寺山修司少女詩集 (角川文庫 て 1-15)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041315170

感想・レビュー・書評

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  • ボクには難しかった。
    でも、寝たきりの少女に海水をもっていってあげる話は好き。

  • 本書は、ずっと昔に祖父からもらった思い出深いもの。
    帰省の機会に再読した。
    個人的には「愛する」のパートが最も心に残った。
    他方、おとぎ話や童謡?を下敷きにして改変したような前半の詩は、ほかのものに比べるとより言葉遊びの度合いが強いように思い、詩に込められた深刻さのようなものを読み取りにくかったような感覚を持った。
    もちろん、全体に、口に出しても軽快に感じられそうな作品ばかりであって、リズムや音の並びが気持ちのいいものが多かったような印象がある。それでありながらその中に、ふとはっとさせられる結語などが混じっていて、ふいに残酷さや、哀しさなども感じられる作品がある。
    今は表紙のデザインが変わっているのかもしれないが、私は祖父にもらったこの表紙デザインが好きである。
    また、折に触れて手に取りたい詩集である。

  • 言葉の宝石だ

  • 『階段』が好き。十三階段という所がなんとなくツボ。

  • すごく気に入った。同じフレーズがよく出てくるが、なんだかさみしい気持ちになる。

  • この本をはじめてよんだのは、小学校5年生だったと思います。
    小説をよむきっかけになった本です。あれから、もうすぐ2年?くらいが経つけれど、今でももちろんだいすきな本です(((o(*゚▽゚*)o)))
    あのときよんでいたのが、ライトノベルや携帯小説じゃなくて、この本でよかった!と思います。

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  • 以下引用。

    「階段」
    一段目に夏
    二段目にぼく
    三段目にみずえ
    四段目に腰かけて
    五段目で初恋だった
    六段目で何をしたのか
    七段目で神さまが見てた
    八段目でみずえが立上ると
    九段目でぼくは淋しくなった
    十段目で哲学し自省し感傷して
    十一段目で訪れる秋をむかえよう
    十二段目で翼のように両手ひろげて
    十三段目さま人生さまみんなさよなら(p.146~147)

    「サ行二段活用恋愛形」
    詩ト詩ト詩ト………屋根裏に雨が
    オ詩エテ?…………とみずえが言った
    詩ラナイヨ…………とぼくが言った
    詩月一日……………エイプリルフール

    ウ詩詩詩……………怪奇マンガかな?
    詩ーツ………………月夜のひそひそ話
    カナ詩イトキ………笑おうよ
    詩……………………死

    詩ヌマデ
    アイ詩テ(p.156~157)

    「あなたに」
    書物のなかに海がある
    心はいつも航海をゆるされる

    書物のなかに草原がある
    心はいつも旅情をたしかめる

    書物のなかに町がある
    心はいつも出会いを待っている

    人生はしばしば
    書物の外ですばらしいひびきを
    たてて
    くずれるだろう

    だがもう一度
    やり直すために
    書物のなかの家路を帰る

    書物は
    家なき子の家(p.267~268)

    「あなたへの手紙」
    あて名のないてがみを書いたことがあります
    それを郵便ポストに入れずに
    楡の木の穴にいれたことがあります
    まだ逢ったこともない女の子へのてがみでした
    愛のてがみでした
    ところが そのてがみに返事がきたのです
    おてがみありがとう
    愛のてがみに 愛のてがみで
    お返事ができるのがとてもしあわせです
    この返事も
    ほんとはぼくがじぶんで書いたものです
    ぼくが今より若く まだ人生の苦渋を知らなかった頃
    空はいつも真青だった(p.350~351)

    「みじかい恋の長い唄」
    この世で一番みじかい愛の詩は

      愛

    と一字書くだけです
    この世で一番ながい愛の詩は
    同じ字を百万回書くことです
    書き終わらないうちに年老いてしまったとしても
    それは詩のせいじゃありません

    人生はいつでも
    詩より少しみじかい
    のですから(p.372~373)

  • さびしさでいっぱい

  • 寺山修司の作品は書を捨てよ、町へでようのみ既読であった。
    何故こんなに人気が有るのか不可解だったが、彼の詩集はとても素敵だった。
    度を越したロマンチックだ。
    基本愛と恋の話しかしてない。
    特にこの作品には海に関する詩、童謡やマザーグースに関する詩、猫に関する詩、
    花に関する詩が大量に収められている。
    いずれも少女的であり、私の好きなモチーフである。
    長野まゆみを思い出したが彼女のより好きだ。
    また、エンデのエンデのメモ箱にも似ている。
    たいへん良い本とであった。
    かもめ!

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著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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