ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 IX 人の死なないミステリ (角川文庫)
- KADOKAWA (2023年8月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041141496
作品紹介・あらすじ
書き下ろし作品が本屋大賞にノミネートされたことで、作家としての評価が少しずつ高まってきていた李奈。そんなある日、岩崎翔吾絡みで因縁のある出版社、鳳雛社の編集者から新作執筆のオファーが舞い込む。数多くの作家が代表作を発表してきた文芸ひとすじの老舗からの誘いに、喜び勇んで会社を訪ねる李奈だったが、そこから思いもよらない事件に巻き込まれていく――。
感想・レビュー・書評
-
かなり肝が座ってきた李奈と、短絡的思考の宗武との言葉の応酬が面白かった。
言葉の内容はもちろん、三点リーダーや短文の組み合わせで、食い気味に言い返したり、ポンポン言い合ったりしているのが自然に伝わってきた。
真相は今まで以上に全くわからなかったので、解決編は出来すぎな気がしたが、李奈がとても聡明だと思うことにしよう。
文芸業界内部の実録的小説『インタラプト』、純文学の『十六夜月』を実際に読んでみたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズものとは知らずに、初めて読んだ。
単発でも、わかりやすくて、楽しめた。
小説家が、書くだけで食べていくのは、大変。
大きな賞を取れば、本が売れるとは限らない。
一冊の本を出版するのに、時間と手間がかかるのがよく分かった。
そして、売れなければ、採算が合わないことも。
主人公が死んでしまったり、難病と闘ったり、
「世界の中心で愛を叫ぶ」「一リットルの涙」など、
原作本、ドラマ、映画、と大流行した、した!
李奈の鋭い推理と、博識に感動! -
もはや、李奈すごすぎる。
-
もう習性になってシリーズを読み続けている 毎回趣向が変わってくるのも驚き 出版スピードも同じくすごい 次回作もすぐ出るらしい あきる野市を舞台にしてるのも身近で楽しい
-
確かに難病ヒロイン流行ったな…。業界話がとても興味深かった。
-
自分のようなストーリーを楽しむ読書人には、このシリーズはいつも前半が何とも退屈な展開で、謎解きの章になってよやく目覚めるのだが、今回は謎解きの章も短いので、読了に時間がかかった。
本の小口の端の角度という小ネタはチェックしておくが、
https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/411/2411092/
数理上そうなるったって、前提条件を揃えるのはそう簡単でないと思う。
それにしても、主人公の成長速度が速すぎる・・・ってのは、前巻でも書いた。次巻はどうなることやら? -
シリーズ9作目、読了。
商業的小説への批判的作品かな。
登場人物はそれぞれ個性なあり、印象に残りやすい。
出版業界のウラ話を毎度垣間見れて楽しかった。
家族愛を含む信頼関係なども伝えたかったと感じました。
さて、10巻行くぞ〜 -
タイトル通りの内容で結末も救いはあるのと、犯人と狙われている人物の思惑が入り組んでしまい複雑になっている様子は面白く、純文学と商業主義の対立、商業主義に反発して生まれた新しい文学の話は読みごたえがあった。しかし今作に関しては、途中に出版や製本の知識を用いて李奈が事件関係者の遭遇した不可解な出来事やアピールのトリックを解くのが蛇足に感じた。