さよならに反する現象

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 915
感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120743

作品紹介・あらすじ

心霊写真の合成が趣味の僕が撮影をしていると、一人の女性がカメラに映りこんできた。しかし撮影されたデータには無人の交差点が映っているだけだった。映りたがりの幽霊、悠川さんがこの世に残した未練とは……?(『悠川さんは写りたい』より)
ほか、乙一贈る恐ろしくて切ない出会と別れの短編集。

感想・レビュー・書評

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  • この乙一さんも良かったです。
    でも、あっという間に読み終わってしまった。
    もっと読みたかったです、なので★★★。

    「そしてクマになる」
    リストラされたことを言えない父親の、家族に秘密のアルバイト⸺それはクマさん。

    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」
    イヤミ邸で庭師をしていたカラ松の遺体が発見される。犯人はやはりこの家の人間か⸺。

    「家政婦」
    私が家政婦を務めるのは、その地域の死者の通り道となっているお屋敷だった。執着されないように見てみぬふりをするが⸺。

    「フイルム」
    星野源の楽曲“フィルム”にインスパイアされて生まれたショートショート。

    「悠川さんは写りたい」
    心霊写真を制作するのが趣味の青年が出会ったのは、心霊写真に写りたい幽霊だった。

    とくに好きだったのは、「なごみ探偵」かな。
    斬新で面白い、そして和む、本当に和むわ〜
    衝撃のラストは、まさに斬新でした。
    「家政婦」もとても好きでした。主人公の家政婦のキャラクターが良い!! 適応能力の高さに惹かれました。ラストはホラーでした。
    「悠川さんは写りたい」物語終盤、僕の頭に手を置いていく、慈しみが感じられる手…
    その手がだれのものなのかが僕にはわかる。
    乙一さんの、こういう優しさが好きです。
    やっぱり★★★★です、変更します。

    乙一バトンから手を離せない自分がいます。
    私も、乙一さんのあとがき読みたいです。
    本書にはありませんでした。

    • あゆみりんさん
      あとがきは文庫本なんですね、それは買わないと読めないですね。
      ブックオフの乙一さん、何故かダメージがある物が多い気がするんですよね。
      でもパ...
      あとがきは文庫本なんですね、それは買わないと読めないですね。
      ブックオフの乙一さん、何故かダメージがある物が多い気がするんですよね。
      でもパトロールしながらチェックしますっ||กー̀ωー́ )ジーッ
      2023/04/08
    • 土瓶さん
      あゆみりんさん、いいなぁ。この本、いつになったら図書館の順番が来るのやら。
      ところで、やっぱり「あとがき」読みたいですよね。
      以前とある...
      あゆみりんさん、いいなぁ。この本、いつになったら図書館の順番が来るのやら。
      ところで、やっぱり「あとがき」読みたいですよね。
      以前とある作家さんの「あとがき集」なる本を発見したんですが、ぜひ乙一さんのものも作って欲しい。そこに中田永一さんのや山白朝子さんのも当然混ぜて欲しい。と思うこの頃です。
      2023/04/08
    • あゆみりんさん
      土瓶さん、こんばんは。
      乙一さんを紹介してくれた土瓶さんに、結局もう感謝しかないと思っていた今日この頃です。
      「あとがき」読みたいんですよ、...
      土瓶さん、こんばんは。
      乙一さんを紹介してくれた土瓶さんに、結局もう感謝しかないと思っていた今日この頃です。
      「あとがき」読みたいんですよ、乙一さん達の「連名あとがき本」いいですね〜
      とりあえず、文庫もおさえないとと思っています。
      あとがきも「ウソカノ」も読めてないし( -᷄ ω -᷅ )
      2023/04/08
  • 微妙な怖さが、じわじわと伝わってくる。
    何か気になってしまう…という読後感。


    リストラされたことを妻に言えない夫が、アルバイトで着ぐるみのクマになる「そしてクマになる」は、伝えられないもどかしさがクマで表現されていることに切なさとかやりきれなさを感じた。

    通り道になっている家の「家政婦」がちょっとミステリっぽくて、自分は絶対見たくないし、知らんぷりもできないなって思いながらも気になって仕方なかった。

  • 作家生活25周年を迎えた乙一が贈るさよならの代わりの五つの物語。

    ということで期待して読んだんですが、今回はわたし的には残念賞かな。

    少々薄味な印象でした。

    「そしてクマになる」
    リストラ男の着ぐるみアルバイト。

    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」
    おそ松さんの世界で起こる殺人事件。

    「家政婦」
    その町の死者の魂が通過する家で家政婦を。

    「フイルム」
    星野源さんの「フイルム」インスパイア。

    「悠川さんは写りたい」
    幽霊の悠川さんは心霊写真に写りたくて。

    最後の「悠川さんは写りたい」が乙一さんらしいお話しでした。

    • ゆーき本さん
      星野源さんの気になります
      星野源さんの気になります
      2023/05/17
    • おびのりさん
      おはようございます。
      土瓶さん読んでる栗本さんのサーガで、東京サーガは、読みましたか?
      無料を少し読んでお勧めするほどでもないけど、かなり長...
      おはようございます。
      土瓶さん読んでる栗本さんのサーガで、東京サーガは、読みましたか?
      無料を少し読んでお勧めするほどでもないけど、かなり長編のBL。読み始めにいかがでしょう。
      2023/05/19
    • 土瓶さん
      読んでません。というか、そっち方面は避けていますので(笑)
      でも栗本薫さんはBLなんて言葉が出る前からそっちの話はお好きだったようで、例え...
      読んでません。というか、そっち方面は避けていますので(笑)
      でも栗本薫さんはBLなんて言葉が出る前からそっちの話はお好きだったようで、例えば正統派ファンタジーの「グインサーガ」にも同様の話はよく出てきました。
      たとえばメインキャラの「イシュトバーン」なんて元男娼だし、長じてからも抵抗なくやってたようだし。男娼が普通にいるような世界だし。
      たしか「魔界水滸伝」にもそんな話が。
      BLまっしぐらのジャズかなんかのお話しもあったかと思うけどそれが「東京サーガ」なのかもです。

      え? せっかくですがもちろん読みませんよ(笑)
      2023/05/19
  • 乙一さんの作家生活25周年記念短編集

    シェー!

    25年間面白い作品を書き続けている乙一さん凄いでザンス

    そして、本作のジャケットがカッコイイでザンス
    黒字に金文字!
    手触りも少しザラッとした感じ
    素敵だこのやろーてやんでーばーろーちきしょー!

    内容は5つの物語が収録
    気に入ったの『家政婦』 

    えっ…!?

    ここまで「シェー!」「ザンス」「ばーろーちきしょー!」って書いてて『なごみ探偵おそ松さん・リターンズ』でないのかって…?

    はい!

    『家政婦』が気に入りましたw

    わたしのお気に入りはさておき、乙一さんにはこれから先も10年、20年とミーたちを楽しませてくれる作品を書き続けてもらいたいですね^_^

    • 1Q84O1さん
      あゆみりんさん、確かに乙一さんの短編はピカイチザンス!
      そして、おそ松さんではわたしは十四松が好きザンスw
      次に乙一作品を読むときはおでんを...
      あゆみりんさん、確かに乙一さんの短編はピカイチザンス!
      そして、おそ松さんではわたしは十四松が好きザンスw
      次に乙一作品を読むときはおでんを片手に読もうかなw
      ばーろーちきしょー!そんなことすると本が汚れて起らるザンス!
      シェー!!!
      2023/05/30
    • 1Q84O1さん
      間違った…(^_^;)
      起らる→怒られる
      間違った…(^_^;)
      起らる→怒られる
      2023/05/30
    • あゆみりんさん
      私はトド松が好きザンス、そしてトト子のようにボディブロウを極めたいザンス。
      おでん片手に読書はむずいザンス、特にたまごっ。
      私はトド松が好きザンス、そしてトト子のようにボディブロウを極めたいザンス。
      おでん片手に読書はむずいザンス、特にたまごっ。
      2023/05/30
  • 図書館にきていたので思わず手に取って全部読んでしまいました。そのぐらいライトに軽く読めて物語はそれぞれ引き込まれます。

  • 久しぶりに読んだ、乙一さん作品。
    切ないホラー。
    ホラーだけど、怖くて眠れなく怖さではなく、
    安心して眠れる怖さ。

    欲を言えばもうちょっとドキドキする怖さも欲しかった(笑)

    「家政婦」と「悠川さんは写りたい」が好きでした。

  • 乙一作家生活25周年記念短編集。

    一番よかったのは「悠川さんは写りたい」。
    コミカルなやりとりが楽しく、最後はじーんときた。

    「家政婦」は、神宮寺親子のスルー力がたくましい。
    それでいてフォローは欠かさない人情味も、よかった。

    どちらも幽霊が登場するけれど、ホラーの怖さはなかった。

    リストラされたことを妻に言い出せない「そしてクマになる」。
    壊れそうな危うさが見えつつも、あたたかみのある話。

    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」は、ギャグ寄りな作品で、意外。
    「おそ松さん」を見てないのであまり入り込めなかった。

  • 作家生活25周年を迎えた乙一さんが贈る、さよならの代わりの5つの物語。

    「おそ松くん」を元に描かれた作品や、星野源さんの「フィルム」にインスパイアされて生まれた作品があったり、今までになかった乙一さんが味わえる

    ホラー要素はあるけど、全体的に優しい感じで怖さはほとんどなかった。
    「家政婦」と「悠川さんは写りたい」が好きだった。
    個人的には、どの話も好きなんだけど、でもどこかインパクトにかけるというか、あっさりした感じだったな〜

    乙一さんでは、山白朝子名義の作品がやっぱり好きなので、新しい1人アンソロジーの作品「沈みかけの船より、愛をこめて」が楽しみ〜!

  • 【収録作品】 そしてクマになる/なごみ探偵おそ松さん・リターンズ/家政婦/フィルム/悠川さんは写りたい
    切ないホラー・ファンタジー。
    「そしてクマになる」は、リストラされたことを家族に言えないまま、着ぐるみに入るアルバイトをしている男性が主人公。中年男性の切なさがあふれている。
    「なごみ探偵…」は、「おそ松さん」を知らないこともあって、よくわからない。ミステリ風味のパロディなのかな。
    「家政婦」は、ヒロインのとぼけたキャラがサスペンスを盛り上げない感じがいい。
    「フィルム」は、星野源さんの歌詞が冒頭に掲げられている。ちょっとだけ生きてみてもいいかもと思わせる仕掛けがうまい。
    「悠川さんは…」は、心霊写真を作ることに没頭している青年・烏丸が、出会った幽霊の話。あとからわかる烏丸の事情も切ない。
    著者は容赦ない作風のものもあるのだが、これはちょっと明るめの温かい作品が集められているようだ。それにしても切ない。

  • 「そしてクマになる」
    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」
    「家政婦」
    「フィルム」
    「悠川さんは写りたい」
    という5つの短編小説。ダークだったりホラーだったりしながらも、どこかコミカルな文体でさらっと読める。
    乙一さんの小説は昔も今もずっと大好きだけど、欲を言えばまた初期の頃のような唯一無二の異彩を放つ話が恋しい。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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