地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 928
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067772

作品紹介・あらすじ

罪人が化け物に見える青年・遠野青児は、わけあって借金をかかえネットカフェを泊まり歩く放浪生活を送っていた。そんな中、迷い込んだ洋館で、白牡丹の着物をまとった美少年・西條皓(さいじょうしろし)に出会う。皓はある使命を受け、鬼の代わりに罪人を地獄に届ける「地獄代行業」を営んでいるという。そんな皓は、持ち前の観察眼から青児の窮状を見抜き、住みこみの助手として屋敷で働くよう誘う。なし崩しで助手として働くことになった青児は、旧家の令嬢からの一家に災いをもたらしている「鵺」を対峙してほしいという依頼を受け、皓とともに旧家・獅堂家に乗り込むが、そこには血縁に絡む怨念が渦巻く事情が・・・。旧家での連続殺人、ライバル探偵・凜堂棘との推理合戦、数々の困難に巻き込まれながら、青児は少しずつ自らの役割を自覚し、どこか寂しそうな皓も、青児との関わりの中、少しずつ笑顔を取り戻していく。罪人を地獄に届ける謎の少年と世に絶望したニートの事件簿!

感想・レビュー・書評

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  • 罪を犯した人間が化け物に見えるニートの青児は、迷い込んだ洋館で美貌の少年・西條皓に出会う。皓は妖怪たちの親玉の山本五郎左衛門の息子で、罪を犯し悔い改めない者を地獄に送る<死の代行業>をしていたのだ。おどろおどろしい話が続きホラーなのだが、事件の真相を明らかにするミステリーとも言える。第3怪では、青児自身の罪が暴かれる。怖い怖い。誰もが罪人かもしれない。

  • 京極夏彦作品を読んだ後だったので
    全く期待せずに、ラノベっぽいのかなぁなんて軽い気持ちで読み始めましたが
    甘くみてました、スミマセン面白かったです
    著者さんの妖怪や古典の知識も勉強になりました

    その館に迷い込んだ人は罪を犯した人
    罪人が妖怪の姿に見えてしまう体質の
    金も運も職もないネカフェ難民の遠野青児が出会ったのは
    人手不足の地獄の使者に代わり
    地獄代行業として罪人を地獄に送る
    謎の少年、西條皓

    青児の視点で物語が進んでいくのですが
    この青児のキャラがとても好感が持てました
    ミステリーとホラーの中間くらいのお話で
    とても読みやすかったです

  • 短編3話からなる小説なので読みやすい。
    ミステリーとホラーの両方が成立していて、ストーリーも良い。
    続きが出ていたので読む予定。
    人間誰しもが持つ黒い部分を見せられるところに「ゾワッ」とする。
    事件の発端は誰もが大なり小なりついた事がある「嘘」だったり、「見栄」だったり…謂わゆる人の業。現実にありそうな事件と現実離れした設定が見事に調和されていると思う。
    登場人物の見せ方も上手い!
    どういう人物なのかもっと知りたい!と思わせる。
    今後の期待も込めての星4個!

  • 猫って食べれるの?しかも美味しいの?
    いや、そもそも猫食べる人いるの?って1番気になった。え、じゃあ、犬はどうなの…?

  • うわー、グロい。怖い。榎田ユウリのパクリ?とか最初思ったけど、グロいのはグロいけど面白かった。
    人の業とはと考えさせられるなぁ。

  • この年までくると、妖怪の名前もほとんど聞いたことがあるので、この本ではこう描くかーと思ってしまう。
    こちらは人の死に方がちょっとエグい。
    このまま気持ち悪いとやめるにはおしい。もう少し読んでから決めたい。
    最後の参考図書に京極夏彦の名前があったのに笑った。

  • 面白かったです!青児の性格に好感が持てたし主人の皓から嫌味ではなくさらっと助手から降格していく様子も良かったです(笑)お話も読みやすくて良かったですが人物描写に物足りなさを感じてしまいました。まだ1巻を読んだだけなので続きを読むのが楽しみです!

  • 読了。
    ちょっとグロいけど、面白かった。
    登場人物の名前が難しくて読みづらい…。

  • 遠野青児は職なし文なし宿なし三重苦を抱えた上、所持金も底をつく寸前だった。公園に配給目当てに向かうはずが道に迷う。迷った先で行き着いたのは立派な洋館とそこの主・西條皓だった。
    三重苦な上に人脈もなく、運もなく、勘も悪く、ないことずくめの青児。唯一授かった能力は人の業を妖怪として見る目。
    妖怪の王様の息子で博識でつねに微笑を浮かべているがS気があり、発言に毒がある皓。周りにいるのは紅子だけ。
    ご主人様と飼い犬の凸凹バディ。別に青児がいなくても皓は困らないだろうが、いないと物足りない存在なんだろうな読者としても思う。2人のやり取りはほのぼのしていると言っていいが、扱っている案件は地獄くらやみ花もなしだ。めでたしめでたしのハッピーエンドが好きな人は後味の悪さしか感じないだろう。今回の相談者ほぼほぼ情状酌量の余地のないバッドエンド直行コースなのでざまあみろと思ってしまった。しかもいろんな妖怪が恐ろしく、禍禍しく、容赦ない所が個人的にはよかった。

  • 本屋で見かけて表紙買いしてしまった1冊。中身を知らずに買ったがこれは当たりでとても面白かった。主人公は青児の方だろうか。青児のランクがコロコロ変わるのも見物だ。また妖怪好きな人には、知っている妖怪が結構出てきていたので、なかなか興味深いかも知れない。本屋に並んでいた分を一気に買ってきていたので、是非次巻も読み進めていく。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。2017年「地獄くらやみ花も無き」で、第3回角川文庫キャラクター小説大賞〈読者賞〉を受賞。同年、「折紙堂の青目鬼 -折り紙あやかし事件帖-」で、第5回富士見ラノベ文芸大賞〈審査員特別賞〉を受賞。

「2023年 『地獄くらやみ花もなき 捌 冥がりの呪花、雨の夜語り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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