君の顔では泣けない

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 593
感想 : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117965

作品紹介・あらすじ

高校1年の坂平陸は、プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決めた陸だったが、“坂平陸”としてそつなく生きるまなみとは異なり、うまく“水村まなみ”になりきれず戸惑ううちに時が流れていく。もう元には戻れないのだろうか。男として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきか――。迷いを抱えながら、陸は高校卒業と上京、結婚、出産と、水村まなみとして人生の転機を経験していくことになる。

感想・レビュー・書評

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  • プールに一緒に落ちたことがきっかけで体が入れ替わってしまった高校生の坂平陸と水村まなみ。
    二人だけの秘密にして生きていくことを決めたが、そつなく生き抜いていくまなみに対し、今の体と人生をいつかは綺麗な形でまなみに返すことに苦しみもがいている陸の葛藤が読んでいて心に刺さります。
    まなみの体の陸は上京し、就職、結婚、出産を経験。毎年7月に会っていた二人が30歳になった今、元に戻ることを選ぶのか。読み手側にも様々なことを考えさせてくれる作品。特に27歳の章に心をわしづかみにされました。
    個人的に今年イチです!

  • 読み終わり興奮冷めず感動しました。男女入れ替わりの奇想天外のお話こんなにも思い悩むものかと心が痛んでしまいました。
    今までにあった男女入れ替わりではない驚愕のお話だと思います。
    もし入れ替わりが戻らなければ夫婦になってしまえばいいのにと思ってしまいましたが、はたしてどうなることやら、一気読み間違いなし、あなたも興奮し下さい。悩んで下さい。

  • よくある入れ替わりの物語とは全然違う。今までにない感じ。

    入れ替わってから15年。元に戻った時に困らないよう日記をつけ、お互いの人生を生きていく。
    友達や家族との関係、その時その時の描写が胸にぐさぐさささってきました。

  • 古今東西、身体入れ替わり物語は数々あれど、当事者のネガティブな感情、混乱葛藤苦しみをきちんと描いたものはなかったのでは?
    どうしても男女の身体入れ替わりにはそこから生まれるトラブルをそこはかとないおかしみに焦点を当てて描きがちな気がする。読者も異性の身体を持ってしまうことから生まれる騒動を楽しみながら読でしまう。

    でもよく考えたらそれはすぐに元に戻る、という大前提あってのこと。

    もしも、入れ替わったまま15年もの月日が流れたとしたら…

    高校生だった二人は、大人になっていく。恋もするだろうし結婚出産という、人生の中での大きな経験もするだろう。また、本当のことを言えないまま家族との永遠の別れもあるだろう。
    そんなあったかもしれない当たり前の人生を、他人の身体のまま生きていくとしたら…

    投げ出したくても投げ出せない人生。自分の人生なのに自分だけのものじゃないという足かせ。
    いつ終わるとも知れない薄闇の中で折り合いをつけて歩いていく不安。
    それでも繰り返し訪れる明日という時間を照らしてくれるのは、約束という光。
    もし目の前に二人がいたら、思いっきり抱きしめてあげたい。抱きしめてよく頑張ったと頭をわしゃわしゃ撫ぜてあげたい。
    今日と明日の間にいる二人と笑顔でハイタッチしたい。

  • 自分でもなく、相手でもないこの人生。
    坂平くんも水村ももう違う人生を歩んでいる。
    理由もなく入れ替わり、戻れるのかどうかさえもわからない。
    いくら互いに記憶を分け合っても、その記憶は人のもので連続性があるわけではない。
    そんな過去とつながっていない自分は、
    やっぱり入れ替わった相手というわけでもない。
    誰かのために恥じない生き方をするというのは、
    すごく辛くたいへんなことだけど
    運命共同体とは違う意味で他人の人生を尊重して生きている。
    辻村深月の選考の言葉もよかった。

  • 長きに渡る、入れ替わり。
    フィクションの世界では定番の男女の入れ替わりだけど、二人の関係性が終始一貫して友情でもなく恋愛でもなく、戦友のような、もはや自身の半身のような、絆と呼ぶには歪かもしれない心の繋がりを確かに感じた。
    心と身体の不一致や自身と家族との葛藤が、そこにはあった。
    入れ替わりが主軸だけど、相手はもちろん自分との向き合い方に前を向けるストーリーだったように思う。

  • よくある入れ替わりものではなく、入れ替わった後のそれぞれの過ごし方、生き方の話。

    体の変化や性的な見え方、感じ方、なってみて分かること。入れ替わったことでの相手への責任とか重圧とかその視点があったかと思う話の展開。

    タイトルになる前の応募の際のタイトルよりこちらのタイトルの方がインパクトがあるので編集とか書評とかの力って凄いなと別のところでも感心してしまった。

  • 所謂TSモノの作品。

    高校一年生(15歳)の時に同級生に入れ替わって、その後の15年を描く。

    自分の本当の親に会いたいという感情や、セクハラ教師やレイプ未遂など。

    元男は母になり、子供を育てている。
    妊娠出産への恐怖とかも描かれており、臨場感があった。

  • ごめんなさい。少しエロ目的で読みましたが、いい意味で裏切られました!話が深くて面白かったです!

  • めっちゃ良かったです。
    淡々と進んでいく物語や主人公の感情の変化、惹き込まれました。
    帯の説明とか読まずに、読んでもらいたいなと思ったのは初めてです。
    著者の今後の本をもっと読んでみたいです。

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著者プロフィール

1989年生まれ。東京都出身。「水平線は回転する」で2021年、第12回小説野性時代新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー。

「2021年 『君の顔では泣けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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