黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041374016

感想・レビュー・書評

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  • 読んだのは角川ではなく、立風書房の「長編推理小説全集1 黒いトランク」。ただ、項目がなかったので、お借りする。

    ①ペトロフ事件
    容疑者は、伯父の遺産を受け継ぐはずである甥三人。アントン、アレクサンドル、ニコライは様々思惑があるようだが、、、。ただの列車トリックかと思いきや、最後にどんでん返しがある。

    ②赤い部屋
    ある先入観を突かれる。トリック自体、ちょっと難しいかもしれない。

    ③黒いトランク

  • 2つの黒いトランクが掏り返られるトリック(トリックとは言えない。状態と言った方がよい)は、途中で、と、いうか、その現象を読んだ時に直ぐに分かったが、そのトリックが最後まで後生大事に不明扱いされて、読んでいてバカらしくなった。

    青尽くめの男も、途中で入れ替わるために青尽くめにしていると、登場したときから読めていた。トリックが、後から分かるのでなく、その都度分かるので、何がトリックなのか??バカらしいという本。

    この時代の推理小説ではこれが斬新だったのかな? トリック物に慣れた疑り深い現代人は、このストレートなトリックだと拍子抜けしてしまう。

  • 幾重にも絡みあった複雑で巧妙なトリックを鬼貫警部が執念と論理で破る。

  •  現在の視点で読むと、心理的なものも含め、人物の描写が足りない気がする。トランクをめぐるトリックも、途中でこんがらがってくるほどややこしい。でも、時刻表を使ったアリバイとか、現在のミステリー小説の礎になっていることは疑いないと思う。ちなみに、大地康雄演じるテレビの鬼貫警部とはイメージが違ってました(笑)。

  • 二十年ほど前は絶版で手に入りにくかったようですが、今は二社から出ているようですよ。鮎川さんのこの初長編。

    すぅーっと読めてしまえたのだが、複雑なトリックが絡み合って、一つ一つを頭に入れるのが面倒。特に僕はアリバイ・トリックには興味が持てず、そこら辺は読み流すだけ。したがって、謎解きの醍醐味を堪能、という訳にはいかなかった。が、ともかく鮎川さんがその後の日本のミステリに与えた影響力の大きさはよぉーく解った。

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著者プロフィール

鮎川哲也(あゆかわ・てつや)
本名・中川透。1919(大8)年、東京生まれ。終戦後はGHQ勤務の傍ら、様々な筆名を用いて雑誌へ短編を投稿し、50年には『宝石』100万円懸賞の長篇部門へ投稿した「ペトロフ事件」(中川透名義)が第一席で入選した。56年、講談社が公募していた「書下ろし長篇探偵小説全集」の第13巻「十三番目の椅子」へ応募した「黒いトランク」が入選し、本格的に作家活動を開始する。60年、「憎悪の化石」と「黒い白鳥」で第13回日本探偵作家クラブ賞長編賞を受賞。受賞後も安定したペースで本格推理小説を書き続け人気作家となる。執筆活動と並行して、アンソロジー編纂や新人作家の育成、忘れられた探偵作家の追跡調査など、さまざまな仕事をこなした。クラシックや唱歌にも造詣が深く、音楽関連のエッセイ集も複数冊ある。2001年、旧作発掘や新人育成への多大な貢献を評価され、第1回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。2002(平14)年9月24日、83歳で死去。没後、第6回日本ミステリー文学大賞を贈られた。

「2020年 『幻の探偵作家を求めて【完全版】 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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