ラスプーチンの庭 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041135679

作品紹介・あらすじ

警視庁捜査一課の犬養隼人は、長期入院から自宅療養に切り替えて急死した、娘の友人の告別式に参列する。遺体に奇妙な痣があることに気づいた犬養が捜査を進めると、謎の医療団体に行き当たり……。

感想・レビュー・書評

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  • 犬養シリーズ第6弾!

    現代医療の限界か…
    なら、藁にもすがる想いで、民間医療に頼ろうとする気持ちも分かる。更に、宗教の教祖のようなカリスマ性があれば尚更…
    その患者の想いを利用して、金儲けに走る民間医療は許せんけど、ここに出て来るのは、加害者なんやけど、ある意味被害者でもある。
    (とは言え、加害者になるのはアカンで〜)

    保険適用外の先端医療進めんのは、お金持ちだけにして欲しい。それが、ある意味、実験的な要素もあるんやから、病院側が持つか。
    助かるかも分からんもんに賭ける気持ちは、凄く分かるけど、賭けに負けて残るものは何?
    多分、激しい恨みだけか…
    医療の進歩考えるだけではね…

    こういう事件が起こらんように祈るけど、いまだに、民間医療とか、カルト宗教ってあるし、その辺の対策の遅れを批判してそう…

    何かストーリーの事何も書いてないような(^◇^;)

  • 新興宗教に医療が絡むと、気持ちが重く暗くなる。
    病気の人や悩みを抱えた人達を救うかのように言葉巧みに近寄り、お金を巻き上げ破産に導く。
    この作品では最新医療で治癒出来ない人を、良く分からない民間医療で治療する。たまたま改善した人がインフルエンサーだと一気に盛り上がる。
    悪意の批判も出てきて、読んでいてムカムカしてくる。
    最後になって真相に辿り着くが、唐突感がある。冒頭の一章を全く忘れて読み進めていたが、やはり意味無く書かれていたわけでは無いと思った。
    離婚して別れた娘の面倒は何処まで見るべきなのだろうか。責任があるにしても、毎回、娘に振り回される犬養が可哀想になってくる。

  • 初めて読む犬養隼人シリーズ。
    ラスプーチンとは何か?と読む進めると、怪しい祈祷僧というのが判明し、高千穂明日香同様に検索したら実在したヒゲもじゃの人物でした。

    長い年月をかけて復讐に至るまでなんと執念深い姉妹なんだろうか。
    時折り登場する犬養の上司の麻生が憎めなくて好き。

  • 腎臓病を患い、長期入院している娘・沙耶香を抱えている、警視庁捜査1課・犬飼。

    沙耶香と同じように腎臓病を患い、民間医療に切り替えた祐樹が亡くなった。
    祐樹の遺体には奇妙な痣が…

    高額な報酬を要求する民間医療団体の陰が…

    現代医療の限界を感じ、民間医療に頼りたくなる患者、その家族。
    そこにつけ込む民間医療団体。
    さらにカルトの教祖のように、主宰にカリスマ性があれば、患者は集まる。
    さらに有名人を広告塔にして、ますます団体は肥大化していく…

    そんなインチキ民間医療団体に、犬飼がどう挑んでいくのか、と思っていたが…
    主宰はあっさり殺害され…
    高額な治療費をむしり取られた被害者による怨みかと…

    結局は現代医療に対する怨み。
    それにしても復讐が壮大な計画すぎて…
    もう少し他にやり方があるのでは…
    何がしたかったのか…
    何かモヤモヤが残る…





  • 犬養シリーズ最新作
    標準治療がきつくてつらくて、でも治らなくて、それで民間治療に向かってしまう現実、当事者でないからこそあり得ないとは思ってしまうけれど
    沙耶香が選ばない、と決意した判断が本当に良かった

  • 姉弟の復讐劇がメインテーマであったと思うのだが、民間医療の方に主に目が向いてしまう。
    難しい病で苦しむ方々が民間医療に頼りたくなる気持ちは十分理解できる。ただきっとそれだけに頼るのは危険であると思う。そして民間医療の中には本作のような根拠のない宗教のような怪しげなものもあるということを忘れてはいけないし、辛い方々を騙すようなことだけはあってはならないと思う。

  • 通常医療で完治できない患者がカルト的医療団体へすがってやっぱり治らなくて高額も払わされて…という不幸が連なっていくのが辛いです。
    団体のお陰で完治したという例を聞けば、同じ病気を罹患している人は冷静ではいられないと思います。

    宗教や科学的根拠のない商品にハマってしまう心理をうまく描いている小説でした。

    刑事の犬養の難病を患う娘の決意がすごくいいです。

    犬養シリーズ初めて読みましたが、社会派で面白いです。

  • まるでカルト宗教のような印象の民間医療。
    重い病気を患ったら、藁をもすがる気持ちになるのは理解できるので、読んでいて何とも言えない気持ちになった。
    犬養シリーズはやっぱり面白い。

  • いやぁ〜、最初でちょっと勘違いしてましたわぁ〜
    ソッチ側から、こっちって話だったんですね!! っと、
    残りページ数も少なくなって、あれ?これって解決するの?
    って思っていたところで、やはり怒涛のどんでん返し
    というか、今回は、よくよく考えてみると首尾一貫して
    流れは決まっていたんですけどね、
    勘違いというか、うまいこと乗せられた感じでした。
    今回で思ったのは、まだまだこの世界って全然わかってないんだなって
    みんな小さな画面にかじりついて、新たな世界を手に入れた的な世の中だけど
    もっと、もっと、目を向けるべき対象って身近にあるなって

    とりあえず、今回も七里先生にやられたって感じでした。

  • 犬養刑事シリーズ好き!読む順番を無視しているから知らなかったけど、あなたバツ2だったのね!しかも自分の不貞が原因の!

    新興宗教と現代医療に対する不信感という、現代社会のテーマが軸にあるストーリー。改めて宗教というものの恐ろしさを感じた。現代医療に対する不信感については共感できる部分もあるが、だからって宗教に走るのはなあ…きっと当事者からすれば本当に藁にもすがる思いなのだろうけど、正しい目で物事を見ることは大事にしていきたいな。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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