ぬばたまの黒女 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 326
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115176

作品紹介・あらすじ

神出鬼没のホラー作家にして怪異譚蒐集家・那々木悠志郎再び登場!
生まれ故郷の村が近隣の町に吸収合併されると知り、十二年ぶりに道東地方の寒村、皆方村を訪れた井邑陽介。
妊娠中で情緒不安定の妻から逃げるように里帰りした陽介は、かつての同窓生から、村の精神的シンボルだった神社一族が火事で焼失し、憧れだった少女が亡くなっていたことを告げられる。
さらに焼け跡のそばに建立された新たな神社では全身の骨が折られた死体が発見されるという、壮絶な殺人事件が起こっていた――。深夜、陽介と友人たちは、得体のしれない亡霊が村内を徘徊する光景を目撃し、そして事件は起こった――。
果たして村では何が行われているのか。異端のホラー作家那々木が挑む、罪と償いの物語。『ナキメサマ』の著者が送る、ホラーエンタメド直球のどんでん返しホラー第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 2時間ホラーの一冊。

    まさに2時間サスペンスならぬ2時間ホラー。サクッと楽しめた。

    舞台は主人公が12年振りに帰郷した道東地方の寒村。

    村人の神的存在の神社を軸に同級生との懐かしい再会の傍らで起きた骨が砕かれた奇妙な殺人事件。

    何者の仕業か、果たしてこの世の出来事なのか、ただでさえ閉塞感と陰鬱な世界観に幽世のようなまるで白昼夢のような世界が相まって村の謎を盛り上げる。

    懺悔と称するような人の心の暗部、過去を抉り出し向き合わせるのはなかなかの読み応え。

    そして、全てがくるりんと…!あぁ!帰郷の目的がストンと腑に落ちた。

  • 今作も良い。やっぱりスタートダッシュは遅く、準備を整えつつ良い感じに徐々に出現してくる怪異、何か秘められているような違和感、一度始まると止まらない惨劇と最後の一撃。そう書くと前作と似通ってるような気もする。それでも読んでる途中に感じる印象は全く違うし、強化されていく那々木のキャラは面白い。こういう展開好きだし次も読みます。

  • 前作よりも事件も怪異もすっきりした感じの展開でしたね。

    読み終わってほっとするホラーというのは考え物なのかもしれないけれど、私は今回は納得のエンドでした。

  • #読了 #阿泉来堂 #ぬばたまの黒女 #読書好きな人と繋がりたい

  • 前作より「人の悪意」成分がやや弱まった代わりに怪異が派手に大暴れしてる。そこまでやるかーってレベルの血みどろ。
    相変わらず怪異が怪異になるまでの過程がほんと不憫。不憫な真相が明かされてからの大暴れにカタルシスすら感じるレベル。

  •  十数年ぶりに故郷の村へ帰ってきた井邑陽介。 旧友との再会を喜ぶ一方で憧れだった霧絵という少女の死を知る。 そして村を最近賑わす殺人事件、全身の骨が折られたその死体は人間の為せる業だったのか・・・。 幽霊の出現、黒装束の巫女、かつて村にあった神社信仰、この村で何かが起ころうとしている、、、陽介たちの前に突如現れた那々木悠志郎の下す推理は。

     めでたくシリーズ化になりました怪異収集家・那々木悠志郎による第二作。
    焦点は人間の呼び起こした異形は人間で対処できること。 幽霊や怪異が明確に顕現しているこの世界でそれらに帰っていただくには正しい知識で立ち向かう、その為に必要なのが過去に何があったのかという怪異譚なのだと。 本作はあくまでホラーである、少なくともロジックを以て結末を推理するような小説ではない。 しかし伏線によって結ばれるラストの展開にはどんでん返しホラーの受け売りに恥じない満足感を得られるだろう。

  • 映像化したらなかなかのスプラッタ感ホラー。

    妻の妊娠を受け入れられないまま実家の村に帰ってきた陽介。旧友と会う中で知った三門神社の焼失と神社の娘が亡くなったという事実。
    そして全身の骨を砕かれた殺人事件と、黒衣をまとった謎の女性や幽霊。

    最後のどんでん返しは前回ほどではないけど、なるほどーという感じ。那々木さんが前よりかはクセが少ない感じだけど、どんな設定なのか謎は深まったかも。

  • 北海道に忌み地作成すなシリーズそのニです。
    また地元に忌み地つくられてしまった。

    また寒村ならなんでも大好き人にすすめたいですが、今回もホラー感はあまりないです。慄くほど物理特化です。
    どれかっていうとスプラッタみの強めな恋愛小説のように思えました。愛が強ぇなって話です、色々な意味で。

    これはすごく個人的な感覚な上に作者さんに顔を顰められそうですが、仄かなクトゥルフの香りと、異界やら狂乱の三日間やらでどこぞの寒村を思い出し大変にこにこしました。

    前作よりもサイコみは薄めなので登場人物は普通な人がいいな、て人には結構向いてます(諸説あり)。

  • 前作よりも好み。ホラーにありがちな「恐怖はまだ続く」オチではなく、ちゃんと決着がついた。怪異を退治することはできなくても、納得してお帰りいただくことはできる。妙に現実的な那々木さんらしい。見ようによっては詐欺だけど、みんな幸せそうだからいいんじゃないだろうか。知っていても何も言わない優しさは健在。
    今回のでどんでん返しはほっとした。宮本が知ったら発狂しそう。というより、口うるさい妻になったことにがっかりするかな。理想像押し付けるタイプだしな。どいつもこいつも独りよがりでおめでたい。ところで、真相に愛()とやらが絡んでるオチはもう見飽きたので次こそ違う動機がほしい。人間の感情ってもっと色々ある。愛だって恋愛だけじゃない。
    前作の感想に「あっちこっちの怪異に首突っ込んで引っ掻き回す那々木さんが見たい」と書いたので、期待通りの彼が見られてありがたい。最高だ那々木さん。全国各地に現れてくれ。

  • 最後に待たも驚かされた

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著者プロフィール

北海道出身、在住。『ナキメサマ』(受賞時タイトル「くじりなきめ」)で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉を受賞し、デビュー。他の著書に『贋物霊媒師 

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