明暗 手蹟指南所「薫風堂」 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041072097

作品紹介・あらすじ

「薫風堂」にやって来た新たな手習子・善次は、何かに怯えているようだった。それは以前いじめられていたせいなのか。心配をよそに善次は次第に皆と打ち解けていくが、ある日、彼は忽然と姿を消してしまう。

感想・レビュー・書評

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  • 手習所の下山する子どもの奉公先の世話のこと、頼まれている「手習心得」を書くこと、道場の新しい弟子のことなど、いろいろと直春は忙しい。これらのことを一段落させてから美雪のことを考えさせようというのであろうか。そう考えて読んでいると、最後になって美雪の幼馴染の菜美がやってきてその話になる。作者は余りにも図式的ではないだろうか。美雪のことをしばらくなおざりにするほど、直春は薄情なのであろうか。本当に相手に惹かれているのであろうか。全く納得がいかない。次の巻のテーマは、美雪とのことであろうが、実際にそんなに順々に片付けていくようなことなのか。

  • そうなればいいのにとの願いで、生まれるものだけではないと思いますけど

  • 手蹟指南所「薫風堂」シリーズ第4弾。
    指南所で学ぶ子供達が下山(卒業すること)の時期になろうとしていた。

    やたら口の軽い父親が、前の手習い所でいじめを受けていた息子善次を連れてやってきた。
    薫風堂では、お互いを認めていじめをするような子供はいないことが、やっとわかって表情にも明るさが戻ってきた矢先、突然親子が夜逃げをした。
    父親が務める店から金を横領したというのだ。

    善次のその後に心配する直春。

    稔書堂から、手習い所の心得などの本を出版依頼されてた直春は、小さい子らを指導する助手太一の見習い先にと連れて行く。

    忠兵衛が今まで一人で、手習い所を下山する子供達の勤め先をその子の才能や性格を見据えて、世話をしていたのだが、これを引き継ぎ来年からは直春だけですることになる。

    直春の子供時代からの親友猪吉も戯作者として売れ始める。

    子供らの将来を真剣に考え、手習い指南の本を書くために、考えをまとめルうちに、自分の中で教育者のあるべき道を整理するうちに、理想の姿を見つけ出す。

    このシリーズは痛快な場面もあるが、何と言っても、人を育てるということの難しさや大事さを考えさせる逸話も多く、楽しみ方も多岐に。

  • 89

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著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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