血と砂 (角川文庫 緑 298-24)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041298244

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  • 木刀作りをしながら、放蕩人生を送る、北ノ庄浩作とその回りの女達との関係の物語。 著者四十五歳の時に主人公二十八歳の遅めの青春を描いている。 乱交パーティや、不倫、愛人、そして結婚まで、とにかく、主人公とそれぞれの女たちの関係で話が進む。 ほとんどの女達が個別に主人公と関係していて、あまり女同士で揉めることはない。 血と砂というタイトルがどのように内容に関係しているかと考えると、多くの場合が湘南の海の側でのできことであるから砂であり、主人公の放蕩具合が血ということなのだろう。気の利いた会話が交わされる部分も多くあり、昭和四十年代の小説だが、そのジョークににやりとさせられる部分も多い。 幾種類かの女を、それぞれ違った方法で籠絡してくのが面白いのだが、後半になると、やる気がなくなったのか、甘い言葉で落とすようになってしまったりもする。 ラストで、主人公が無形文化財に認定されてしまうのが、強引だとは思えた。 読みやすいし、読んでいて面白いし、まだ読んでいたいと読み終わっても思うのだが、内容にそれほど派手さがあるわけではない。その日常的な流れが心地よかったのかもしれない。

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