かんかん橋を渡ったら

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103579

作品紹介・あらすじ

嫁入り、出征を見送ったかんかん橋を渡れば、寂れた温泉町・津雲。町の食堂『ののや』に集まる人々に襲いかかる不況と別れ-それをふきとばせるのは、母の強さと、温かい涙。感動の名手あさのあつこが贈る、最高の応援ストーリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 昔からあるかんかん橋。石でできた古い橋。
    この橋を渡ってきた人々の人生。
    戦争があったり、嫁いできたり苦楽を見てきた橋。
    橋になぞらえて人の生きざまが語られているのが魅力。

  • 小さな寂れた田舎町にあるかんかん橋。
    その橋を中心とした連作短編。

    ほっこりした内容だと思いきや意外にもヘビー。
    最後の章にはガツンとやられました。
    淋しすぎる…。
    みんなのこの後が物凄く気になります。
    どうやら続編があるようなので読まなくては。

    やはりこの人の描く野球の話が好きだなぁ。
    『いつかの自分』を信じられる人は強い。
    素敵な言葉。

  • 最後の話で思わず泣いてしまいました。

  • すごく泣いてしまった。特に遠い人とかんかん橋で。真子ちゃんも鮎美も奈央さんも菊ばあちゃんも清蔵さんも珠美さんも恭介も強くて弱くて愛おしい。

  • 86続編から読んでしまったわ。短編連作はいつまでたっても慣れません。心あるストーリーでした。

  • 寂れた温泉町・津雲へと続くかんかん橋。
    菊ばあちゃんの嫁入り、出征、食堂『ののや』の真子達親子の別れ……、多くを見送った今、町を容赦ない不況が襲う。
    それでも生き抜く女たちの、母なる強さと温かい涙の物語!
    (アマゾンより引用)

    オムニバス形式の短編集。
    野球部の子の話があったけど、あれは誰ともつながってないのかな?

  • 色々自分の人生と重ね合わせる事が多く面白かった。ただ、カンカン橋を巡る多くのエピソードが結局顛末はという感がある。

  • 津雲にある津雲口橋、通称『かんかん橋』をめぐる人たちの物語。全5編。
    食堂ののやを中心に、過去は菊おばあちゃんの話から、現在の街の人たちの人情話。

  • なかなか進まなかったけど
    菊おばぁちゃんの「遠い人」から一気に引き込まれる。
    「遠い人」から先の4編は泣けました。

  • 連作短編6編
    岡山あたりの田舎,津雲町のかんかん橋あたりを舞台に繰り広げられる人間模様.食堂ののやのメニュー野菜炒めが美味しそう.野球少年が出てくるあたりは,あさのさん得意の青春物風.章ごとに少し色合いが変わるのも面白い.

  • 読了できず。。。

  • 32/171

  • 小さな田舎町・津雲、そして町中を流れる川にかかる「かんかん橋」を舞台に、町に暮らす人々のそれぞれの家族との繋がりを短編連作の形で描いた作品。
    物語に登場する人々は、皆どこか幸せとは言い切れない家族の事情を抱えています。ですが、苦しく悲しい過去や、ままならない現実に押しつぶされそうになりながら、それでも自分なりの答えを見つけて生きていく姿がとても格好良く見えます。
    人というのは脆いけれど、同時に強くもなれるのだなあと、しみじみ思いました。家族がそばにいて、当たり前に大切に思い合えることの幸せも。

    読了後も、悲しい気持ちだけでなく、どこか爽やかさを感じる素敵な作品です。出会えて良かったと心から思います。

  • 舞台は津雲という古くは湯治場として栄えた町。そこにある津雲口橋。通称“かんかん橋”。

    車は通ることができないような、なんてことない小さな橋。
    この橋を中心にここを渡る人々の物語。


    かんかん橋を渡って嫁入りしてきた菊ばあちゃん。
    毎日、登下校でかんかん橋を通る女の子、真子。
    かんかん橋が見えるアパートに暮らす幼い夫婦。
    蒸発した父親をこの町で待とうと決めた野球少年。

    戦争の時はバンザイバンザイと送り出した。
    夫と子供を捨ててここを出て行った人もいた。
    若者は都会の生活を夢見てここを出て行く。戻ってこない人もいれば戻ってくる人もいる。

    そういった風景をかんかん橋はずっと見てきたのだなあと思った。

  • 寂れた温泉町にある小さな橋。
    通称かんかん橋を渡る
    世代を超えた物語。
    それぞれもちょっと読みたいってとこで終わる感じが絶妙。

    【図書館・初読・12/25読了】

  • あさのさんの少年・少女の心情の描写が好きです。やるせなさとかもどかしさとか、言葉にできない感情、読んでいて自分もつい感情がこみあげてきます。

  • 津雲にある津雲口橋、通称『かんかん橋』。

    過去と現在がうまい具合に交差する。
    菊おばあちゃんのはなしからもうやばい。

  • H26/10/13

  • 津雲にある津雲口橋、通称『かんかん橋』を渡って来た人達の物語である。
    高齢の写真館の菊おばあちゃんが、白無垢の花嫁衣装で、かんかん橋を渡って来た昔話から、話は引き込まれてしまう。
    町の食堂の「ののや」の一人娘の真子が、そのはなしの聞き役になり、進展して行く。
    寂れた温泉町、経済の悪化をもろに受けて、皆、生活に四苦八苦しながら、生活を送っている。
    菊おばあちゃんの結婚の時の懐古から、戦争の出征を見送ったかんかん橋、御主人が、出征出来なかった自己嫌悪感と、其の家族の戦争に行って欲しくない心の葛藤が、切なく、小説の間に、挿入されており、「わぁたしゃ 十七 花嫁御寮。、、、」の歌とともに、最後まで、この歌が、活かされている。
    稚児と妻を残して、東京に仕事を探しに行った夫。そして、毎日不安な気持ちを抱きながら、自分の父親との誤解を、息子の病気によって、氷結していたものが、融けだして来る珠美。
    会社破綻で、失踪した父親を持ちながら、気丈な母と、心痛めながら、立ち向かう野球少年。
    そして、真子は、第二の母になった元ストリッパ―の奈央と、父親の入院、急死で、自分の生き方を考え、生き別れの母に手紙を投かんするのである。

    加藤美紀さんの装画も凄く可愛良いのと、本の初めの菊おばあちゃんの話のくだりで、ついつい手に取り、読みふけってしまった。

  • 津雲の町
    何代もの女たちのたくましく生きていく様が描かれており
    励まされます

    (ただ…こんなにも女だけが強くなければならないの?
    根性ある男の人がもっといてもいいのでは?と、ちょっと疑問)

  • どこにでもありそうな話だけど、ちょっと切ない。

  • うっ、泣ける。

  • 新潟日報に掲載されていたのを途中から読み出して、面白くてハマり、本が出たら読んでみたいと思っていた一冊。図書館で借りて一日で一気に読んだ。
    菊おばあちゃんのお話のトコで涙が出て来た。
    結末を知っているのに、最後の最後でまた涙…。
    「見た目が良いとは、目の届かぬところに細心の注意を向けること。」(引用)
    これは手許に置いておきたい本かもなぁ…

  • どんな人もハッピーエンドって訳にはいかない。そりゃ、わかってる。現実もそうだってことも知っている。
    なんでだよ!って納得のできない悔しいことは生きていればたくさんある。
    そして、心がいっぱいいっぱいの時、視野が狭くなることも、よくあること。
    だけど、時間をかけて気づくんだ。懸命に生きていくうちに掴めるんだ。一部を見てすべてを知った気になっていた、自分の愚かさを。
    菊さんのお話は、力強くて好きだなぁ。

  • 「かんかん橋は不思議な橋だ。心の在り処(か)を教えてくれる。」
    たくさんの人がかんかん橋を渡った。
    行く者。帰る者。何気ない日常の幸せな時間。
    橋は何も語らず静かに見守るだけ。第三章「遠い人」が良かった。

  • ののやの話をもう少しよみたかったー。和久さんがとっても素敵。

  • カンカン橋のたもとにまつある物語 なんか懐かしくて泣きたいような子供の時の郷愁を感じながら読んじゃった 表紙の女の子に惹かれて手に取りました

  • 山と川に包まれ、不況と過疎化の問題を抱えた小さな村、津雲。
    あさのさんが住んでおられる津山を彷彿させられる背景設定で、
    私自身の記憶とリンクしたので郷愁溢れる想いで読了しました。

    小さな村の密な人間関係の中での日常のドラマは、
    人との距離感が近いが故に、1つのドラマに他人が
    少しづつでも深く関わってくる様が、都会にはないなぁと
    感じました。でも憧れるかと問われると・・・
    たぶん、窮屈この上ない気も ^^;

    菊おばあさんの章が一番好きでした。

  • 「かんかん橋」がそこに住む人々の大事な風景になっていてさまざまなドラマが展開されていき人々がつながっていく。単調な場面もあるが、はらはらする場面もあり、メリハリがあってよかった。
    自分の住む街には人生というドラマの風景になるような場所があるだろうか。私の今までの人生において折に触れて思い出の中に登場するような場所は残念ながらない。これからの人生の中で私の「かんかん橋」ができるといいなあと思った。

  • 図書館で借りる。主人公の少女に感情移入できず読みにくいと思っていたが、菊おばあちゃんの過去話で一気に引き込まれ読み終わった後は切ないような満たされたような温かい気持ちになった。野球少年の話も良かった。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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