こちら空港警察

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041133071

作品紹介・あらすじ

成田空港でGS(グランドスタッフ=空港業務スタッフ)として働く咲良は人気の芸人の帰国を知り、芸能人を間近で見れることにワクワクする。しかし、ゲートに現れた人気芸人・瀬戸は空港警察に先月から着任したばかりの仁志村賢作に身柄を確保されてしまう。普段から、「役立たず」と陰で言われている空港警察の行動に驚く咲良。何と瀬戸には麻薬密輸の容疑が掛かっているらしい。しかし、瀬戸の身体には麻薬犬もTDS(検査機器)もX線も金属探知機も反応を示さなかった。とんでもない濡れ衣だと瀬戸は激昂するが、仁志村は意外なモノに着目し、瀬戸を追い詰め始める。

感想・レビュー・書評

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  • 犯人を逮捕するためなら手段を選ばない仁志村が成田国際空港警察署長として赴任してきた。
    この署長が事件を解決するのだがその手際が鮮やか。スッとするし面白い。

    5篇の短編だけど、最後の2篇は連続物。小さな事件を解決していく感じかと思ったら、どんどん大きな事件になっていく。

    最後、あんなに派手な事件になってしまったけど、続きを読みたい。シリーズになるんだろうか?

  • 成田国際空港警察署に、署長として赴任した、仁志村賢作。

    赴任直後から、フットワーク軽く、空港内をパトロールして、皆んなを驚かしている。

    彼の評価は、
    人嫌いで、酷薄で、唯我独尊。
    不遜且つ強権的。
    腰は低いが、いざ事件に対処する際の態度は、まるで別人。有無を言わせぬ押しの強さと、反論を許さぬ威圧感の持ち主。
    毀誉褒貶の激しい人。
    同情も憐憫もなく、他人を、自分がのしあがるための踏み台にする、出世欲の権化。
    犯人にどれだけ酌量すべき事情があろうと、眉一つうごかさない、冷血漢。

    またまた、面白いヒーローが現れた。
    当然、続編は有りだろう。
    期待が膨らむ。

  • 成田国際空港警察署(空港警察)に新たに着任した仁志村所長は、一見したところ腰が低く「とても社交的で温厚そうで協調性に溢れた」人物。ところがその本性は「人嫌いで酷薄で唯我独尊」、犯罪者に容赦しない冷血漢、「不遜且つ強権的」、そして卓越した捜査能力の持ち主。なんたって、あの千葉県警のアマゾネスが若かりし頃指導を受けて散々泣かされたという。

    仁志村署長率いる空港警察が、空港で起こる様々な犯罪事件(麻薬密輸、爆弾騒ぎ、不法移民、ハイジャック)を見事解決していく空港ミステリー。

    空港独特の犯罪事件を扱っているので新鮮味がある。仁志村署長のキャラもいい。ニューシリーズ誕生?

  • あてにならないと不評だった、成田国際空港警察署にやってきた、新署長の仁志村。
    最初は温厚そうに見えていたが、ひとたび事件が発生すると違った顔を見せ……。

    犯罪ではなく犯罪者を憎み、容赦なく追い詰めていく。
    仁志村のやり口は、普通はできないことで、痛快。

    グランドスタッフの咲良が中心の最初の2話は、空港(の地上勤務)が軸。
    後半になるにつれ、テロやハイジャックなど〈警察〉であることが軸に変わっていく。

    県警本部時代に仁志村には泣かされたという、高頭冴子が登場したり。
    犬養の話題が出たり。
    内輪ネタもしっかり。

  • 空港警察が主役というのは比較的新しい気がした。ネタ的には空港が舞台の犯罪ということで限られてはくるが、主役の仁志村のキャラは好き。ちょっと「翔んでる警視」の岩崎白昼夢さんを思い出させる感じがした。
    シリーズになりそう。その際には、もう少しGSスタッフの活躍もみたい。

  • 管制室やチェックインカウンター、出入国在留管理局など、空港の様々な場所で事件が起き、空港警察の新任署長、仁志村が解決に動く。

    密輸や殺人事件、ハイジャックまで起こり、どれだけ事件起こるのー!と思ったけど、
    ストーリーはすっごく面白くて、
    この先どうなるのかとドキドキしながら
    あっという間に読んでしまった。

    最初はGSの咲良さんとコンビで事件解決していく話なのかな?と思ったけど、
    後半になるにつれ、仁志村署長の活躍でしたね!

    仁志村署長の冷静沈着で、頭脳明晰、
    事件解決なら手段を選ばないし、犯罪者には容赦ないキャラ、すごく魅力的で良かった!

    空港ってパイロットやCAが注目されがちだけど、
    毎日無事に飛行機を離着陸できているのは
    あらゆる空港職員さんたちの力が合わさっているからで…
    みんな人の命を預かるプロフェッショナルの集団だなと読んでいて感じた。

    成田空港建設までに、
    いろんな闘争があり、訳あり空港だったというのは初めて知ることができた。

    空港警察シリーズとして続いてほしいなぁ。。

  • あまり聞きなれない空港警察が舞台の小説。そこの署長が難事件を次々に解決してゆくのだけれど、こういう毒を持って毒を制す的な解決方法中山先生らしくて好き。他のシリーズの面々もでてきてそこも楽しめた。

  • 成田空港では普段から「役立たず」と言われていた空港警察に仁志村賢作という切れ者が署長として赴任してくる。次々と乗客の嘘を見破り検挙していく…

    とんでもない事件をとんでもない方法で解決していくのにびっくり。肝が座っている。

  • 成田国際空港の警察署署長として仁志村が赴任したところから空港の管理が変わっていくお話。ちなみに署長の仁志村は高頭冴子の県警本部時代のパートナー。
    一つ目は麻薬の密輸を巡る対応のお話。
    二つ目は出発した飛行機を成田に引き返させる、普段から不遜な男と、どうやら仁志村が目をつけている二人の男性が乗った飛行機の話。
    パスポート偽造で拘留されていた女性と、彼女を見守っていた職員が殺され犯人を空港内で探す話。
    アイドルグループの復活を条件にハイジャックした犯人、乗客と機体を取り返すための闘い。犯人たちの真の目的は?そのために仁志村が取った解決策は。
    一つ一つは短く、どんどん事件が展開するのでサクサク読めます。殺人事件あるので中学校以上。そして、中山七里作品はやはり順番に読まないと登場人物が被っていて真に楽しめない。でも、この本は単体で読めます。
    成田国際空港警察署署長 仁志村賢作
    成田空港GS(グランドスタッフ) 蓮見咲良
    東京出入国在留管理局成田空港支局 熊雷
    →昔、警視庁捜査一課 犬養に情報を流した義侠心あるスタッフ
    出入国在留管理局成田空港支局 相良支局長
    千葉県警刑事部捜査一課 高頭冴子
    成田空港 主幹航空管制官 伊庭幸太郎
      〃 主任航空管制官 倉間美知
    交通管制部長 梶田実則
    千葉県警本部警備部 志度
    真垣総理
    鹿内国家公安委員会委員長

  • 【収録作品】一 セレブリティ/二 ATB(エアーターンバック)/三 イミグレーション/四 エマージェンシー・ランディング/最終話 テロリズム

    癖があるが敏腕の新任の警察署長・仁志村が空港でのさまざまな事件を解決する連作。
    情に流されず、誰にも忖度せずに、的確な判断をくだしていく姿は気持ちがいい。敵に回したくはないが、味方なら頼もしいことこの上ない。ただ、こっちの内心も見透かされるだろうだから、空港職員の咲良ではないが、お近づきにはなりたくない。

    シリーズ化するかな。期待。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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