- KADOKAWA (2023年6月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041137789
作品紹介・あらすじ
売れないファッション・モデルとして貧乏生活を送るサト子。実は自らも知らぬ間に、時価13億円の鉱業権の相続人に指定されていた! あれよあれよという間にサト子は、一攫千金のにおいをかぎつけた実業家や弁護士らに囲まれることに。莫大な資産はいったい誰の手にわたるのか、肝心の鉱山の実体は――。小説の魔術師・久生十蘭が、大きな運命に翻弄される女性の生を鮮やかに描く。今も色あせない傑作ミステリ。解説・町田康
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この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
サスペンスと人間関係の複雑さが交錯する物語で、主人公のサト子は売れないファッションモデルとして貧乏生活を送りながらも、実は時価13億円の鉱業権の相続人に選ばれていた。彼女は運命に翻弄され、周囲の人々が...
感想・レビュー・書評
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売れないファッションモデルとして貧乏生活を送るサト子。そんな彼女は知らぬ間に、時価十三億円の鉱業権の相続人に指定されていた!鉱業権を狙う人々に追われる彼女の行く末は──?!
何も知らない女性・サト子が鉱業権相続の争いに巻き込まれていくサスペンス小説。隣の別荘に入り込んだ青年を助けようとしたところから、彼女は謎だらけの大きな運命に翻弄されていく。誰が味方で、誰が敵なのか。そもそもどういうこと?という混乱を、サト子とともに読者も味わえる。いわゆる遺産相続ミステリなのかな?と思っていたら、謎解きというよりは自分を取り巻く何かと対峙していくサスペンスだった。
売れないモデルをし、貧乏生活をしながらもサト子の中には一本通った芯がある。現実家というか、自分の生活をどうするかという日々の暮らしが彼女の問題だった。それはこの運命の波に飲まれた後でも変わらない。十三億円という価値に目もくれず、いま目の前にあることを見つめて感じ入る。だからこそ、渦中の人となっても揺るがない自分であったのだと思う。まあ、周りは大変な騒ぎなのに、本人は相続関係に興味を示さなくて、読者としてはもう少し積極的に行動してほしかったかなあ。そんな人だからふさわしいんだろうけども。
スケールがどんどん大きくなり、ひたすら加速する展開は面白かった。鉱山に隠された秘密も、これを書かれた当時のことを考えると切り込んだテーマだなと感じる。連続ドラマにしたら盛り上がりそうな展開。タイトルの意味がわかった時の納得感がよかった。 -
東京で売れないファッションモデルをしている24歳のサト子は、鎌倉の叔母宅の留守を頼まれるが、そこへ一人の青年が現れる。近所の別荘で空き巣騒ぎがあり、どうやら青年はそこから逃げてきたようだが空き巣ではないと言い、追ってきた警官から逃れるため、海に飛び込んでしまう。青年が溺れ死んだと思いサト子は罪の意識に苛まれるが、後日、美術館で、実は生きていた青年と再会し…。
ざっくりまとめると遺産相続をめぐるサスペンス。謎ときのような展開はとくになく、殺人も起こらないし、探偵も出てこない。サト子の祖父が残した遺産を巡り、叔母や婚約者候補、別荘地の他のお金持ちたちが勝手に陰謀を繰り広げ、ヒロインのサト子はわりとずっと蚊帳の外。
人間関係結構複雑なのに整理されないし、何が起こってるのかよくわからずモヤモヤはするのだけれど、それでも面白く読めたのはなんといってもヒロイン・サト子の魅力。サバサバしていて、自立心の強い女性で、いつでも強気。モデルの仕事を干されて貧乏が続きちょっと弱気になるときもあるけれど、切り替えが早くて肝が据わってるところが良かった。 -
誰が味方で誰が敵なのかという現代的な筋書きの小説なのだが、著者のスタイリストぶりはここでも崩れず‥今の作家ならもっとドキドキハラハラとした感じに仕立てるだろうとも感じる。
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売れないファッションモデル・サト子が遺産相続に巻き込まれるミステリー。と、言って名探偵は出てこず愛憎劇も殺人も起きない。伏線もなく起伏がないままお話は終わる。この作家、長編はあまり得意でないようだ。久生十蘭を初めて読んだが、私はいい読者になれそうにない。
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久生十蘭の長篇ミステリ作品『あなたも私も』を読みました。
久生十蘭の作品は、13年前に読んだアンソロジー作品『恐怖特急』に収録されていた『昆虫図』以来なので久しぶりですね。
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13億円は私のもの? 気づけば大騒ぎの中心に!
売れないファッション・モデルとして貧乏生活を送るサト子。
実は自らも知らぬ間に、時価13億円の鉱業権の相続人に指定されていた! あれよあれよという間にサト子は、一攫千金のにおいをかぎつけた実業家や弁護士らに囲まれることに。
莫大な資産はいったい誰の手にわたるのか、肝心の鉱山の実体は――。
小説の魔術師・久生十蘭が、大きな運命に翻弄される女性の生を鮮やかに描く。
今も色あせない傑作ミステリ。
解説・町田康
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1954年(昭和29年)10月から1955年(昭和30年)3月に『毎日新聞』夕刊に連載され、同年に刊行された作品です。
小説の魔術師・久生十蘭が、大きな運命に翻弄される女性の生を鮮やかに描く……今も色あせない傑作ミステリ。
戦後の利権争いを背景に、売れないモデルのサト子が突然13億円の鉱業権の相続人に指名され、思わぬ渦に巻き込まれていく物語……設定は魅力的だし、軽やかな語り口なので読みやすかったのですが、、、
読み進めながらも、どこか物語の中に深く入り込めないまま終盤まで来てしまった感じ……サト子が受動的な立場に置かれ続けるためか、彼女の感情や選択に寄り添う前に、次の出来事が淡々と積み重なっていく印象が強かったですね。
利権の不透明さや、戦後の混乱期らしいざらついた空気感は嫌いじゃないんですけどね……外側から眺めているような距離感が最後まで拭えず、物語に入り込めない感じ、、、
面白い要素は揃っているのに、自分とは少し距離があるように感じた作品でした。 -
ん・・・
読み始めからこの方角は予想できず、迷子になった。
もう一度読む機会があれば、きっと楽しめる。きっと。 -
語りの力で引き込む実力は大したものですが、やはり十蘭、長篇は不得手だなと感じました。あとから登場人物のセリフで説明される部分が多すぎて、間怠っこしくなってきますね。谷戸、山曲など十蘭語がよく使う語彙が出てきてそこは良いですね。
著者プロフィール
久生十蘭の作品
