- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041109069
作品紹介・あらすじ
理想の夫だったあの人は、私を、愛してはいなかった――。
三十四歳、結婚して七年、子供なし。夫には、誰にも言えない秘密がある。
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翻訳家として働く辻井志織は、三十四歳。五年の交際を経て、結婚をした夫の誠太は、友人から「理想の旦那」と言われ、
夫婦生活は安定した温かさに満ちていた。ただひとつ、二人の間に子どもがいないことをのぞいては。あるとき、志織は誠太のSNSに送られた衝撃的な投稿を見つける。
自分の人生に奥さんを利用しているんですね。こんなのは本当の愛じゃないです。
二週間後、夫は失踪した。残された手紙には「自分は志織にひどいことをした、裏切り者だ」と書かれていて――。
感想・レビュー・書評
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確認したくなる一冊。
不妊治療を軸に描かれる夫婦の物語は道が見えない治療の苦しみはもちろん、愛の苦しみが溢れていた。
信じる絶対的なものが自分から剥がれ落ちる想像を絶する苦しみ、虚しさが痛いほど突き刺さり寄り添いたくなる。
志織にとって裏切りとも感じる誠太の行動は相手を想い過ぎた故の行動、愛を抱えるつもりが逆に愛に押しつぶされてしまったように感じた。
同じ目標へと同じ場所で同じ空気を吸っていても吐き出す空気は全く別のものなんだな…と今更ながら心に渦巻く。
今信じる愛を今すぐこの手で触れ確認したくなる、そんな読後感。 -
20代後半から30代にかけて多くの女性がぶつかる婚活、妊活問題。本作は妊活がテーマ。しかも、夫婦どちらかに明確な不妊の問題があるわけでもなく、原因は不明。
子供は天からの授かり物と言われるが、一方で5人も6人も子供がいたり、一度の性行為で妊娠する人もいる。周りと比べてもいいことはないけれど、相性の問題なのかな、違う人とならすんなり授かったのかなと、考えてしまう心情はわからなくない。
惚れ薬の話はさて置き、誠太のまっすぐな愛を注がれる志織はとても幸せ者だと羨ましくすら思う。特に、志織が自分らしくいられなくなりそうになった時の誠太の言葉(志織はそのままでいい、代わりに僕が怒るから、といったニュアンスの内容)は、女性側としてはとても救われるなと思った。 -
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不妊治療中の夫婦の物語。
もっとドロドロした感じをイメージしていたけど、とても清々しい読後感。
夫婦はもちろん人との関わり合いには、時に本音でぶつかり合うことが大事だよなと思った。
誠太みたいな人がすごく好きだけど、リアルではなかなか出会わないタイプ。 -
結婚して7年目…子供に恵まれず不妊治療を受けていたがうまくいかず、そんな日々の中突然夫が家を出て行ってしまう…。令和最強の恋愛小説…これにダマされた感じ(汗)。読み終えるまでに時間はかからなかったけれど、個人的には読まなくともよかったかな…そんな風に思っちゃいました。
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妊娠を望む34歳の志織。
夫の誠太にも自分にも不妊の原因となるようなものは見つからないにも関わらず、妊娠しない日々が続いていた。
不妊治療のため仕事を辞め、自宅でフリーランスの翻訳仕事をする志織に、誠太はとても優しい。
不妊治療にも協力的、生理がきておちこむ志織の想いをいつも受け止めてくれ、決して責めたりはしない誠太。
しかし誠太は突然、志織の前から姿を消した…
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物語は三部構成。
志織視点の「現在」から始まり、誠太が失踪したところで今度は誠太視点での過去の話へとうつります。
そこではおなじバイト先で志織と出会った誠太の姿がえがかれるのですが、これがなかなかの惚れっぷりで、あと数歩進んでいたらストーカーのほうに行ってたかもしれない…と心配になるほどでした。
そして最後の第三部では、誠太失踪後の志織の様子がえがかれます。
不妊治療の過程はかなり描写がリアルなので、もしかしたら息苦しさを覚えてしまう人もいるかもしれません。
また、あまりにもモノわかりがよく、志織のことを支えまくる夫・誠太の姿に、「こんな旦那さん、現実にいるんかな…」とさえおもってしまいました。
そして失踪した誠太の本当の理由には、ちょっとズッコケでした。
それはきっと、誠太が志織を好きなことは物語としてかたられているのに、“志織が誠太を”どれだけ好きなのかが書かれていないせいなのかもしれません。
「志織が“いまも”誠太を好き」と感じることができないため、志織が誠太へ愛をぶつける大事なシーンでは、説得力が弱く浅く感じました。
第三部では志織視点でのモノローグしかないのですが、誠太の過去だけでなく、疾走してからの誠太視点の章も第三部のなかで読めたら、2人の考えや想いがよりわかったのではないか…とおもいました。 -
主人公の女性のことがどうしても好きになれず、物語に入り込めませんでした。
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在宅で翻訳の仕事をしている志織とその夫誠太は不妊治療中だった。…前知識もなく、不妊の話だな、と思いながら読んでいた。とても協力的な旦那様なのに、なかなか子供に恵まれないのは辛いだろうと漠然と考えていた。途中で急な展開があり、志織と一緒にびっくりしながら、次の誠太の過去の章に進み、すっかり混乱してしまう。最後まで読んで、今は誠太にごめんなさいという気持ちになってます。私はすっかり勘違いしてました。結果としてはなるほどの恋愛物語。ハッピーエンドで良かった、良かった。
今、新刊本のところをみていて、発見したのだけど、この本は12月24日発売みたいだけど、くるたんさん、...
今、新刊本のところをみていて、発見したのだけど、この本は12月24日発売みたいだけど、くるたんさん、速い!
どういうルートで、読まれたのですか?
私は、恋愛系は苦手なので、読まないとは思うけど(レビューは凄く面白そうだけど)。
謎です?
そうそう、これ、発売前なんですよ。今回、プルーフ本を読める機会があって、せっかくだからとデジタルプルーフなるもの...
そうそう、これ、発売前なんですよ。今回、プルーフ本を読める機会があって、せっかくだからとデジタルプルーフなるものを読ませてもらったんです。
私も恋愛ものはあまり食指が動かなかったけど、なかなか良かったです。
夫婦のお互いの苦しい気持ちが味わえました。
もし機会があったら…ぜひ♡