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- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041459577
感想・レビュー・書評
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昔読んだ本
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あの阿佐田哲也氏が、博打の世界に生きるい古いタイプの勝負師達を、35編の小説に描いた。
どいつもこいつもろくでなしばかりで、妻の香典を全部ノミ屋にぶち込んじまう元バイニン、北海道の炭田住宅から麻雀一本で全国周遊に出かけた二人組、大穴を本線で当てちまったばかりに、借金を背負って遠洋漁船に乗り込むこととなった競馬新聞記者などなど。
そんな勝負師達の見せる浮沈は、悲壮ながらもすばらしくユーモラスであり、この小説は阿佐田哲也にしか書けまい、と思わせる凄みがある。中でも数少ない競馬にまつわるエピソード「フジイサミの双眼鏡」は、競馬好きにはたまらない作品だろう。
このようなギャンブルにまつわる活気を描ける人間は、昨今の公営競技の衰退と時期を同じくして、ひっそりと消えていってしまったかのようだ。
あの往時の活気を偲ばせる「勝負師の遺品」として、この本は愛されていくべきではないだろうか。
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