黒死館殺人事件・完全犯罪 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 302
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041132241

作品紹介・あらすじ

黒死館と呼ばれる降矢木家の城館は、過去に変死事件が続いた不吉な館として知られていた。数か月前、当主の算哲までもが不可解な自殺を遂げ、その後も屋敷の住人が次々と襲われてゆく。博覧強記の探偵、法水麟太郎は、神学、呪術、占星術、数学、化学、文学などあらゆる知識を縦横に駆使して事件を解決に導いてゆく――(「黒死館殺人事件」)。日本三大奇書の一つと言われる本作のほか、小栗虫太郎名義でのデビュー作「完全犯罪」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 【黒死館殺人事件】好きなんです‎߹ㅁ‎߹)♡

    角川文庫から文ストコラボカバーで発売されたので、早速コレクションの為購入.☆.。.:*・°

    こちら、探偵小説デビュー作の【完全犯罪】も収録されていました。
    (漫画『文豪ストレイドッグス』では小栗虫太郎の異能力が「完全犯罪」らしい…。)

    【黒死館殺人事件】を読んだのは結構前なので、読み辛さをうっすら忘れていましたが【完全犯罪】で蘇る蘇る…(^▽^;)
    読む速度が、現代小説の倍かかりました笑(短編なのに…)

    しかもこの【完全犯罪】舞台が南支那(現代の中国本土)であり、中国語の名前…またもや多国籍入り交じり系ですね(-∀-`; )

    193X年5月11日 南支那
    八仙寨はっせんさいの神秘と云われる異人館に起こった世にも不思議な殺人事件。

    いわゆる館モノであり、探偵役はソ連の軍人。

    苗族共産軍、中華ソヴェート共和国西域正規軍 赤軍組織の若い指揮官、ワシリー・ザロフ。

    仲間と共にエリザベス・ローレル夫人の館を訪れた軍人達。軍人達の休息にと娼婦達を呼び寄せる。

    そこで、殺人事件が起こる。
    死体のある部屋へ行くには、事件が起こった時刻、どうしても軍人達の前を通らなければならなかった…。
    いわゆる密室状態。

    さて、感想の結論を言うと…
    クセが強い(*´艸`)笑

    ザロフが色々な推理を披露していくのだが「そんなバカな」と思わず言ってしまう。
    科学的、心理学的な推論なので、実際そうなんだろうなぁと思うのだが…実際どうなんでしょ。

    面白かったのは確かです(๑¯∇¯๑)

    真相に至っては、わかるかーーい!とつっこんでみました笑笑
    まさに完全犯罪でしたよ。

    なんせ動機が素晴らしい!!
    それだけで評価が爆上がりです♡

    短編なのですが、あれやこれやで多方面に話が展開し、お腹いっぱいになる作品でした(〃´-`〃)

    【黒死館殺人事件】に挑む前に、軽く小栗節に触れておくのにも最適なお話かなと思いました^_^

    私は好きです。
    面白かったです!


    ーーーーー

    【黒死館殺人事件】再読

    角川文庫でパラパラと再読しました。

    図面が読みやすい字に綺麗に整えられている♡

    じっくり読んでも奇書は奇書。
    理解なんて到底不可能なので、ここはサラッと行かせていただいた笑

    以前、無人島に1冊本を持ち込めるなら何にする?とフォロワーさんと話しました。
    私もフォロワーさんも、偶然同じ本。
    断然【黒死館殺人事件】です。

    なぜなら、飽きなそうだから笑笑

    ひとつの話を通して読んでると思えないんです笑(私だけかもしれない笑)

    主人公法水が降矢木の館、通称『黒死館』と呼ばれる洋館を訪れるのですが、そこで殺人事件が起こります。

    『黒死館』には家族の他に『弦楽四重奏団』なる異国人が住んでいる。

    気になるのはテレーズ夫人に似せて作らせたという巨人のような体躯の自動人形の存在(ღ*ˇ ˇ*)
    人形が事件に関係しているのか?

    それだけでもワクワクするのに、謎の暗号や印。
    密室での殺人事件。
    宇宙理論や星座。詩を用いた心理戦などなど。
    あらゆる分野のあらゆる知識を用いて連続殺人事件を解いてゆく。

    法水は詩を引用して、とにかく訳のわからん表現で、容疑者達を誘導し口を割らせようとする。

    それで探偵特有の、何が分かったか教えてくれないやつ笑笑

    物語の一部だけを取ってみても何度も読みたい。飽きさせない。

    無人島に持っていくには最適の小説です( *¯ ꒳¯*)
    (あと『ドグラ・マグラ』ね笑)

    ラストも好きです。‎߹ㅁ‎߹)♡♡

  • 日本三大奇書のラスボス的存在。
    とにかく最初から最後までペダンティックを突き詰めたような作品。
    大量のガジェット、推理そっちのけで行われる蘊蓄の大洪水!
    正直読んでて話の1割理解出来てるかどうか怪しいレベルだけど、なんというかはっちゃけ過ぎてどうでも良くなったというか...w
    またいつか再チャレンジしたい作品

    ちなみに本書には作者のデビュー作である「完全犯罪」も収録されていますが、こちらは短いうえに黒死館よりもペダントリーが少なく比較的読みやすかったので普通に話が理解出来た、ただこっちはこっちで「ようそんなん思いつくな...」と言いたくなるほど、超トンデモトリック。いやぁ凄い...

  • いつ買ったっけ?ってくらい本棚に保管してた一冊。
    それを1週間くらい?かけてやっと読み終わった、、、
    もともと早く読めない+昔の偉人の本は漢字が読めないから読み終わるといつも達成感+疲労感d( ̄  ̄)

    犯罪の話でミステリーだから少し読みやすいかな?
    でも個人的には江戸川乱歩の方が読みやすかった(*´ー`*)

    はっきり言うと話わかったかって聞かれたら正直説明できない(つД`)ノ
    ただちゃんと犯人はわかったよ!
    その犯行はうまく説明できん、、、

  • 想像の遥か斜め上をいく法水さんの言動に
    今何を読んでいるんだっけ?と迷子になり
    魔術的な衒学に埋もれかけ
    黒死館の迷宮をさまよう事が段々と楽しくなり
    法水麟太郎短編集を購入した私は
    十分毒されてしまったのかもしれない

  • 文ストの小栗虫太郎のキャラが好きだった為に購入。解説がある方が買える財力の無い、本好きには良い買い物だったのではと言える。言い回しが知的でかっこいい法水探偵の無茶苦茶な推理(蘊蓄)を聞いて熊城と検事がツッコムという形で会話が進んでいく。ある程度の蘊蓄や造語はネットで調べればある程度の解説がある為ゆっくり読んで分からなかったら調べてを繰り返して1ヶ月程で読み終えた。また蘊蓄も小栗氏の作り話だったりするのである程度見て嘘臭かったら放置という方法が1番良いのではと思う。昔のミステリーなのでメタ的に言えばあるある展開もある。あと一日がめっちゃ長い……半分以上一日の出来事であり描写の上で仕方ないのかもしれないがもっと省いても宜しいのでは?と感じた。でも小栗氏の難儀な性格も分かり、知的な会話も面白いとは個人的に思った。(現代ではあまり感じられない空気感がある)また、個人的なことを言えば算哲の心臓を海王星に例える台詞があり知的で良きな会話なのでは?と思った。難儀な性格の人間にしか書けない本があると感じた本だったしこの本が読めたらどんな本でも読める気がするそんな本だった。

  • 戦前の兵士が戦場に持っていくならこの一冊に選ばれたとかいう逸話のある本。
    『完全犯罪』の方は凝ったトリックで面白かったが『黒死館殺人事件』はあまりに難解で一読しても正直分からなかった。内容が多方面にわたっていて超絶探偵法水倫太郎の凄さしか伝わらない。
    ただ竜舌蘭なる怪しげな植物が出てくるところを見ると『魁‼︎男塾』に出てくる民明書房に近しい胡散臭さを感じてしまう。それでも圧倒的な情報で迫ってくる本書は改めて再読したくなる。

  • 死にそうになった。著者が昭和初期の人だからか、一文が長く読みづらかった。
    「完全犯罪」は比較的読みやすかったが、
    「黒死館殺人事件」に入ると一気にページが進まなかった。(結局3週間かかって読了した)
    ただ、占星術と五芒星呪文の精霊たちを絡める小栗虫太郎の着眼点は面白いと思った。
    昔の長い文章が苦なく読破できる人におすすめ。

  • 正直にいいます
    挫折しました

    自分にはまだ早かったので数年後に覚悟ができたらまたチャレンジしたいです。

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著者プロフィール

小説家。1901年東京生まれ。本名、小栗栄次郎。1927 年、「或る検事の遺書」を、「探偵趣味」10月号に発表(織田清七名義)。1933年、「完全犯罪」を「新青年」7月号に発表。「新青年」10月号に掲載された「後光殺人事件」に法水麟太郎が初めて登場する。1934年、『黒死館殺人事件』を「新青年」4~12月号に連載。他の著書に、『オフェリヤ殺し』、『白蟻』、『二十世紀鉄仮面』、『地中海』、『爆撃鑑査写真七号』、『紅殻駱駝の秘密』、『有尾人』、『成層圏の遺書』、『女人果』、『海螺斎沿海州先占記』などがある。1946年没。

「2017年 『【「新青年」版】黒死館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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