「教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041087169

作品紹介・あらすじ

先がまったく読めない時代に必要な「社会を生き抜くための武器」とは何か。
日本を救う「尖った人」を増やすには、どうしたらいいか。
我々は何を、どのように後輩たちに継承するべきか。

これは、あらゆる立場の人にとって難問といっていいでしょう。
親として、教師として、上司として……この「先輩としての責任」を
難なく果たせている人はそう多くありません。

大学二回生で恩師から「わかること」「教えること」の本質を提示されたときから、
会社員として、ベンチャー企業の創業者として、そして大学の学長という立場から
考え続け、実践してきた著者の結論とは?

「教える」「教育」を切り口にして、日本の最重要課題に切り込む。

【特別対談も収録】
「教える」ということの本質と課題を多角的に考察する、
各界専門家との特別対談も必読です。
 ・久野信之先生(立命館慶祥中学校・高等学校校長)
 ・岡ノ谷一夫先生(東京大学教授「生物心理学」)
 ・松岡亮二先生(早稲田大学准教授「教育社会学」)


【本書の構成】

第1章 後輩たちに「社会を生き抜く武器」を与える

  特別対談 久野信之×出口治明

第2章 根拠にもとづいて話す。選択肢を与える

  特別対談 岡ノ谷一夫×出口治明

第3章 「尖った人」を生み出すための高等教育

  特別対談 松岡亮二×出口治明

第4章 正しい「人間洞察」を前提にした社会人教育

感想・レビュー・書評

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  • 最後に今年の学習院大学国際社会科学部卒業生の謝辞が掲載されていました。
    コロナのかげに隠れていたけど、結構話題になったらしい。

    「尖った人」が活躍というのは、特に最近の話ではないのでは。
    たとえば三浦知良さんは『カズのまま死にたい』で
    〈若いときは自分勝手。ブラジルで修行時代の僕も必死だったし、自分ができることしかやってなかった。その身勝手さを、周りのベテランがバランスを保ちつつうまくさばいていてくれていたのだと、この年になってよく分かるよ〉と書いているし
    俳優の三浦友和さんもエッセイ『相性』によると若い頃生意気だったらしい。
    余談ですが、三浦友和さんは今話題の渡部建さんの高校の先輩だそうで、教育してほしかったです。

    ただ、私が思うのは「尖った人」は世の中に大事で、増えていくことに大賛成ではあるが、その誰もが上手くいくわけではないと思うし、SNS盛んなこの時代に尖った人を選択してしまうとリスクも高いのではないか、かなりの覚悟が必要では。

    他に興味をもったのは次の二点。
    女は出産すると「オキシトシン」というホルモンがでて自然に子どもを愛するようになるが、男は子どもを育てる作業で「オキシトシン」がでるようなる。
    子供の面倒をみるから、可愛いという気持ちが生まれるということ。
    だから渡部建さんはどんなに辛くても(何が辛いのか?)ひたすら子どもの世話をすべきでした。(すぐここに話がいく)

    もうひとつは岡ノ谷一夫さんによる「オンライン教育のデメリット」。
    ピア・ラーニングが大事ということですね。
    コロナがおさまり、少しずついろいろなことが復活してきて、本当に良かったと思います。
    岡ノ谷さん以外のお二方との対談も、すごく面白かったです。

  • 教育の目的
    自分の頭で考える力を養う
    社会の中で生きていくための最低限の知識を与える

    勉強すると理由
    選択肢が増える
    生涯収入が高くなる

    伝え方の基本
    最初に結論を述べる
    エビデンスを提示する
    相手のレベル合わせた伝え方をする

    情報整理する方法
    人に話す
    書いた文章を人に見せる

    人に教えることで自分も学ぶことができる

    新しい産業づくりのキーワード
    女性 ダイバーシティー 高学歴

    ☆人間は怠け者だから勉強せざるを
    得ない環境に身を置く

    人は1人では勉強しない

    お互い刺激しあう仲間が必要

    ☆インプットの方法
    人、本、旅から学ぶ

  • APU(立命館アジア太平洋大学)の学生に数年前に出合ってその優秀さに驚いた経験があります。
    (ちょっと大げさに言うと)「所詮、リッツ(立命館)の系統でしょ」くらいにしか思っていなかったのですが、
    とても魅力的な学生でした。
    そんなこんなで教育に興味があって、ライフネットを創業された出口さんがAPUの学長になられて、
    どんなことを考えていらっしゃるのかが気になって読んでみました。

    言っていることはとてもまともで、現代の受験戦争とは違った路線で共感できる内容が多かったです。
    出口さんご自身で考えられたことから出てきた主張も私自身とても勉強になりました。

    個人的に少し不満なのは、タイトル。
    「教える」とタイトルにつけたからには、
    大きなグラウンドデザインから教授法のHowの議論まで幅広く聞いてみたかったですが、
    教授法の部分が少し弱かった印象です。
    (まぁ、学長なので、実際に授業をする機会って、そんなに多くないはずなので、仕方ないか…。)

    興味がないことは学生は覚えられないし、勉強しない、
    といいことを言っておきながら、
    APUの学生に渡す学長推薦の読書リストが難しすぎる!(笑)
    こんなの興味を持って読む学生は果たして何人いることやら…。
    そんな状況に学生の興味・関心に火をつける工夫をもっと知りたかったです。
    (生協に推薦図書コーナーを設けたり、大学や企業で読書を強制させるではなぁ。。)

    批判というより、最後はボヤキでしたが、
    教育に興味のある方は読む価値のある書籍だと思いました。

  • 「教育」というジャンルほど、シロウトが少ない知見で、さも分かったように語る言説が多いそうですね。(子供を東大に入れたママなどその一例。たった一人の子の成功例をさも大多数を調査した学者のような顔で語る。など。)教育に関する言説は、効果の検証が難しく、かつ時間がかかり、時代とともにニーズが変化して、議論の対象とする被教育者の年齢や地域・言語・時代を正しく捕えて議論する必要があるのに、多くの人が思い思いの事を言ってるのが実情です。なので、教育に関する言説は信じないようにしています。

    と、前置きしましたが、この一冊はスゴイです。信じる信じないでなく、スゴイです。企業のトップとして、後任を育ててきた経験と、大学の学長として、日々学生を見て感じたことから書かれていますが、スゴイ説得力です。(思わず信じちゃいます。)日本の教育はこうあるべきだ、でなく、著者の人生経験と膨大な読書量で造形された「いち意見」なのがスゴイ説得力を産んでいます。必見です。

  • 『教える』ということの意味・意義・目的等を示しながら、読者が先人として、『先輩としての責任』を果たせているか?説いた本。

    ・日本を救う『尖った人』を増やす
    ・高学歴とは一生学び続けること
    ・多様性が組織を強くする
    ・人・本・旅のインプット術  等等

    先人(先輩)としての責任を果たすために、日々我々が『学ぶ』ということを日々しなければならないということを教えてもらった。
    色々と刺さるフレーズがあり、大変勉強になった。

  • とてもシンプルで必要十分な文章が刺さってくる。

  • 結局は タテヨコ数学 人本旅 いつものやつ

  • 学ぶ楽しさを知る人、好きなことに熱中できる人。
    これから求められる人材は、これまで求められた人材とは大きく異なってくることを感じさせてくれる一冊。
    最後の卒業式の謝辞は、自分ごととして考えると、判断が難しいなと思った。

  • 研究室がピアラーニングの場として、改善される方策を考え続ける必要があると感じた

  • 読んでもわからない本は悪い本だと言う所から出発して、陥りがちな間違いを補正する考え方を学べる良書。

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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