京都なぞとき四季報 古書と誤解と銀河鉄道 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041069974

作品紹介・あらすじ

【目次】
たまにはセドリー・オン・ザ・ロックスを/見えないブルー/撫子はもう好きじゃない/五分だけでも待って/ 銀叡電の夜

感想・レビュー・書評

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  • 京都を舞台にした本を読み漁っているから、京大生がメインキャラとして登場することがやたら多い。
    生まれ変わったら猛勉強して、京大生になりたいな~なんて考えてしまう。
    吉田キャンパスの場所も良い。
    実在するお店や施設が出てくるので、グーグル地図を見ながら一緒に移動するのも楽しい。

    今回は、謎を携えて三号館へ、という一巻のパターンを踏まず、蒼馬が神出鬼没。
    謎解きはひたすら遠近倫人の恋愛問題、青河幸への想いに絡む。
    甘酸っぱい。
    そして、倫人の成長が嬉しい。

    『たまにはセドリー・オンザ・ロックスを』
    背取りと掛けてるのかな?
    古本市でバイトすることになる倫人たち。
    さる小説のおかげで、文化系カップルが大勢押し寄せるようになったようだ。森M…
    万引き騒ぎと、サークルの名簿流出問題の謎を解く。

    『見えないブルー』
    飲み会での発言には気をつけたほうがいいという教訓。
    マンションの部屋のミステリ。

    『撫子はもう好きじゃない』
    怪しさが割とすぐに分かるかな?
    そして、ゲス野郎が出てくるたびに、倫人の良さがじんわりと浮かび上げって来る。

    『五分だけでも待って』
    嘘と策略と共犯…

    『銀叡電の夜』
    銀河英雄伝説ではない(笑)
    全体を通して、瓶賀(みかが)さんと灰原(はいばら)さんが、とても良い女子だった。
    この作品、魅力的な女子が多いが、付き合うにはちょっと…
    自分が男子だったら、千宮寺さんが好みかなあ…

    そして、男は裏で変な策を弄さず、直球勝負が一番だ。

  • リア充爆発しやがれ!という感じの青春ミステリ。マイルドで読みやすいとは思うが、毒気なし。ルヴォワールのある登場人物が結構出てきますが、未読者には、ある仕掛けが楽しめなくなるかもしれないので注意。

  • 前作に続いて、短編ミステリーなのですが、今作の方が主人公の恋愛の話が中心に描かれているように感じました。

    主人公の思い人と連絡が突然取れなくなった事件の謎では、なかなか告白できないのに、飲み会で酔っ払って理想を語ったら、思い人が高校時代の経験から、理想のタイプの人間になろうとしている事で苦しくなっていた事をぶつけられ、告白前に関係悪化するという最悪の展開に。
    サークルの先輩にはめられたり等の最悪な出来事が続いている章は、読んでいて、自分もこんなんあったなーと凹んできました。

    主人公の味方と思っていた蒼馬さんも素直に受け入れられなくなっていき、どうなっていくのかとドキドキしながら読んでいましたが、学園祭の謎の解決で一緒に行動した事をきっかけに仲直り(この種明かしはミステリー的にはどうなん!?と思いましたが)。

    蒼馬さんも登場し、いよいよついに告白かという場面で最後の章へ。引っ張って引っ張って最後はこうくるか!
    と最後の最後まで楽しませてくれました。

    最後の章の登場人物達の出来事、台詞がとても味わい深くて、また読み返したい作品になりました。

  • 登場する女性たちが強く賢く美し過ぎ、一方で主人公の東横は理屈っほくて優柔不断なくせに自尊心が高いのは敢えて対比させるための作為でしょうが、もう少し男性にしっかりして欲しい。
    とはいうものの、コージーミステリーとしてそれなりに面白く、学生時代を過ごした場所が舞台なので親近感を感じます。

  • 京都の大学生ってなんだか特別に思えるのは森見さんの影響か。

  • 第一章はスタンダードに悪人成敗。感じの悪いやつが普通に悪いやつだった。シンプルに爽快感のある作り。

    そこからは遠近の青春が繰り広げられる。
    不思議なバー3号館だが何となく今回は関わりが薄い。蒼馬さんの存在が遠近の今一歩頼りない感じを際立たせる役割を果たしているのはわかる。
    しかし三号館と蒼馬さんという最大の謎が解き明かされる事は遂になかったのだ。

    トリックは意外性のあるものも多い。前巻よりも読んでてエンタメ性がある。京都という古都を全面に生かしたものが多かった。

    ドラマ化した際は蒼馬さんが前面に出てくる事だろう。もしかしたら狙ってたりして?

  • シリーズ2作目
    というか、これで完結でもおかしくはない終わり方ではあるんだけど、続くのか?これ

    今回はキャラクターの内面的にも踏み込んでいて、読んでいてちょっと心苦しい展開も……

    今回は以下5編
    ・たまにはセドリー・オンザ・ロックスを
    ・見えないブルー
    ・撫子はもう好きじゃない
    ・五分だけでも待って
    ・銀叡電の夜


    今回の探偵というか謎解決のアドバイザーは瓶賀流さんの方が務めているような……
    前作の最後の種明かしで、バーが決してファンタジー的な存在ではない事が描かれたことで、三号館という縛りなく蒼馬実希さんが登場しているし
    終盤ではバーの存在意義そのものが揺らいでいるなぁ

    キャラかぶりとまでは行かないけど、役割の差別化って必要だと思うんですけどねぇ


    ただ、この物語で評価すべきは、普通の日常の謎ものにありがちな謎が解けて終わりなだけでなく
    「謎の解決」の先や根本にもっと解決すべき問題があるところですね

    ハウダニット、フーダニットという謎そのものは論理的なミステリとして答えを導けるけど、ホワイダニットまで突き詰めていくと物語に深みが出る構成は好き

    私が日常の謎ものに求めているのは、謎そのものではなく、やはり人間模様としてのミステリなんだと改めて知った

  • シリーズ2作目。一昨目は物足りなさが残ったけど、2作目は良作だと思います。
    京都の魅力も表現されてましたし、あの辺りに住んでいた昔を懐かしみながら読みました。

  • 古書店絡みの謎、京都では創業100年でもまだまだ、四百年のお店もある、ということに感動。清河さん失踪?と思ったら遠近くん失恋。大学の学園祭の場所取りの失敗誤魔化すために睡眠薬もる、て犯罪でしょ。そしてわかってみれば簡単な神隠しから清河さんと和解、銀河鉄道の謎は解けないけど、人に安易に頼らないよう成長、そして清河さんと遠近くんお幸せに。

  • 第2巻ということで、第1巻と同じ流れかと思ったら、予想外のミステリーに驚きだった。
    でも、これはこれでいい着地点だったので、良かったと思う。
    やっぱり、このお話は、これでお終いなのかな。

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著者プロフィール

ミステリ作家。1983年、奈良県生まれ。2009年に『丸太町ルヴォワール』で講談社BOXからデビュー。同作から始まる〈ルヴォワール〉シリーズ(講談社)のほか、著作に『キングレオの冒険』(文藝春秋)、『シャーロック・ノート』(新潮文庫nex)など。

「2022年 『円居挽のミステリ塾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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