ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 316
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086346

作品紹介・あらすじ

人気を誇る美少年霊能力者タクミから、心霊番組のロケに協力してほしいと頼まれた、雪越大学オカ研メンバー。なんとタクミは霊能力が衰えほぼ視えないらしい。そしてロケ先の百貨店廃墟で恐ろしい出来事が…

感想・レビュー・書評

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  • 著者の怪異への向き合い方はすごい。
    起きた怪異よりも何故そんな事が起きたのかに着目しているというかなんというか。

    それにしてもよく現代の世相を物語に、リアルに取り込んでいるのも見逃せない。

    現代のブラックバイト、困窮世帯の話と怪異(歴史上の飢饉)が重なるの、作者ならではのお話である。

    ともあれ、カップルの今後がまた楽しみになります。

  • アイドル、子供、双子。

    全て『子供』が出てくる3編でした。
    1話目は…まぁ本人がよろしいなら
    それでいいのかと。
    証明を、と言われてもできない気もする職業なので
    心の強さ、が大変そうです。

    2話目は、そんな病もあるのだな、と。
    脳の不思議というべきか。
    あちらの世界もこちらの世界も
    平穏に解決してよかったです。
    余裕、大事。

    3話目は、今も昔もよく聞く話、な仕事話。
    情に訴える、を通り過ぎて支配している。
    こうなってくると、どうしたらいいのか、の
    判断が付くかどうか…。
    学生課、便利です。

    そして全てにおいて、主人公は色々バラ色です(笑)
    ただ、彼女も案外…なので、その状態を見せても
    そのままいけそうな気がしなくも、ない??

  • 1累ヶ淵百貨店・・・両角巧は「霊能者タクミ」で一世を風靡した有名人。霊能力を売りに芸能活動をしていたが能力が薄れてきてオカ研に相談に来た。映画撮影中に事故が起きて廃墟になった累ヶ淵百貨店でロケを行うことになり,,,
    2渇く子・・・稲生藤乃歯学部二年、尼だった祖母が他界し、その屋敷で住むことになったがその屋敷でやせた幼い子供の幽霊に覗かれることがあった。
    3赤珊瑚 白珊瑚・・・法学部二年、林田萌菜は同棲していた彼氏と別れたがお守りとしていた赤白の珊瑚のペアの片方、赤珊瑚を元彼に隠された。その珊瑚を離ればなれにすると不幸になるという謂われを気にするが元彼のバイト先の学習塾ではバイトに対する厳しい労働環境が問題となっていた。

    森司はこよみを自宅デートに誘い、もてなしの料理をどうするか悩んでいた。

  • シリーズ第16弾。
    3話からなる短編集。

    読み応えのある内容でした。
    とくに1話目は新しい力の持ち主の登場により長編にしてもよさそうな内容。

    他2編も悲しく考えさせられる仕上がりとなっております。

    森司と灘のどうでもいい話は少し進展あり。
    バイトもせず親の仕送りでカルパッチョだのブルスケッタだのパスタだのチキンだのって格好ばかりつけるあたりが全く好感もてない。(個人の感想です)
    それよりも泉水の話が読みたいので希望する。

  • 一冊飛ばした(´・ω・`)スマン
    八神と灘カップルは両想いだけど進展はしない
    から安心して読めるw
    今回は強烈な霊が何人(?)も出て来た忙しい
    巻なのに、「おうちデート」って超絶美人さん
    に言わせる作者は確信犯なので終身刑にしてね
    (一生、このシリーズだけ書かせる)

  • お、小山内!!
    お前、告白だなんて...!
    最近めっきり出番がなくなって、登場人物一覧の挿絵にいるものの間隔が空きすぎて誰だっけ?となっててもおかしくない小山内が...!
    灘が森司が両片思い状態なもんだから扱いにくいキャラになっちまった小山内が...!!
    告白!!

    お前やったよ....!
    玉砕は目に見えてるけどやったよお前...!

    ...と思ったら嘘かい!!
    おれの賞賛を返せと思わず口に出してしまった。
    とはいえコレで灘と森司の間を阻むものは無くなったわけだ(そんなものがあったかと言われれば疑問だが)

    いやあそれまで色々感想があったがエピローグで全て吹っ飛んでしまった。
    もう16巻なのだから色々進展して然るべきなのだが何故だか読者もオカルト研究会の面々の如く微笑ましく見守ってしまうのだから面白いモノだ。

  • いやー、ほんと好きこのシリーズ。森司くんのヘタレっぷりはいっそ清々しい。

  • 久しぶりにこのシリーズを読んだのだが、森司とこよみちゃんは付き合っているのか、いないのか。どうなんだっけ?と混乱した(*_*)
    キャラクター紹介の森司のとこに「こよみに片思い中」とあるので付き合ってない。と判明!
    いやいや、付き合ってるよね!当事者だけがまだ交際してないと思ってる状態なんだよね。じれったい~。でもそこが面白いのだよね(*^^*)
    今回三編収録されてるけど全部怖かった!
    ご飯を食べられることのありがたさも身に染みた。破棄される食料がある一方、お腹を透かせている人もいる。どうにかうまくいかないものなのだろうか。

    お気に入りシーン。p168「馬鹿を言うな」森司は吠えかえした。「おまえ、おれにそんな度胸があると思っているのか」
    森司と小山内の会話を、泉水と藍と部長が聞いて感想をつぶやくとこも好き( *´艸)

  • なんだかんだ言って面白い。
    表紙はよくありそうなライトノベル風だし、全体的にご都合主義な展開だしヒロインは何故だか主人公にベタぼれだし、まわりはいいやつばっかりだし。
    でも、面白い。
    もともと自分がオカルト好きだと言うこともあるけど、なんだかんだページを進める手が止まらない。
    しかしこのカップルもジリジリと間を詰めて、ついにおうちデート。読んでるこっちが恥ずかしくなるほどの初々しさ。シリーズ通して見守ってきた身としては、しっかり幸せになってもらいたいものです。
    それにしても毎回いろんなジャンルのネタを持ってくるのは素直にすごいなあ。

  • もう16巻なのですね。そしてここにきてようやくこぎ着けたおうちデート(笑)。いったいどこまで健全なんだか。いや、もちろんいいと思うのですよ健全で。それにしても、小山内くんもいいやつだよねえ……。
    そして例により、健全ラブコメの甘さを補ってあまりあるほどの恐怖。「渇く子」は怖くはあったけれどしんみりもしましたが。「累ヶ淵百貨店」と「赤珊瑚 白珊瑚」での怪異がパワフルすぎてとんでもない! よくぞ無事で……そろそろ誰か祓える人を味方につけておかないとまずいかもしれませんよこれは。
    しかし「赤珊瑚 白珊瑚」での怖さは現実にも投影されていて、これが一番ぞくりときたのでした。現代の社会問題もさながら、過去にもこういうことが有名な歴史事実にあったにも関わらず、また繰り返されてしまう悲劇。ひどく苦しい物語でした。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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