ひどい民話を語る会

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041123270

作品紹介・あらすじ

「囲炉裏端にはコンプライアンスもポリティカル・コレクトネスもないんです。そして――。ひどい民話が誕生するんです」京極夏彦(「はじめに」より)

「桃太郎」の冒頭でお爺さんは柴刈りに、お婆さんは洗濯に行く。その理由とは……?
メジャーな昔話の陰には数々の「ひどい民話」が埋もれている。
妖怪を愛好する面々が縦横無尽に語る、知られざる民話の世界。
全国各地から選りすぐりの民話を紹介する、伝説的トークイベント「ひどい民話を語る会」が、満を持して書籍化!
学問としても芸術としても敬遠され、表舞台からパージされてきた荒唐無稽な口承文芸「ひどい民話」は、語りのエンターテインメントだ。

※下品な話が苦手な方はご遠慮ください。

感想・レビュー・書評

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  • 日本各地に残る、あまり知られていない民話を京極夏彦さんはじめとする作家の面々が披露する、対談形式のもの。
    あまり知られていないとはいっても、いろんな昔話の前身になっているものだったり、どこかで聞いたことあるような…というものがほとんど。
    そして、シモの話がとても多い。民話はだいたいそういうものが多いとはいえ、読んでいて少々気持ち悪かったり…そこが「ひどい民話」たる所以かもしれないが。
    やはり広く知られているもののほうが、きちんとまとまっていていいなと再認識した。

  • 座談会形式の本
    ウンコの話が凄く多い点は今ひとつ、なるほどと思うが民話を読もうとは思わなかった!
    すいません。

  • 民話マニアが珠玉(?)の面白ひどい話を持ち寄って語る本。とんでもない屁や糞が飛び交いふざけた省略や付け足しは勿論、教訓もへったくれも無いという凄まじさ。なのに抜群に面白い。珍奇な話、変な話、謎の話が好きな人はぜひ読んで欲しい本です。日本の民話すごい。

  • タイトルからして面白いだろう、と思っていたらやはり面白かった。
    下ネタなどくだらない話のオンパレードなんだけど、そこに3人(4人)の考察が入るので読み物として成り立っているというか。

    全然別件だが以前読んだ中国の怪奇小説集なんかも、勧善懲悪じゃないというか、それでいいの?みたいなオチがあったりしたけど、それでいいんだな。

    民話の方は更にそれよりも辻褄が合わなかったりするけれど、本の最後の方で『「話として面白けりゃそれでいいか」というあたりが素敵なところ』というくだりがいいな、と思った。
    結局、どんな話であろうと、上手かろうと下手だろうと、おじいちゃんおばあちゃんが小さい孫たちを喜ばせようと語るのってもう最高の愛の塊じゃないか。

  • 幼少期、母に寝物語をねだると段々と眠気でむちゃくちゃな話になっていった。それが面白くて私は余計にお話をせがむ。民話もそうやって紡がれてきたんだろうなぁ。
    綺麗に整頓された物語は、そりゃあ完成されているけれどそこにはない刺激が民話にはある。
    なんて真面目に感想を述べてみたけれど、そんなことよりも語り口が面白すぎてゲラゲラと笑いながら読んでしまった。民話にガチレスしないで欲しい、笑ってしまうから。

  • 京極夏彦をはじめとする妖怪譚とか民話を収集している4人が集まってひどい民話を語る本。
    ひどいってどういうひどいだろうと思ってたけど、思った以上にひどい。とにかくウ⚪︎コとオナラの話がほとんど。昔からそういう下ネタで人々が笑ってきたんだなあと思うと感慨深いけど、それでもひどい。
    桃太郎のおばあさんが川に洗濯に行くのは便所の屋根を修理してて便所に落ちたおじいさんの服を洗うためで、おじいさんが芝刈りに行くのは屋根の修理の材料を取るためっていうのがとても面白かった。
    しかし民話って、オモコロでやってる「伝言盛り盛りゲーム」とほぼ同じだな。

    追記
    児童文学作家の松谷みよ子さんって誰だろうとググったら、「いいおかお」の作者さんだった!「いいおかお」もすごいシュールなので色々繋がった。

  • かる〜く読めます(笑)
    かなりビロウな話だらけなのでお気をつけください(食事中 厳禁!)
    やっちゃってる爺婆が大活躍。
    京極夏彦氏がちょいちょい挟む小ネタに大爆笑でした。(必殺シリーズファンファーレ、ビオランテの沢口靖子)
    嫌いじゃないです。と言うか好き。

  • 読書はね、エンターテイメントなんですよ。例えそれが世間一般的に下品だったり野暮だったり時代にそぐわなくても、今読んでいる私達が面白ければ間違いなく成立していて、それを横からどうこういうのは私は嫌いですよ。
    そういう意味でこの本は間違いなくひとつのエンターテイメントで、尚且つ、いい大人が心底楽しそうに語っているから個人的に大好きなんですよ。
    誰も傷つかない上に、その「ひどい民話」も、なんだか子供にせがまれてついつい調子に乗っちゃった大人がオーバーに昔話を脚色していく様子が目に浮かぶようで、絶対この後盛り上がりすぎて子供寝てくれなかったろうな……とか、ひどい方向に昔話を盛った体験がオーバーラップして妙な懐かしさを覚えました。
    ダメかな?どうしようもなくくだらない話をしたい時とか、どうしようもなくしょうもない話を聞きたい時ありませんか?そういうときにオススメですよ、この本。

  • 第1部 京極夏彦・多田克己・村上健司
    第2部 京極夏彦・多田克己・村上健司・黒史郎
    第3部 京極夏彦・黒史郎

  • タイトル通り、本当にひっどい話のオンパレード(褒めてます)。
    ひっでぇなあ!とゲラゲラ笑いながら読了。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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