ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.25
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本棚登録 : 1301
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041108819

作品紹介・あらすじ

増改築を繰り返した結果、迷宮のような構造を持つにいたった巨大な洋館。長年放置されていたその館の周辺で行方不明者が相次ぐ。突然現れたナルの師匠という女性。彼女が持ってきた依頼は、長野県の山中にある広大な屋敷の調査だった。だが調査隊はSPRだけではない。日本中から名だたる霊能者や心霊研究家も集められていたのだ。尋常でないのはそれだけではない。館の内部や外部の構造を調べるうち、麻衣たちは建物のあちこちに不審な空洞があることに気づいた――。そして、事件は起こった。館にいる人間が姿を消し始めたのだ。徐々に明かされていく血塗られた館の過去。ゴシック趣味溢れるシリーズ5作。SPR史上最凶最悪の怪物が潜んでいる!?【解説:千街晶之 ミステリ評論家】

感想・レビュー・書評

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  • この館に入ると何人かは行方不明になるといういわくつきの館を調査する一行。その中で怪物、ドラキュラのモデルのような人物、その恐怖と怨念の強さに最終は館を火事で燃やした。その中で麻衣が幽体離脱まで出来るようになり成長もしており、次回でも成長が楽しみである。

  • シリーズ第5弾
    行方不明者のでる洋館を秘密裏に調査して欲しいという依頼。巨大な洋館は長年の増改築でまさに迷宮。集まった多くの霊能力者や心霊研究家達(胡散臭い方もチラホラ)。SPRが調査する中で、次々に浮かび上がる謎や疑念。そして、また行方不明者が。

    第5弾までくると、SPRの面々がワイワイ好きなこと言いながらも、お互いを信頼しているのが分かって楽しい。そして、ナルやリンさんの秘密が少し明らかに。
    ホラー要素も満載でまさに血塗られ、鮮血が溢れてる。ちょっと、心をえぐられる気持ち悪さ。でも、それらを含めてとにかく、面白かったです。

  • シリーズ第五弾。

    増改築を繰り返した結果、迷宮のような構造を持つにいたった巨大な洋館・美山邸。
    今は誰も住んでいないこの廃邸に忍び込んだ若者が姿を消し、彼を探す為に館に入った消防団の青年も失踪してしまう事件が発生します。
    館の持ち主サイドから調査の依頼を受けたSPRメンバー(withいつもの霊能者達)は山中にある件の館に赴きますが・・・。

    シリーズ“最恐”といわれている本書。
    まさに迷宮のような、異常な構造の巨大な館の中で次々と調査メンバーが姿を消していく展開や、その背景にあった血塗られた真相・・・確かに戦慄を禁じ得ない内容でございます。
    恐さの“質”としては、ゾッとする怖さというより西洋ホラーでよく見る、スプラッタ要素が強い“物理的なコワさ”という印象です。
    過去に館で行われていた残虐すぎる実態と、終盤での目を覆いたくなるようなグロテスク描写は“その手のモノ”に弱い人は“閲覧注意!”の凄まじさがあります。
    私もうっかり想像すると貧血を起こしそうだったので、この辺は斜め読みして逃げました(汗)。
    そして前巻で登場した、安原くんがこの巻でも引き続き登場。
    相変わらずの優秀さで、さすがのナルも彼に対しては文句のつけようがないせいか、当たりがソフトですよね。
    さらに、ナルの“師匠”という森さんが新キャラとして登場し、どんどん仲間が増えていって、チームの結束も強くなってきている感じです。
    後半で真砂子が大ピンチになった時に、なりふり構わず助けにいく麻衣の姿にグッときました。
    (麻衣の暴走はお約束になりつつある・・・?)
    その麻衣ですが、孤児だったことが判明!・・あれ?一作目で家族がいるような描かれ方をしていたような気がしていたのですが・・・?どうも私の思い込みだったようですww
    そして、謎が多かったナルとリンさんの背景も徐々に明かされてきているのも興味深いです。
    麻衣の“能力”開花っぷりも含めて、今後のシリーズ展開が楽しみです~。

  • シリーズ5作目。
    迷宮のような巨大洋館で人が失踪してしまったのを、持ち主の元首相が霊能者を全国から何人も集め、解決を願うという流れ。

    麻衣の一つ目の夢は怖かった。。。途中さりげなく織り込まれていた、麻衣が高校生なのに泊まり込み調査に自由に参加できていた理由にびっくり。そうだったのね麻衣ちゃん・・・
    大学生になった安原さんも登場する。リンさん大活躍。本巻から新たに登場した森さんにより、ナルの背景がほんの少しだけ明らかにされる。

    本書でも登場した、実在するウィンチェスター館、どんな建物なのか気になる。

    解説で小野不由美さんと綾辻行人さんがご夫婦なのを初めて知った。
    そしてその後調べたら、おふたりは京大の推理小説研究会に所属され、そこで出会ったそう。その後ご夫婦揃って成功されていてすごい!著者は大谷大学の仏教学科出身で、作中のぼーさんのお経や儀式・語る蘊蓄が詳しいのはその辺が関係しているのかなと思った。お父様が設計事務所をやっておられ、図面が好きだったともある。

  • 何度読んでも怖い!

    そして面白い。

    名作です。

  • '22年7月17日、Amazon audibleで、聴き終えました。

    シリーズ1~5まで聴きましたが…今作が最高でした!面白かったです!

    館の怪異、ホラー的な要素、サスペンスフルな進行と、どれをとってもエンタメ小説として、一級品!と感じました。

    あえて一点、不満をあげれば…ラストの結末に、違和感が。でも、ネタバレしちゃいそうだな…語らないでおきます。

    新キャラも、毎度ですが、登場。ナルの秘密?も少し明かされ…マイちゃんの出自も。盛りだくさん、でした。あと、マサコのヤキモチのシーンが…オッサンを癒やしてくれました。ハハハ( ◜‿◝ )♡

    このままの勢いで、全作制覇を!

  • シリーズの中で一番好きな小説!そして個人的には一番怖い。
    読んだ後は風呂に入るのが怖くなるくらい。
    浦戸の正体や目的について、フィクションや実在の人物を元に推理していく流れが特に好き。だけど怖い。そこが面白い。
    主人公の麻衣は相変わらず暴走気味。そこがまた少女小説っぽさを残してる気もするけど。シリーズ自体は昔全て読んだので、散りばめられた伏線の展開とかも知ってる身としては、麻衣が無自覚にナルの地雷を踏み抜いていくのに少しモヤモヤしてしまった。
    あとは今まで影が薄かったリンさんが活躍してくれて嬉しい限り。メンバーの中では一番チートっぽいキャラだけど、決して万能ではないのがリアルで面白い。

  • ウィンチェスター館と、ドラキュラ伯爵が下地となっている第5巻。麻衣の能力も作品を重ねるごとに強くなってきているようだが、今作は本当に怖かった……。女中の記憶を辿った夢のくだりは、本当に死の恐怖に直面した感触がありありと語られ、動悸がやばいことに。物理的な恐怖感が強く煽られるところは、西洋型のホラーが下地にあるからなんだろうなあ。
    新キャラの登場から、ほんの少しだけナルの謎がはがれた感じがある。まどかさん、人当たりよさそうに見えて、なかなか食えない人柄だ。また成り行きから安原少年が再登場したのがうれしい。題材はホラーなのだが、個性的な登場人物たちの掛け合いのテンポの良さが、重苦しさを払拭してくれている。霊能者ご一行の好感度が感を重ねるごとにぐんぐん上がってきた。「あたしは真砂子、好きだな」と語る麻衣の感性も、すごく良い。
    麻衣と言えば、冒頭に天涯孤独である旨が語られた。そうだったのか……。これまでの調査に帯同できたのも納得。このチームの空気感にずっとひたっていたい……読み進めるごとにその気持ちが強くなってきているのだった。

  • 再びの洋館が舞台。
    次々と消えていく館に招かれた人たち。

    麻衣の能力がドンドン開花していく。

    洋館ってだけで不気味さが増していくのはずるいとは思う笑

    ただ、最後の心霊現象を起こしていた原因が手に負えない怪物ってどうゆうこと?とは思ってしまった。

  • この本で一番怖かったのは血が関係するシーンではなく。

    ないはずのドアが目の前にあり、先を行く友人がドアの先に行くのをみて、不思議に思いつつも主人公がそちらにいってしまいそうになる…という場面。

    そんな主人公を本当の仲間が呼び止めてきて(さきほどのあれは??)、ハッと我にかえるとさきほどのドアはもうない…。
    あれ?と不思議がる主人公。

    あと少しでほんとにヤバかったんだからね…とハラハラするスリル。
    毎年読んでてもドキドキします。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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