スケルトン・キー

著者 :
  • KADOKAWA
3.31
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本棚登録 : 965
感想 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041069172

作品紹介・あらすじ

週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を高めることで、“もう一人の僕”にならずにすむからだ。昔、児童養護施設<青光園>でともに育ったひかりさんが教えてくれた。僕のような人間を、サイコパスと言うらしい。
ある日、<青光園>の仲間の“うどん”から電話がかかって来て、平穏な日常が変わり始めた。これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう――。

感想・レビュー・書評

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  • 容姿、スポーツの才能、知性などと同じように、性格も遺伝するのか…。
    昔読んだ本で、性格のほんの少しは生まれた時から決まっているが、ほとんどは環境で決まる。とみたことがあるが、容姿、知性などが遺伝するのに、逆になぜ考え方、性格は遺伝しないと言えるのかというのも不思議である。

    妊娠中に鉛、喫煙、飲酒をフルコンボで行っていた母親から生まれて、しかも父親は殺人犯というサイコパスの遺伝子を持った2人、錠也と鍵也。
    錠也は児童養護施設で比較的自分の暴力的衝動を解放しながら生きてきた。
    鍵也は早い段階で里親に引き取られて過ごし、今は東京大学に通っている。
    傍から見れば、鍵也の方が環境的に恵まれているように見えるが、自身の衝動を解放できなかった鍵也は、ある一点で爆発してしまい、人殺しをも軽く行えるように育ってしまった。

    最初は錠也だけだと思っていたが、鍵也が出てきてからの衝撃と展開が凄まじかった。

    作中では鍵也は、唯一の兄弟である錠也に、自身の犯した殺人の罪を冷静になすりつけるサイコパスとして描かれる。最初は錠也も充分サイコパスだと思ったが、鍵也が出てくると全然錠也は可愛く見えてくる。やっぱり人を殺す一線を越えられる人は、飛び抜けて怖い。

    もう錠也も鍵也も道を踏み外したあとで読み上げられる最後のお母さんの録音レターが切なかった。

  • サイコパスと言われるような人のオンパレード。サイコパスの人が必ずしも反社会的で攻撃的になるわけではないと分かっているけれど、この作品のサイコな人たちは怖かった。最後はそれはそれでやるせないものだった。仕掛けは騙された。

  • サイコパスが過ぎるな…と。
    2章まではわりといつものように、伏線に気づき始めたらその先を早く知りたい!と思って読み進めたけれど。3章の後半はバイオレンスの応酬で、なんともいえない血生臭い描写。ずっと眉間に皺を寄せながら、ここまで残酷なシーンが続くのは今まで読んだことがなかったなぁと思う。
    次の展開を期待する気持ちが、この辺りから掻き消されてしまったような気もする。

  • 途中までワクワクした

  • 中盤からのドンデン返しに頭ついていかない。。。
    ひかりさんの名前どんな感じなのか最後まで気になる

  • 児童養護施設<青光園>で育ち現在は週刊誌記者の危険な仕事を請け負っている19歳の坂木錠也が主人公。

    錠也の養護施設時代のいくつかのサイコなエピソードを脳裏に刻んで読み進めて行くと中盤で見事に騙される。
    読者に錠也の異常性を植え付ける前半の導入部分はお見事!

    そして終盤に向かいグロテスクな応酬。

    ミステリーとサスペンスが融合したスピード感ある展開に最後まで目が離せませんでした。

    エピローグはガラリとイメージが変わり温かさを残す物でしたが
    ここは更に新たな恐怖を示唆するラストの方が余韻が残ったかも知れません。

  • 性質は遺伝子によるところも生育環境によるところも大きいのだろう

  • 児童養護施設出身で週刊誌のスクープの手伝いをしている。サイコパス。

  • サイコパスだらけでびっくり。
    題材はすごく好きな感じだったけれど、後半そこまではまらなかった。

  • 2022.10.28-561

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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