燃える地の果てに(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 71
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041078617

作品紹介・あらすじ

幻のギター制作者エル・ビエントを捜しパロマレスまでやってきたファラオナと織部(おりべ)。しかしその消息は杳(よう)として知れない。30年前の米軍機事故後、パロマレスの住民は放射能汚染の不安から疑心暗鬼に。治安警備隊に連行された友人を救うため日本人ギタリスト古城(こじょう)は正体不明のスパイ〈ミラマル〉に挑んでいく。2つの異なる時間軸に起きた事件が交錯し驚愕のラストに。思わず印刷ミスを疑う読者が続出した極上エンタテインメント!
1966年スペインパロマレスで実際に起きた米軍機墜落事故をモデルにした小説。(しかし、給油中の米軍機墜落事故は昨年2018年の12月にも、高知県の沖合で起きている!)
水爆ミサイルの最後の一基が不明になった1966年パートと、あるギターの名品を探す二人の男女の30年後のパートが交互に描かれ、徐々に核心に迫っていく。年月を超えて一つにまとまるラストのドンデン返し衝撃度は当時「印刷ミスでは?」と読者から言われたほど多くの賛否両論をわき起こした。著者の作品の中で「カディスの赤い星」「百舌の叫ぶ夜」と並び称される日本の名作ミステリーとして評される。

感想・レビュー・書評

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  • ギター製作家・ビエントを捜し、スペインの村パロマレスを訪ねた古城。村の沖合では米軍機が搭載していた核爆弾が行方不明になる事故が。30年後、再びパロマレスへ向かうが…。

  • ギタリストとギター製作者の友情が、30年の時を経て生き別れた母娘を再会に導く。という甘い感動の物語ではなかった。してやられた。
    米軍機の事故が、静かな村に引き起こした騒乱。消えた核爆弾の行方と、放射能汚染の恐怖。隠蔽を目論む米軍、その失墜を画策するスパイ。盛り沢山の展開の中、ゆっくり丁寧に作られていくギターにも、大きな秘密が隠されていたなんて。
    どこまでも楽しませてくれる作品。

  • これぞ叙述トリック!といっても過言ではないくらい面白かったです。

    実際にあった事件を基にしっかりとトリックが作られており、完全に騙されました。


    想像していたよりも堅苦しい感じもなく、いい感じに読み進められました。
    ただ外人の名前が覚えられないプラスアメリカ人スペイン人がたくさん出てくるので登場人物を覚えるのに苦戦しました笑

  • スペイン+ギターで、逢坂作品の真骨頂ネタ。

    偶然でしょうが、作品世界の一部が、なんだか今のご時世と・・・。

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著者プロフィール

逢坂剛
一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。

「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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