罠 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.32
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本棚登録 : 148
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109779

作品紹介・あらすじ

「便利屋と呼んでください」その男の特徴はとくには…ない。ロボットのような得体のしれない新キャラクター・便利屋。まるで死神のようであり、悪役なのか助っ人なのか得体が知れない。
議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をする……。一方、捜査一課の刑事の巨漢の男・都築は、街に発生する事件を追ううちに、一人の人間に行きつく――便利屋だ。背徳の街・槻津市では、今日も政治家や葬儀屋、学校、旅行会社と次々と悪事を働いている。暴力で相手を屈服させるのではなく、悪事を捻り出す知力(悪知恵)で騙し合っている。
『極上の罠をあなたに』(単行本)に、書下ろし4編を加えた文庫版新装版では、都築は探偵事務所の所長に。ついに便利屋の正体が明かされる!
本書の発売にあわせて書き下ろされた「インタルード 刑事の恋」では、あの武骨な刑事・都築の恋バナ(!)も。電子書籍特典。紙本を購入の方にもプレゼント予定。

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編ぽかったから気軽に読み始めたが、全くそんなことはない574ページの大長編。序盤こそ便利屋が関わる殺人、という若干軽いノリも見えていたが、どんどん登場人物は増えるわ、人間関係が入り組み始めるわで覚えるのが大変に。警察ハードボイルド色も増していき、大オチも良かった。いろいろ思ったものの、ここまで複雑に組み立てること自体が物凄い。

  • 面白いと思いますね。
    こいつ何者なんだって思って読んでました。

  • そんな気持ちから、個々の話は独立した短篇でありながら、全体としては起承転結を踏まえた長編になっている。それも、たんなる本格の範疇にとどまらずエンターテインメントとしても楽しめる作品を書いてみたい──。新しい試みにチャレンジしたのが、本書の前身である『極上の罠をあなたに』だったことになります。

    騙したつもりが騙される。あなたは何回騙される?どんでん返しミステリー

    「便利屋と呼んでください」その男の特徴はとくには…ない。ロボットのような得体のしれない新キャラクター・便利屋。まるで死神のようであり、悪役なのか助っ人なのか得体が知れない。
    議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をする……。一方、捜査一課の刑事の巨漢の男・都築は、街に発生する事件を追ううちに、一人の人間に行きつく――便利屋だ。背徳の街・槻津市では、今日も政治家や葬儀屋、学校、旅行会社と次々と悪事を働いている。暴力で相手を屈服させるのではなく、悪事を捻り出す知力(悪知恵)で騙し合っている。
    『極上の罠をあなたに』(単行本)に、書下ろし4編を加えた文庫版新装版では、都築は探偵事務所の所長に。ついに便利屋の正体が明かされる!

  • 悪党と悪党の腹の探りあいや騙しあいが面白かった。
    それにしても世の中こんなに様々な悪が蔓延っているんだな~と、フィクションではあるけどリアルに感じた。
    二転三転する事件の他に便利屋の正体が誰なのかという謎も重なって、読んでいて飽きなかった。

  • 全8話の連作物。
    “一気読み必至”とあるものの、1話1話の内容の濃さと頁数により「一気は駄目だぁ~(笑)」となりました(笑)
    次から次への出てくる“罠”に最早驚く隙を与えてはくれない程の“罠”の頻度!!!
    人間のズル賢い部分や醜さがうまーく表現されていて、面白かったです。
    本の中で読み手(少なくとも私←)が何者かの手の平の上でコロコロ転がされている感覚があり、それがまた独特かつクセになりました。
    続編があっても面白そうだなぁ……と思います。

  • 深木章子ならここで終わるはずないと思ったらちゃんと一捻りあった。作者が弁護士だけあって、悪徳〇〇の描写がリアル。
    それにしてもよく人が死ぬ街である。

  • 「極上の罠をあなたに」が文庫化……と思いきや、倍のボリュームの長編になっていてびっくり。とっても豪華な一冊です。
    数々の事件の影で暗躍する「便利屋」と、彼の正体を突き止め利用しようとする人々。どいつもこいつも一癖も二癖もある人物ばかり。まさしく悪の共食い状態で、まったく結末が読めません。うわー、誰も敵に回したくないわー。
    単行本版で読んで、これはまだまだ続きがありそうと思っていましたが。予想以上の壮大な陰謀があったのですね。読むほうも騙されっぱなしです。まさしくどこからどこまで、全部罠という心地。これは引っかからずにはいられません。
    ところで、購入特典として外伝の短編が読めますが。これがいいなあ。本編だと憎まれ役でしかなかった都築に対して、ほんの少し愛着が湧きました。これも紙媒体で収録してくれればよかったのにー。

  • 2021/01/31読了

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著者プロフィール

みき・あきこ1947年東京生まれ。東京大学法学部卒。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に『鬼畜の家』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。『衣更月家の一族』『螺旋の底』が第13回・第14回本格ミステリ大賞にノミネート、『ミネルヴァの報復』が日本推理作家協会賞にノミネートされるなど、注目の作家。他の著書に、『敗者の告白』『殺意の構図』『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』『猫には推理がよく似合う』『消人屋敷の殺人』『ミネルヴァの報復』『消えた断章』『罠』など多数。

「2023年 『欺瞞の殺意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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