仁王の本願

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 45
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041113417

作品紹介・あらすじ

北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられて八十年。誰の支配も受けず、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗し、堕落していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」と呼ばれる本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、玄任は救いなき乱世で戦い続ける――。

感想・レビュー・書評

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  • 驚天動地の戦国時代で、魂を燃やした男たち。「戦国小説5選」 | カドブン
    https://kadobun.jp/feature/readings/entry-43548.html

    「仁王の本願」 赤神 諒[文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322101000283/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      徹底した無私の主人公は、人の弱さ・醜さを映す反射鏡――赤神諒『仁王の本願』レビュー【評者:大矢博子】 | カドブン
      https://kado...
      徹底した無私の主人公は、人の弱さ・醜さを映す反射鏡――赤神諒『仁王の本願』レビュー【評者:大矢博子】 | カドブン
      https://kadobun.jp/reviews/entry-43563.html
      2021/12/28
  • 愚直な武将を描くことが多い印象の作者さんですが、この作品の主人公である本願寺一向一揆の坊官、仁王こと杉浦玄任も、まぁこれ一途なこと一途なこと。私を捨て、愚直に加賀の一向衆徒の民の世を守ろうとするものの、内部からも外部からも敵がわらわら湧いてきて、というわけですが、ただでさえわかりづらい一向一揆の人間関係など、前半ちょっとごちゃつきますが、面子が固定化されてくる後半はキャラ立ちもして、物語の動きも調子に乗ってきます。物語としての仕掛けも面白く、久しぶりの戦国もの、楽しめました。

  • 一向一揆は、どうしても織田信長の小説の挿話としてしか知らなかったので、新鮮で面白かった。宗教といっても、かくも人間くさいものか。

  • 読み応えのある1冊でした。読みながらも、読み終わってからも深く考えてしまいました。
    一向宗の知識が無く、読んでいけるかと不安でしたが、半分くらいから、グイグイひきつけられました。
    民による民の政は、理想的ではありますが、様々な人や色々な思惑の中で成し遂げるのは、全員が玄任になる・・つまり政に私を持ち込まない・・それはそれで理想のような気がします。
    玄任が正しいとも七里が間違いだとも思えない読後でした。

  • 私事を捨てすぎだろ、杉浦玄任。10歳で人質に出したひとり息子に差。近くまできてても会いに行かないなんてダメだよ。すねちゃうよ。なぜ、そこまで私を捨て、民の国を守り続けようと行動できるんだよ。もう。と、読んだ赤神作品の中で三番目に良かった。上位二つ(立花三将伝、戦神)はもう不動な気がする。 他で信長側の小説を読むと、一向宗の門徒ってぶつぶつ唱えながら死を恐れずに向かってくるイメージだから、新鮮だったね。

  • 玄任の言う「民の国」、現在の日本は正にそうだろう。民意によって選ばれた議員たち、それらによって選ばれた総理や党首たち。
    全てが思い通りになるとは思わない。意見を出し合い、折り合いをつけながら、前へ進めていく。民の気持ちを尊重した政治を行っていってほしいものである。

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著者プロフィール

1972年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。私立大学教授、法学博士、弁護士。2017年、「義と愛と」(『大友二階崩れ』に改題)で第9回日経小説大賞を受賞し作家デビュー。同作品は「新人離れしたデビュー作」として大いに話題となった。他の著書に『大友の聖将(ヘラクレス)』『大友落月記』『神遊(しんゆう)の城』『戦神』『妙麟』『計策師 甲駿相三国同盟異聞』『空貝(うつせがい) 村上水軍の神姫』『北前船用心棒 赤穂ノ湊 犬侍見参』『立花三将伝』『太陽の門』などがある。

「2022年 『立花三将伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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