墓地を見おろす家 (角川文庫 こ 21-1)

著者 :
  • KADOKAWA
3.30
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本棚登録 : 1910
感想 : 219
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041494110

作品紹介・あらすじ

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。だがそこは広大な墓地に囲まれていた……次々と襲いかかる恐怖。衝撃と戦慄の名作モダン・ホラー。

感想・レビュー・書評

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  • じわじわとくる中盤までのリアルさは私好みだった。終盤に近づくと霊的なもののパワーがあり過ぎるようで少し現実味に欠けたので、不気味な空想の世界に入った。その後の状況も知りたい結末だったけど、全体的にこういうのは好き。なんだか『リング』や『着信あり』系も読みたくなった。

  • ホラー好きな友人が貸してくれました。
    新築マンションに引っ越した直後から次々と家族に降りかかる怪現象…。墓地、火葬場、得体の知れない風が吹く地下倉庫。

    何が怖いって、正体の分からないものが一番怖い。
    映像化した方がもっと怖そう。

  • 終始スッキリ感は全く与えてくれない、それが怖い!という感じでした。
    怪異に巻き込まれていく家族の生活譚を「聞かされた」というような。
    ラストは怒涛の展開で
    え、そんな事に!?まさかそこまで…まじかよ…そんな…嘘でしょ…これが正直な感想でした笑

    主人公夫婦には薄暗い過去があって、どんな目に遭ってもこの人達に同情なんてできないぜ!最低だ!って思うのですが、読み進めていくとその過去を一緒に背負わされているような怠さと後ろめたさを感じてしまう不思議。
    でもその過去が夫婦の結束を深めているというのがまたクソ腹立つんだが、リアルな感じがして…

    あり得ないだろって話なのになんか妙な生々しさがすんごい後味悪いんですよ…(いい意味で)
    呪いをかけられたような陰鬱な気持ちになる良いホラーでした…

    (((何故か炊飯器だけ使えるのは解せん!笑)))

  • 気持ちの悪い怖さであとからもじわじわ怖い。

  • 墓地のそばのマンションに越してきた家族の恐怖。
    著者の幻想怪奇短編集が好きで手に。また別のも探しにいこう…
    なんだか今日は部屋が暖まらないな…

  • 何が怖かったって、図書館で借りたこの本に、髪の毛がたくさんはさまってたこと。

  • 原因は示唆されるものの、明確に何者かが描かれないのがじわり怖い。クライマックスにかかってからは少し長く感じたが、怪異に勢いが付く激しい展開は、雰囲気が変わって読み応えがある。

  • 伏線らしきもの張りまくってて気になるから一気に読めたけど、全部未回収じゃん。
    私が勝手に伏線と思い込んだだけ?
    先に引っ越していった人達は無事だったのか、なんでこの一家だけが残されてしまったのか、前妻の死はそれに関わってきているのか、もうなんにもわからないまんま終わってしまったよ?

  • 怖かったです
    謎のソーラービームの所で冷静になっちゃったけど、逆にソーラービームが無ければ怖すぎて漏らしてたね
    ありがとうソーラービーム

  • 角川ホラー消化の季節がやってまいりました。9割以上の本が「怖くない」「面白くない」「文章がひどい」という3つの恐ろしさを持つ角川ホラー文庫。今回もその例にもれません。

    東京の近郊、便利な駅近くのマンションを買ったら、周りは寺と墓地と火葬場だった。そこに住んでいると数々の不思議な事が起こり…。

    作者の考えた「さいきょうに怖いシチュエーション」というところだろうが、結局作品1本を通して、それ以上のアイデアが出てこない。それにしても一番怖いのが「墓地と火葬場」ってのが、小学生レベルだ。

    で、話が盛り上がるのは最後の1割位。そこまで、だらだらだらだらとどうでもいい描写が続きます。最後の1割も、「霊とゾンビ」という、もうちょっとひねってほしいもの。

    SFにしてもホラーにしても、ある程度メカニズムがしっかり書かれていないと、単に嫌な感覚しか残らないわけだけど、本作もそれの類のものです。メカニズムのアイデアがないのなら、せめて緩急つけた波状攻撃的なものがほしい。

    その波状攻撃のために、パニック作品のような作りにしたいのなら、大家まで逃げ出して1世帯しか残らないなんていう展開は最悪の部類で、沢山の人を描写したくなかっただけにしか思えなかった。

    その人物の描写、特に名前などの個人を特定する部分は苦痛とも感じるほどの下手くそさで、いかんともしがたい。「女房は言った」の女房って誰?

    全体に散漫。そもそも稚拙なアイデアが、それすら絞れていないし、そのもう1、2歩進んだアイデアがなければ、読者を引き込むことは出来ませんよ。

  • 日本人にも、こんなホラーが書けるんだ、と思った。スティーブン・キングを思わせる作品。
    一家が買った待望のマンションは、…。
    小鳥の急死にはじまる怪異は、徐々にペースを上げて、人々を襲っていく。そもそも墓地に囲まれたいわくありげなマンション、いくら安くても買うもんじゃない。なぜこの一家を狙ったのか、最後の住人だったからなのか、やはり逃れることはできなかったのだろうか。結局怪異の正体は何にも明かされず、恐怖の結末を想像させるところで終わる。

  • 別の方も書いていますが、ストーリーと関係ない説明や語りが多く感じました。それが、恐怖につながればいいんですけど、私には無駄にしか感じず。また、コアになりそうな部分も、結局あんまり関係なかったり。読むのが辛かったです。

  • 期待はずれなことに、超常現象系でした。「黒い家」が自分的に大好物だったから、同じ系統でよく似た物語を、と思って探して、で、これがそこかしこでオススメされていたから、それなら是非、ってことで手に取ったんだけど…霊的なものは要らないす。映画で観ると怖いのもあるけど、そういう場合たいてい、突然の大音量とかで怖くなる、っていうパターンだし。本だとそういう映像・音響表現が出来ない分、不利だとは思うけど、それにしてもこっち系に対する感度、すこぶる低いです、わたし。あらためてそれを実感した次第。まあそういう人に向けて、主人公には徹底的に現実主義の人間を設定したんだろうけど、たいして変わりありませんでした。もう、ガチの霊系は結構です。

  • 最後まで真実は明らかにならなかったが、それはそれで不気味で良かったかな。と思う。
    でも、引越業者など全く関係ない人達まで巻き添えにされ、燃やされて消えてしまう部分は、現実離れしすぎていると感じた。

  • 都心・新築しかも格安という抜群の条件のマンションを手に入れ、移り住んだ哲平一家。緑に恵まれたその地は、広大な墓地に囲まれていたのだ。よぎる不安を裏付けるように次々に起きる不吉な出来事、引っ越していく住民たち。やがて一家は最悪の事態に襲われる・・・。土地と人間についたレイが胎動する底知れぬ怖さを圧倒的な筆力で描き切った名作中の名作。モダンホラーの金字塔である。

  • ラストにかけて本気でポカ〜ンとしてしまいました、悪い意味で。

    中盤までは土地の謎を探ったりとそこそこ面白かったのにこの終わり方は一体どうしてしまったのでしょうか

  • じわじわと追い詰められていく主人公一家、非常に怖かったです。

    派手なスプラッタシーンや、突然何かが「バーン!」みたいな事はないのですが、じわじわ~じわじわ~と追い詰められるのがほんとに怖い!!哲平も美紗緒もかなり現実主義で冷静なので、文章も冷静なんですが、なんか怖い!!

    後になって考えてみると(考えなくても)、かなり突っ込み所は満載で、気になる点もいっぱいなんですが、読んでる最中はそんなことどうでもいいぐらいに怖いし先は気になるしで一気読みでした。

  • どこかのサイトで怖い小説代表格として紹介されてた。怖くて眠れないだの人生最怖ホラーだのそりゃ期待するよね、でもとんだ期待外れ!
    ちゃーんと眠れるし全くもって怖くなし。
    いわく物件に住んだ一家が得体の知れない怪現象にただ騒いでて、最後まで因果にも触れず霊的な描写も無数の手形のみ…雰囲気ホラー本て感じ。読んで損したわ。

  • 墓地を見下ろすマンションに引っ越してきた加納一家。家族は父、母、娘、犬、小鳥。そして最初に小鳥が死ぬ。この時点でけっこう不気味なものを感じさせます。ああ次に犬、娘と小さい者から順にいくのかなと。
    しかしすぐに紹介される夫婦の馴れ初めがかなり不快なものなので、ここで幸せな家庭が壊される不条理さというよりも因果応報的な楽しさも求め始めてしまう。
    終盤までにいくテンポが悪い気がするし、ホラーにありがちななんでそういう行動取るの?というのが多いのでちょっとスラスラとは読めなかった。
    結局亡霊どもがなんでマンションの人間を攻撃するのかなどもはっきりしてほしかったしね。墓荒らされたからだけってなんかなあ。

  • オチが弱い。
    登場人物に感情移入できなかった。
    お水のねーちゃんの活躍を期待していたのに、活躍しなくてがっかりした。
    寺の敷地だった事で影響が出てると思うなら、郷土史を調べるのも良いけど何で寺に相談しないの?

    好きな作家さんが推薦していた本だっただけに、期待し過ぎたのかな。
    なんか、色々ふに落ちなかった。

  • こ、怖い!モダン・ホラーの名作と言われている本作だけれど、ほんとに怖い!後味が悪いというかすっきりしないというか、いやどうなるんやこの人たち…という気持ちで終わる。おもしろいなーと思ったのが主人公たちの家族だけじゃなくて他にもホラーの被害というか、怖い体験をしたりする人たちがいてその人たちの視点からも描かれているところ。わりとホラーは視点が固定されがちなイメージがあるので複数の立場から事象の観測があることでまずまず怪奇現象の”ヤバさ”みたいなのが補完されていくのがめちゃくちゃに怖かった…
    小池真理子さん、ミステリーとかサスペンスのイメージが強かったけど緻密に作り込まれたホラーってこんなに怖いんだな…。こう逃げ場がない感覚が余計に絶望するというか、誰か助けてくれえ…の気持ちになる。でもめちゃくちゃおもしろい

  • 全体に漂う日本の現代ホラーの雰囲気と、得体の知れない恐怖を描きたいのは伝わりました。

    でも恐怖シーン以外の部分が多く、登場人物それぞれの設定の説明や、心理描写が中途半端で、後々効いてくるのかな?と思いきや、特に意味を成す事もなく終わった印象です。

    そして肝心の恐怖シーンは少なく、やったと思ったらやり過ぎで、興醒めする箇所がいくつもありました。

    本書の半分を恐怖シーンほぼゼロで通過し、
    後半は安易な心霊描写で興醒め。
    そしてラストは夫婦のSEXとゾンビで最悪のオチ。

  • 設定がちょっと古い
    怖いけど、解決しない謎が多いのでもやった

  • 面白かった。一気読み。

    後半は幽霊(?)に、そこまでパワーあるんか…とびっくりする。マンション住民のラス1になってしまった主人公家族、不運である。

    正直派手でもなく怖くもなかったがとにかく先が気になり、するする読んだ。人物造形や文章が上手いからなのかなあ…。

  • こんなマンションには住みたくないな!都内ではこういった墓地の近くにあるマンションなんてざらにありそうだが…。こんなことも起きるのかもと、想像するのも悪くない。

  • 再読。

    初読時にはあんまり印象に残らなかった作品。
    今回はたっぷり堪能。

    怪異現象が徐々にエスカレートしていくのがたまりません。
    マンション出入り口の怪異がMAX!
    その先のはちょっと行き過ぎてしまったような、物理的にも視覚的にも人や物が消える現象が起きてしまうと冷めてしまいました。
    その後の地下室での出来事で挽回、それから結末までは楽しめました。
    因果関係が一切明かされないのも実話怪談的で好感触。

    ちょっと懐かしい感じのするホラーでした。

  • なかなか古臭いなーって思って読んでいたら、実際に、随分と前の作品でした。
    なんというか、最近のホラー本では、ここまで「霊的存在」に特化したホラーって少ないと思うので、エンターテインメントとして楽しめると思います。
    伏線を回収していないというところも、リアルとも言えますね。小説だから、すべての伏線を回収しろ!とは思わないです。
    何しろ、心霊現象ですからァー!
    たくさんの不可解があってもいい。
    それが霊ってもんですたい。
    あらゆる意味で、この小説はエンタメ作品です。

  • 終盤の流れが無ければ面白かったです。

    本当に…最後の無茶苦茶怪奇現象ドタバタコメディに入る前迄は「一体何が起こるんだ…一体どうなるんだ」
    という楽しみや怖さを抱えながら読み進めることが出来る。

  • な、中身が薄い気がする…。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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