られていてそこを理解するのが面白かったし、興味深かった。
道具とのボーイミーツガールにも関わらず、毎度いい雰囲気になる度に、心はないって読者の心を折りにくるのもまた良かった、、後半には無意識に心がないってのになんと無く反抗?しちゃっていて楽しんでいた。
同級生3名もそれぞれの属性が立っていて、分かりやすかった。ただ改めて考えてみると、アラトはただ美少女という点のみで惚れたので、それをちょろいで終始片付けているのが笑った。実際現実もそんなもんだからそれでいい。
アニメは戦闘描写見たいので観てみようかなと、 -
長谷敏司による近未来SF『BEATLESS』下巻。
"人間のかたちをしたもの"に人間がさまざまな感情を持ってしまう性質を利用して、人間の意識に直接ハッキング(解析・改変)を仕掛ける「アナログハック」という概念、AIに感情は芽生えないという一貫したスタンス、AIが人類に対して脅威となるものではなく共存しうるものであることを証明しようとする超高度AI―――本作の特徴を挙げてみればこの上なく魅力的な作品に思えるのだが。。。
やはり、登場人物に魅力を感じられないのが致命的か。特に主人公のアラトと、レイシアを始めとした彼を取り巻くキャラクターたちの関係性の描写が希薄・無味乾燥で、盛り上がるはずの場面に全くドキワクしない。
最低でもアラトとレイシアの"絆"はもっとしっかりと描いて欲しかった。アラトがレイシアに命を懸けて協力するこれといった動機も感じられず、(私の中では)結局、「超絶美少女アンドロイドに狂わされた哀れな少年アラト」という認識から脱することが出来なかったのだが・・・実はその認識で正しいのか? -
上、下巻ともに本の厚さに絶望したが、上巻よりも興味深い内容が多く、色々と考えながら読めたので、楽しい読書体験ができた。
毎日を過ごしていく中で、様々な『モノ』と関わりを持って私達は生きている。
今作は私達が持つ『モノ』への見方が変わり、何気ない日常生活が、いつもと違う視点で見れるような作品だと思う。
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人工知能との共生を選択するまでにモノとしてのAIが人に近づいている未来ならば,AIというモノのディストピア的発想もまた先進するはず.そのような可能性を否定する事象もなくヒトとモノとの排反と肯定だけで物語が収束してしまうのは,御都合主義では無かろうか(結末をどう捉えるかは,読み手の楽観/悲観主義に依存するか).