- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041149072
作品紹介・あらすじ
俳句の特性を明快に示した画期的な俳句の本質論「挨拶と滑稽」や「写生について」「子規と虚子」など、著者の代表的な俳論と俳句随筆を収録。初心者・ベテランを問わず、実作者が知りたい本質を率直に語る。
感想・レビュー・書評
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https://twitter.com/rintensha/status/1753414558746857889
「「俳句はまず何を読めばいい?」と聞かれることがありますが、
・川名大『現代俳句 上下(ちくま学芸文庫)』
・塚本邦雄『百句燦燦(講談社文芸文庫)』
・山本健吉『定本 現代俳句(角川選書)』
以上3冊をおすすめしています。寺山修司経由で中村草田男や富澤赤黄男の句を好きになったけど次に何読めばいいかまじでわからん……となっていた私に、三種三様の読みの基準を示してくれた本です。」
https://twitter.com/rintensha/status/1753418579117261251
「この3冊を読んだ後に山本健吉『俳句とは何か(角川ソフィア文庫)』所収の「挨拶と滑稽」「写生について」あたりを読むと、俳句の俳句らしさが腑に落ちるのではないかしら。芭蕉への橋渡しをしてくれる点でもこの本はありがたかったです。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『山本健吉俳句読本』の第一巻として刊行された本を、再編集したものです。
著者は、俳諧が連歌にその源流をもっているということに着目して、談笑の場における諧謔精神を受け継ぎながらも、それを芸術的に昇華したところに、俳諧の本質を見ようとしています。そのうえで、ディアローグにおいて成り立つ芸術として俳諧をとらえなおし、その本質を「挨拶」や「滑稽」ということばによっていい表わそうとしています。
著者のこうした俳諧論は、桑原武夫の『第二芸術論』とひとまとめにされて、俳句に対する批判だと誤解されたことがあったと著者は回想していますが、他方で著者は「純粋俳句」ということばで、俳諧のあるべきすがたを積極的に語っています。俳句が連歌からの独立を果たすにあたって、表現上の独立性を獲得するために、「切れる」ことが重視されたと著者は論じています。そして、このような背景にもとづいて、切れ字の意義についての考察が展開されていきます。
こうした立場から、著者は芭蕉の俳諧のもつ芸術的価値について検討をおこない、とりわけ蕪村との比較を通じて、連歌という源流につながりつつもそこから独立している俳諧独自の芸術的精神が芭蕉の句において十全に示されていると主張しています。 -
山本健吉の洞察力と平易な言葉で書き綴るわかりやすさは、人をうならせる。