仕事のためには生きてない

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041142646

作品紹介・あらすじ

『ミカゲ食品は「スマイルコンプライアンス」の精神で、信頼回復に努めてまいります』異物混入騒動への社長の発言がSNSで炎上した翌日、広報部で働く35歳の多治見勇吉を待っていたのは〈スマイルコンプライアンス準備室〉への異動辞令だった。実体のない「スマイルコンプライアンス」を形にしろというのだ。社長に忖度する役員の無茶振り、会議のための会議、意味のない資料作り。趣味のバンド活動を一番大切にしていた勇吉も、社長の肝いりの新設部署で仕事漬けの毎日を送ることに――そんなとき、バンドメンバーの余命が短いことを知らされる。「どうして自分はこんなに働いているのだろう」働くことの意味を探すうち、勇吉はどう生きるべきか考え始める。

感想・レビュー・書評

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  • 人生の中でも長い時間を費やしている仕事。どうせなら楽しい方がいい。でも仕事に振り回されたくはない。ひと昔前なら武勇伝の寝ないで働いただの、何日家に帰ってないだのをいまだに強要してくる化石部長。今でも現実にいるっぽいのが恐ろしい。コンプライアンスってもっと緩い感じでいいと思うのですが、最近は企業もマスコミもがんじがらめで遊びがなくてつまらないですね。スマイルコンプライアンス12箇条素晴らしいです。

  • 毎日、職場へ行って自宅へ帰る。それだけで自分を褒めること。どうせ行くなら楽しい職場がいい。
    ブルシットジョブ=クソどうでもいい仕事 だって。
    会議のための会議とか、今後誰が見るかも分からない書類整理など、確かに細かい作業の上で成り立ってる業務もあるけど、たいてい、いらないんだよね。
    最近このようなお仕事テーマの本が気になる。

  • 「どのみち毎日通うなら、楽しい職場がいいですね」
    ほんとそうだなぁと思いました。でもなかなかできないけど。

    勇吉はスマイルコンプライアンスを通して、働く意味を見つけたんだなぁと思いました。うらやましい。
    スマイルコンプライアンスの12ヶ条とてもわかりやすくていいです!

  •  ロックバンド活動を続けるためと割り切って働くサラリーマンの勇吉(35)は、会社のとある統括リーダーに任命される。

     その任務がなんの生産性があるのか良くわからないクソゲーみたいな内容。

     上司の圧力や残業で疲弊していく勇吉は、このクソゲーをクリアすべく仲間たちと奔走する。

     これはサラリーマン全てに捧げた鎮魂歌なのかもしれない。

     はじめは、勤め人の中間管理職あるあるのリアルしんどさを思い出させられるほどの内容で、数年前を思い出してしんどかったです。

     うわぁ~これは本当に辛いなと。

     でも、一生懸命頑張っていたらそのうち仲間もできるかもしれない。

     決して辛くても理解してくれて一緒に頑張ってくれる仲間がいれば乗り越えられることもあるかもしれない。

     ご都合主義と言われればそれまでですが、サラリーマンは辛いよ。でも、辛いばかりじゃない。

     何よりもあなたにはしんどくて、クソゲーかもしれないけど、毎日繫がっていられる会社があるじゃないの、今いる会社に夢も将来の希望もないかもしれませんが、働けるということそれ自体だけで希望を持てることだってある。

     だって、あんなに嫌で辞めた仕事、もう2度と仕事をしたくないって言ってやめたって、1ヶ月もすれば、働きたくてウズウズすることもあるじゃない?

     実は、仕事をしている、社会につながっている。生活するためだけじゃなくて、満員電車で押しつぶされながら会社に行く、ただそれだけで満たされている部分もあるということがあるかもしれません。

     そんなことを感じるエピソードもあり、満員電車に揺られながら号泣しながら読んだ箇所もあり、最後はスッキリしたそんな作品です。

     せっかくいくなら楽しい職場

     仕事はやりたいことじゃないかもしれない、毎日行きたくないと思うし、お客に怒られるなとか、上司に怒られるなとかあって眠れない夜を過ごすかもしれない。

     でも、せっかくいくなら楽しい職場が良いなと思いましたし、そんな職場に変えるのは会社や上司ではなく、本作品を読んだ私やあなたかもしれませんね。

     あと有吉達が活動するバンドの「デスペラーズ」の作った歌のタイトルや内容が面白過ぎて笑ってしまったことをお伝えしたいと思います。

  • 仕事のためには生きていない。
    この主人公は、バンドのために仕事をしている。

    私は何のために仕事をするのだろう。
    仕事が楽しいから?
    お金のため?
    余暇のため?

    なんだろう。

    ベンチャー、大企業、フリーランス。
    色々な働き方がある。

    人によって合う合わないもある。

    仕事ってなんだろうと、私の頭の中を駆け巡っている。

  • 社会人になったばかりだけれど、好きなことのために自分の時間のために仕事をしているんだなと共感。せっかく働くなら楽しい職場がいい。
    ひとまず挨拶をちゃんとしよう。いいところを見つけよう。困ったら騒ぐ!

  • 仕事のためには生きてはいない、でも毎日8時間程拘束されるのだからなるべく楽しいといいよね。
    読みやすい文章で一気に読み切ってしまった。予定調和の後半よりも、困難の中でもがく前半部分が面白かった。

  • 感想
    本当にやりたいこと。自由が欲しい。そのためには制約を超える必要がある。時間にお金。でも大切な人との時間が欲しい。やりたいことは絞る。

  • タイトルを見てそのとおりだよね、と思い手に取った本。
    だからと言っていい加減(良い加減ではなくちゃらんぽらんな方の意味)に仕事をするのではなく、自分が楽しいように仕事するのが、本書の主人公多治見のポリシーだ。
    しかし、楽しく仕事をしようとする人を阻む障壁は多い。残業、徹夜が美徳の上司、終わりの見えない会議……。こんな無駄なことが何故罷り通っているんだろうと思うが、社会人生活が長くなると諦めの境地に至ってしまう。

    多治見たちが会社を変えようと悩み、四苦八苦する姿は輝いており、毎日倦みながら仕事している私の目には眩しく写った。
    コンプライアンス12箇条は、是非とも社会全体に適用させてほしい。
    学校では、人の気持ちを考えること、人の話をよく聞くこと等を教えられるのに、社会人になった途端、それが出来なくなる人が多い。
    一度、原点に立ち返らなければ。

    社長が話を聞いてくれる人だったから後味良く終わったが、そうでなかったらどうなっていただろうかと考えると、組織のトップによって如何様にも組織は変わるのだと思い知らされた。

  • 仕事、会社、職場あるある集。文字にすると、そんなバカな!ことばかりだけど…。「デコ資料に根性論と苦労話のマウンティング合戦。自分がどれだけ大変か虚勢張り合う不毛な勝負」「自分の好きなことを続けるために働いて給料もらう。ただ金の為だけに働き続けると、心が折れてしまう。誰かを喜ばせたかったり誰かと一緒に何かを作り上げたかったり、誰かの為が自分のためにもなる。つまりは誰かと繋がっていたいから働くんだと思う」これから社会に出る若い人たちにお勧めの一冊。

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著者プロフィール

安藤祐介
一九七七年生まれ。福岡県出身。二〇〇七年『被取締役新入社員』でTBS・講談社第一回ドラマ原作大賞を受賞。同書は森山未來主演でドラマ化もされ、話題を呼んだ。近著に『本のエンドロール』『六畳間のピアノマン』『就活ザムライの大誤算』などがある。

「2023年 『崖っぷち芸人、会社を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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