100分間で楽しむ名作小説 銀河鉄道の夜 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2024年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784041148167

作品紹介・あらすじ

病気がちな母と暮らすジョバンニは、学校帰りに活版所で働いて家計を助けている。いじわるな級友から父の不在をからかわれ、つらい思いをする彼の気持ちを、親友のカムパネルラだけはわかってくれていた。祭りの夜、あらゆる星が輝く夜空の向こう側へと、二人は銀河鉄道に乗って旅に出る――。すべてがきらきらと輝く、かけがえのない物語。

感想・レビュー・書評

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  • 車窓から覗く幻想的な情景と共に物語は進む。
    ほんとうの幸いとはなんだろうか。
    鳥取りの虚しさは、鳥を取ることが目的になっていることにある。鳥を取ることが、誰の何の幸せに通じているのか、その価値を見出さずに鳥を取ることに専念している姿に、哀しさを感じたのだろう。

    幸せとは、行為そのものではなく、その行為がもたらす価値に付随するものなのだろうと思う。

    物語として、映像で見るとより深みを増すのではと思った作品だった。

  • 声に出して歌いたい日本文学で一節を聴いたことあるくらいで、初めて読みました。
    恥ずかしながら純文学は殆ど読んだことがないのだけれど、
    なんてったって日本語が読みづらいのなんの……
    ひらがな多すぎ&言葉遣い昔すぎで、文字数少ないのに死ぬほど時間かかりました。笑
    世界観とか内容的にはパーフェクトに私好みなはずなのに…笑
    でもクライマックスは衝撃的だし泣けてきた。

  • 100分間で楽しむ名作小説から。
    <銀河鉄道の夜>と<よだかの星>が編集されています。
    この2つのお話はそれぞれ繋がりも何もないのだけど、周囲との関係性や死生観が重なるように近いのです。
    地道に日々を生活しているだけなのに、周りから言われる言葉の冷酷さは活字からも痛みのように伝わってきます。
    紡がれている文章は独特で童話のふんわりした世界のようでいて、悲哀が込められている。
    それが余計に絶望感や死、自己犠牲という輪郭を形成しているようで、命の重みを感じる2作品でした。

  • 幸せとは何か、をかなり手前で終える感じ
    読み終わった後にぼーっとした
    よだかの星も近い印象

  • 概念的な言葉までは完璧に理解できなかったけれど、注釈のおかげでじゅうぶん読めた。とてもうつくしくて、とてもさみしい。絵本で見たいなあと思った。絶対きれいだよね。読んでいるあいだ、「千と千尋の神隠し」の電車のシーンをなんとなく想像していたのだけど、調べてみたらほんとうに本作の影響を受けてつくられたシーンなんだね。全然しらなかった…。

  • ここにしか無いものがここにある

  • 難しかった。

    初めの方は読点もあり、意味は難解であったがリズムがあった。
    でも途中から、綺麗だと思うもの、神秘だと思うもの、そういったものの描写がつらつらと書かれていきリズムが分からなくなった。

    今は情景の描写なのか、ジョバンニの心の描写なのか曖昧に読むことしか出来なかったのは、私の力不足であるとも思う。

    本当の幸せとはなにか、心持穏やかでありたい。
    人のために、せめてもの。


    よだかの星は短いから読みやすく、分かりやすかった。
    夜だかは、美醜に追い詰められたものであれば酷く刺さる内容だと思う。
    何も悪いことをしてないのだ。

  • 宮沢賢治さんの作品は、元からあまり得意では、なかったのですが、やはり、私には、分からない所不思議な所がたくさんあり読み進める手が遅くなってしまいました。大好きな曲が銀河鉄道の夜を元にしたと聞いたので、読んでみました。例えというか、感情の表現が、私には、あいませんでした。

  • 本当の幸いとはなんだろう。

    その問いの答えは話の中では完結しない。
    この話を読んだ受け取り手によって変わるだろう。

    印象に残ったのは船が沈み、乗船していた人々の姿。
    あの場で助かったら「幸い」なのか、助からなくとも会いたい人に会えるかもしれないことが「幸い」なのか。その答えはこの世にも銀河にも分からないだろう。

    ジョバンニをからかわず、気まずさで乗り越える曖昧さを持つカムパネルラはどうすれば「本当の幸い」を手に入れられたのだろう。その友人を失ったジョバンニは銀河の旅を経て人よりも「本当の幸い」を求め、豊かな人生を送れるのではないのかなと思う。

    最後のジョバンニの父の話の中で「船」が出てきたところは不吉な予感がした。

  • 100分間で楽しむ名作小説シリーズ(2024年第1期10冊)
    その7・銀河鉄道の夜

    この本の紹介は「 100分間で楽しむ名作小説シリーズ(2024年第1期10冊)その1・蜘蛛の糸 」をご覧下さい。

    2025/06/24 更新

  • 難しかった…

  • 100分間で楽しむ名作小説シリーズ

    100分間のコンセプトだから2作
    よだかの星がとても好きです。
    時間を気にしないなら通常版の方が作品数も多いのでおすすめ

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著者プロフィール

1896年岩手県花巻生まれ。盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)卒業。1921年から花巻農学校で教諭を務める。1926年に退職し、羅須地人協会を設立、農業技術指導などを行なうが、1928年に過労で倒れ、以後は療養生活を続けながら執筆活動を行なう。1933年9月21日没。享年37。生前に刊行された単著は、詩集『春と修羅』(1924)、童話集『注文の多い料理店』(1924)のみであったが、1934~35年には文圃堂から全3巻の全集が、1939~44年には十字屋書店から全6巻+別巻1の全集が刊行された。戦後も筑摩書房から数次にわたって全集が刊行されている。

「2025年 『宮沢賢治きのこ文学集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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