- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041145647
感想・レビュー・書評
-
ここ数作読んでいる浅倉秋成さんの作品。評価としてはとにかく難しい。ミステリーとしてはどうか?家族とは何かを問う小説としては?要素が混在してるものの、ごった煮状態かといえばそうでもなく、きれいにまとまっていると思う。
ミステリーから、一歩踏み込む挑戦的な姿勢はとても評価できるが、果たしてこれで良かったかと言えば、繰り返しになるが難しいところ。自分だけかもしれないが、小川哲さんの「君のクイズ」の読後感に近いものを感じた。
低評価をつける気持ちも分かるので、かなり好き嫌いは分かれそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
浅倉秋成さんなので、ミステリーかと思って読んでいたら、家族小説らしいと途中でわかりましたが、何を言いたいのか私にはよくわかりませんでした。
「作家の読書道」でちょうどこの作品が解説されていてわかりやすいと思いますので引用させていただきます。
ネタバレはないと思いますので、このストーリーを読まれて面白そうと思われる方はどうぞ。
手抜きレビューですいません。
「作家の読書道」より
家族の解体が決まり家族がばらばらになる予定の喜佐家で倉庫から仏像が見つかる。
どうやら厄介者の父が青森県の神社から盗んだご神体らしいと気づいた一家は山梨県から青森県まで車でご神体を返しにいこうとする。
解散寸前の家族が一致団結してトラブルを乗り切る話かと思いきや意外なことが起こります。
物語は車で仏像を返しに行く「くるま」のパートと、実家に残った姉たちが意外なものを見つける「いえ」のパートが交互に進行していきます。
ここに仕掛けがあるんですよね。
物語の中で明確に真相は明かされます。
読み終えたあとも仕掛けに気づいていない人もいるようですが。
でもまさに、これがどういう物語なのか気づかせてくれる仕掛けです。
痺れました。
※私はたぶんこの仕掛けというのに気づけなかったのだろうと思います。-
2024/04/29
-
,゜.:。+゜昨日から4月号の短歌ノートを真似て、メモしています!
,゜.:。+゜φ(._.)メモメモ,゜.:。+゜昨日から4月号の短歌ノートを真似て、メモしています!
,゜.:。+゜φ(._.)メモメモ2024/04/29 -
2024/04/30
-
-
やっぱり私の中では、浅倉秋成さんの小説には期待があって、本作も発売日にしっかり購入して拝読しました。割とテンポの良いストーリー展開と、謎が深まるミステリー展開でスラっと読めましたが、個人的には着地点があまり好みではなかったかなと思います。
本作のストーリーとしては、結婚を間近に控えた主人公が年末年始の休みに実家に帰省することから始まります。主人公の実家は割と古い慣習が残る家で、結婚するまでは家から出られないといった風習がある。そのため、今回の結婚は主人公が家から離れる機会であった。そんな矢先、引越しの準備をしていると、倉庫から盗品の仏像が見つかる。結婚前に家族の罪が世間に露呈することを恐れた主人公一家は仏像を返しに行くことになるというストーリー。
お話の展開的には割とコメディ感の強い作品で、ドタバタ劇という感じで割と軽めにスタートしますが、終盤に割と転調がしてる感じがあり、そこがちょっと温度差あったのかなと思います。浅倉さんの小説をこれまで数冊読んできましたが、設定が割と変わってる作品が多くて、それがハマればめちゃくちゃ好きな作品になるんだろうなって思いました。-
ネモJさん(((^-^)))こんにちは
――私は、この本面白そうだな、と思っていました。★3つでしたか。まだ発売したばかりですか?読むとした...ネモJさん(((^-^)))こんにちは
――私は、この本面白そうだな、と思っていました。★3つでしたか。まだ発売したばかりですか?読むとしたら図書館本です。浅倉さんを読んだことはないし・・・・図書館になかったりして(x_x;)2024/03/29 -
アールグレイさん、こんにちは
この本は確か、今週発売だったはずです(記憶違いならすみません)
コロナ禍の時に、浅倉さんの「六人の嘘つきな大学...アールグレイさん、こんにちは
この本は確か、今週発売だったはずです(記憶違いならすみません)
コロナ禍の時に、浅倉さんの「六人の嘘つきな大学生」を読んでから読書にハマったこともあって個人的には思い入れのある作家さんなんです
それもあって評価は少し辛口になっちゃうんですよね…笑
個人的にはぜひ「六人の〜」を読んでみて欲しいです!2024/03/29 -
ネモさん、返信ありがとう!
~~大学生、ということに抵抗を感じてしまうのです。年に違いを感じてしまいます。
('A`)ネモさん、返信ありがとう!
~~大学生、ということに抵抗を感じてしまうのです。年に違いを感じてしまいます。
('A`)2024/03/29
-
-
古い実家を取り壊して、家族ばらばらに暮らすことになったのは、兄も結婚して別に家を構え姉も婚約者がいて、末の弟である周も結婚が決まったからである。
家族解体の三日前の元旦に家族総出の片づけ中、倉庫にあった見慣れない箱。
それが今、世間で騒がせている青森の神社から盗まれた仏像⁉︎
ここには居ない、いつも居ることがない親父の仕業かと思われたが、とにかく返さねば…という思いで家族全員が慌ただしく青森へと車を走らせるのだが…道中何度か一悶着あり、ただならぬ気配あり、でスムーズにはいかない。
これはどういう終着点なのか…という思いで読み進める。
なんだかんだとあってもこんな家族もいるかもしれないと思う。
世の中には、信じられない⁈という家族もいるし、家族のない人に比べたら歪であっても羨ましいと思うかもしれない。
「じょーないじょーない」という家族だけがわかる言葉を使っているのだから仲が悪いとは思えない。
ただ、みんな本音を隠しているから纏まらなくて、親父の本音もわからずじまいで、姉が考えたことなんだろう。
普通とはどんな家族かなんて考えなくてもいいのではないか。
何を基準に普通というのかさえ疑問なんだが、ただ家族はずっと一緒にいるもの…とする考え方も違うのだということ。
-
評価が低くてごめんなさい。
今までの作品が面白かったので期待していたせいもあるかも。
盗難品の御神体を返却に向かうドライブや犯人探しなど、全てが茶番に見えてしまった。
次はまた「六人の…」みたいなワクワクする小説を読みたいなぁ。
-
「本当にこの家族、こんな形で終わっていいと思う?」
喜佐家は古い実家を取り壊して、家族ばらばらに転居することになった。引っ越し直前、家にいつもいない父を除く家族総出で片づけをしていると、倉庫で不審な箱が見つかった。中にはニュースで騒がれている『青森の神社から盗まれたご神体の仏像』そっくりのものがあって?!
過去にあったトラブルから、父の犯行を確信する家族一同。不在の父の代わりに仏像を返すため青森へ車を走らせる!だが、喜佐家の次男・周(めぐる)は道中で、父は犯人ではないと気づき始め──。謎が謎を呼ぶホームドラマが描かれるミステリ。
ばらばらに解体されるはずだった家族が、父が盗んできた仏像を返すために一つになる!と思いきや、父は犯人ではなくこの家族の中に真犯人がいる?!と逆転する構成が上手い。嘘をついているのは誰なのか。しかも追跡してくる車まで現れた!疑心暗鬼のドキドキ家族ドライブは超エキサイティング!元日に大急ぎで仏像を青森まで運ぶというシュールさもいい。仏像が載る車を借りるためにでっち上げた迫真の嘘のくだりはコミカルで好き。
「なんて元日だ!」という一日を越えた喜佐家一同。それでもまだ彼らは道の途中だった!謎を解体する内に見えてきた家族の形に立ち尽くす。ぼく自身が『両親』や『家族』に対して抱いていた違和感がここにはあった。『家族』は密室だからこそ、見えなくなるものがある。家族を守るために子(個)を捧げる自己犠牲は尊いのか?これは会社など組織にも言えること。人と人が助け合える絆だったものが、人を犠牲にしないと維持できない呪いへと変わる。たちが悪いことに、その呪いは犠牲を美談や美徳に仕立て上げて、人々を騙すのだ。個を集団という泥へと溶かして曖昧にする。世間的に美しいとされるものと、自分が美しいと思うものは違う。その基本的なことに気がつけるかどうか。ぼくはうつ病になってやっと気づいたよ。
そんなわけで、後半の展開は考える価値がある問いだと思うけど、落とし込み方が強引すぎるし、仏像との繋がりの必然性も微妙。ぼくは家族全員、感情移入できなかった。父のあの行動は傷を残したという時点で取り返しがつかないし、その傷跡を知った上であの人はよくあんな言葉をぶつけられたなと。前半と後半の寒暖差が激しすぎて、何とも言えない読後感だった。浅倉秋成先生の初読者にはあまりオススメできないかも…。意欲作ではあると思う。
印象深い箇所を引用しますが、ここからはネタバレに該当するので未読の方は注意!
p.260
「僕らが『普通』と感じているあの家族像って、たぶんものすごく一元的で、驚くほど視野が狭くて、びっくりするくらい自分勝手なんです。喜佐家の固定電話にかかってきた電話は、必ず周さんがとらなくてはいけないのと同じくらい、理不尽なルールなんです。なのに誰もが、自分たちは奇妙なルールに縛られていないと思っている。普通から外れている人は、普通ではないけれども認めてあげようよと、心の広さを発揮しているつもりでいる」
p.284
「家族は団結するべき、家族は仲よくするべき、家族の中に苦しそうなメンバーがいたとしても、少しくらい苦しそうな人がいるほうが立派な気がする。なぜならそれが『常識』だから。どれだけひずみを生んでも、どれだけ成員の多くが息苦しくなろうとも、きっとこれからもみんなは幸せよりも『家族』と『常識』を優先して、合い言葉みたいに言い続ける。『じょーないじょーない』『お父さんは駄目な人だから、仕方がない』。」
p.304
なぜこの家族は始まったのだろう。考えるまでもなくこの家族を始めたのは、父さんと母さんであった。二人が結ばれ、三人の子供が生まれた。父さんが主体性なく世間に背中を押され、母さんが過去のトラウマの中で悶えるように求め、喜佐家は誕生した。 -
家族のあり方を考えさせられる作品でした。家族の人数もそれぞれ異なると言ったアプローチも良かった。
最後の○×もナイス。
-
さすが浅倉さん、
めちゃくちゃおもしろくて一気読みでした。
家族それぞれの思考が、行動が、
‥‥なんかおかしいぞ!
次々と発覚するトラブルや家族のヒミツ。
この展開、ほんとに!?
ありえなくて時おり笑いがこみあげる。
家族って、お互い知らないことばっかり。
家族の理想の形ってどんなだろう。
喜佐家最大のヒミツを知って読み返してみれば、そこここに滲み出ていた本当の気持ちに、胸がいっぱいになりました。 -
〈家族の嘘〉が暴かれる時、本当の人生が始まる。
どんでん返し家族ミステリー。
前半は実家の倉庫で見つかったご神体を返却しにドタバタ劇が繰り広げられ、道中もハラハラする展開で面白かったです。
物語の後半になると、誰が何のためにご神体を盗んだのか?という謎が、喜佐家の〈家族の嘘〉と結びついていくのですが、この関連性にやや強引さを感じてしまいました。しかし、話しの展開が読めず、この先どうなるの?と一気に読んでしまいました。感想が難しい作品ですが、定番のミステリーに飽きている方にオススメします。