モニター越しの飼育 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041071045

作品紹介・あらすじ

美しい女性教師・加納凛は両親に厳しく育てられた影響で普段は控えめな生活を送っているが、たまにエロティックな下着をつけ自撮りをするという密かな気晴らしを楽しんでいた。しかし突然、凛のパソコンに、見知らぬ人物から、密かに撮りためていた自分の淫らな写真が送られてくる。さらに淫らな自撮り画像を送るよう命じる【鈴木】と名乗る男にいやいやながら従いつつも、次第に凛は心を許してゆく。そんなある日、凛は学校で携帯を紛失してしまい、同僚の石黒という男に携帯の中の写真を見られてしまう。脅されて何回か関係を持った凛だったが、ついに関係を拒否すると、逆上した石黒は、凛の写真を全世界へ発信してしまう。すべてを失った凛から鈴木へ送った『会いたい』というメッセージ。凛が彼のもとを訪れると、そこに待っていた人物は意外な姿で……。切ない男女の思いが交錯する、エロティックホラーサスペンス!

感想・レビュー・書評

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  •  ネット社会の落とし穴に、落ちていく女。

     一人は、固い高校教師で自撮りした欲情的な写真をばらまくと脅される。
     一人は、恋人だと思った男によってリベンジポルノを落とされる。

     大石圭なので、女は知性も教養もあるのに、歪んで、危うい。
     歪みの根源は、結局のところ育った環境というか家庭にある。
     が、それは理解されない。

     「女の子だから」
     その一言で、どれほど自我を削られてきたのだろうか。

     不思議と、「女の子」であることの息苦しさをちゃんとわかっている感じがするのである。

     高校教師の視点で描かれているので、強迫されている立場と、生徒を支えようとする姿勢とのせめぎ合いになる。
     というのが、ちょっと目新しかった。

     にしても、ネットの恐ろしさをもっときっちり理解してないよね。
     と、つくづく思うのである。
     いや、ネットに限らず、自分を守る術というものを、きちんと身に着けないといけないんじゃないかと思う。

     それって、回りまわって世の中をよくしていくんじゃないかとさえ思うのだけど。
     
     最後のシーンがとても象徴的だった。
     何かを分かち合うって、愛情の根源だよな。

  • この作品は、大石圭氏が描く、大石圭氏ならではの純愛物語なのかもしれません。結末についてはちょっと物足りなさを感じます。卑劣な教師への罰が省略されています。「モニター越しの飼育」、2018.8発行。

  • 大石圭『モニター越しの飼育』角川ホラー文庫。

    美貌の女教師・加納凜を主人公にした官能サスペンス。結末には全く救いも無く、ホラーの要素は薄い。一連の大石圭作品の中でも非常に残念過ぎる作品。

    美貌の女教師・加納凜の元に鈴木と名乗る全く見知らぬ人物から加納凜を写した卑猥な画像のメールが送られる。さらに加納凜の働く学校では教え子がリベンジ・ポルノの被害に苦しみ、加納凜も同僚の石黒に脅され、肉体関係を持つことに……

    最近の大石圭作品はカバー写真だけで売れているのでは……

  • リベンジポルノの怖さとか、負の連鎖とか現実にありそうでこわっ。と思いました。

    でも、最終章には…

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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