まことの華姫 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 481
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041082065

作品紹介・あらすじ

江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。
なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。それも、話芸が目当てというより、お華に会いに来るお客が多いというのだ。
何故なら。“まことの華姫”は真実を語る――

姉を殺したのは、実の父かもしれないと疑う、小屋一帯の地回り山越の娘・お夏。
六年前の大火事で幼な子を失い、諦めきれずに子ども捜しを続ける夫婦。
二年前に出奔したまま行方知れずの親友かつ義兄を探しにはるばる西国からやってきた若旦那。
そして明らかになる語り部・月草の意外な過去……
心のなかに、やむにやまれぬ思いを抱えた人々は、今日も真実を求めてお華の語りに耳を澄ます。
しかし、それは必ずしも耳に心地よいものばかりとは限らなくて……
快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の人々の喜怒哀楽を描き出す、新たな畠中ワールド!

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに畠中恵さんの小説☆しゃばけシリーズが好きで、昔よく読んでた作家さんです。華姫が、どう事件を解決していくのかが、キーワードとなるかなぁ。華姫は、人形なのですがね☆お夏と父親の山越、芸人の月草、それぞれのキャラクター私は、好きですねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラとくに月草、しっかりしてないようで、ちゃんとしてる。見に行けるならば、私も華姫の聞きに行きたいꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

  • 江戸時代から腹話術があったということに驚き。
    その人形、華姫と人形師の月草。両国をまとめる山越の親分の下の娘、お夏。
    二人と一体の謎解き。
    見事でした。
    久しぶりに畠中恵らしい楽しい作品でした。

  • 美しい木偶人形華姫と、影の薄い芸人月草が江戸の両国で人々のまことを見通していく話。
    特別不思議なことがおこるわけじゃないけれど「華姫には本当にまことを見通す力があるのでは?」と思ってしまうような魅力的な華姫。
    気が弱くて影が薄い月草ととてもいいコンビ。
    賑やかな江戸が華やかで、楽しくあっという間に読めてしまう。

  • 華姫シリーズ第1弾。
    月草と華姫、お夏お嬢さん、よいコンビです。
    華姫はSFではないから、勝手に1人で話し出したり、千里眼ではないので、きちんと事件を解決していく感じです。
    腹話術と分かっていても、華姫の仕草や口調、見事です。
    綺麗なお着物着て、ファンから綺麗な簪を頂いて。
    お母さんとお姉ちゃんを亡くしたお夏っちゃんには、憎まれ口叩ける良い相手。

  • お馴染みの江戸もの。人形に話させるという語り口が変わっている。未来は見えないが、事実を積み重ねて観察すると、真実がみえてくるのかもしれない。

  • 火事の怪我が元で人形を作れなくなった元人形師が美しい姫人形を腹話術でしゃべらせる芸人になった。両国の元締めの親分の娘お夏と一緒に、周りで起きる謎を解いていく物語。まるで生きているかのように話す華姫が生き生きと描かれている。
    ただ、しゃばけシリーズに比べるとやや物足りなさを感じた。

  • 真実を見通し、語るといわれる華姫の物語。
    華姫は、浄瑠璃に使われるような美しい姫様人形で、その作者の月草は、今は腹話術の芸人として、ともに見世物小屋で芸を披露している。

    二人(?)による連作謎解きものだけど、華姫は、実は・・・という展開になるのかなと思わせてしまう。

  • 腹話術を芸とする月草が持つ人形、お華は、真実を見通す目を持つ華姫といわれている。その名を聞きつけ、真実が知りたいと相談事を持ち込む人々の話。

    読みやすい文体で、それぞれの話もまあまあ面白い。時間の半端にあいた時にサラッと読むのにいい感じ。

  • 安定の畠中恵。

  • 畠中さんの作品だから、もしかしてお華は本当にしゃべっているのでは?と思ったりしたのですが、どうやらそうではなかったみたいです(笑)良くも悪くも”まこと”を言い当てる華姫「十人いた」が切なかったですね。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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