ライオン・ブルー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 166
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086322

作品紹介・あらすじ

関西某県の田舎町、獅子追町の交番に勤務する制服警官・長原が拳銃を持ったまま姿を消した。県警本部が捜査に乗り出すも、長原の行方は見つからない。同期の耀司は獅子追への異動を志願、真相を探ろうとする。やがて町のゴミ屋敷が放火され、家主の毛利が遺体で見つかった。事件性なしとされるが、ひと月後、警ら中に発砲音を耳にした耀司はヤクザの金居の銃殺死体を目にする。さらに現場に落ちていた凶器が、長原の持ち去った拳銃だと判明し――。
怒濤の展開が待ち受ける、乱歩賞作家渾身の警察ミステリ。スピンオフ短編「蛇の作法」を特別収録。

――第31回山本周五郎賞最終候補作

感想・レビュー・書評

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  • 呉勝浩『ライオン・ブルー』角川文庫。

    終盤に繰り広げられるある意味で掟破りの展開には驚かされた。静かな小さな過疎の街で起きた事件を描いた、かなり捻った異色の警察小説。随分と思い切ったものだ。

    拳銃を持ったまま失踪した獅子追交番に勤務する制服警官・長原の事件の真相を探るために獅子追交番への異動を志願した長原の同期の耀司が着任するやいなや次々と変死事件が発生する。

    『ライオン・ブルー』の前日譚となる短編『蛇の作法』を特別収録。

    本体価格800円
    ★★★★

  • 記録

  • 架空の町「獅子追町」に生きる警官らの生き様を描く物語。前半の凡庸さと結末の強引さがやや気になるものの、全体的には良く出来たエンターテインメント作品。

    どんでん返しと事件の真相は驚愕ではもののズルさと飛躍しはやや興ざめさせられる。とはいえ田舎の陰湿さや息苦しさ、それらと狡猾に付き合いながら歪んだ理想郷に向けて己の信念を持つリアリストたちの攻防はなかなか読み応えがある。

  • 最初のどんでん返しはミステリとして素晴らしい。この「今まで読者が読んできた世界が反転する」感覚はミステリに不可欠だと思う。

    だが、主人公のナルシスティックな自分語りがうざったい。甲子園のトラウマがどうとか、兄との確執とか、はっきり言ってどうでもいい。

    もう一人の主人公ともいえる晃光の人物造形はなかなか良く、終盤明かされる彼の狂気じみた野望もダークヒーロー的で面白いのだが、結局それも過去のトラウマが元になっているあたりは正直がっかり。

    お話としては本格ミステリ的であり、聞き込みで徐々に真相に迫っていく警察小説的な要素あり、バイオレンスなノワール物の趣きあり、となかなかに魅力的なのだが、どうにも主人公の語り口が私には合わなかった。

  • いまいち

  • 大変面白く読ませていただきました  悪を悪で撃つ ハードボイルドではなく警察小説で 話を進めている辺りは面白いと思います 只 この小説を読んでスカッとは絶対しない この小説はこの一編だけでは終らず続編が有る事は?

  • 話が暗い。そして複雑。
    あんまり好きではなかったなぁ。

  • 面白かった!
    流石 #石田衣良 オススメ!

    サクサクと読める文章に、思いもよらなかった展開。
    今まで結構、小説を読んで来たけどこの手法は無かったですね。
    スワンも読んでみよう♪

  • 『スワン』が面白かったので、ちょっと期待して読んだのだが、
    これは正直微妙だった。

    田舎の閉鎖的などんよりとした感じは好きだったのだが、
    いまいち盛り上がりに欠ける。

    しかし、おまわり悪ばっかだなー!

  • 帯には「巧なストーリーテリング、精妙なプロット」と書いてありますが、物語の構成を楽しむことができませんでした。読んでる途中も、最後も、後味悪くて、好きじゃないです。

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著者プロフィール

1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年、『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。他に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。

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