亀裂 (角川ホラー文庫 17-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041576137

感想・レビュー・書評

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  • ホラーアンソロジー。うーむ。高橋克彦さんの「大好きな姉」は主人公の感情の変化が唐突過ぎて不可解でした。なんだ、こいつ?って感じ。サキ姉より主人公の変化の方が怖い。山崎洋子の「備えあれば憂いなし」はオチが読めるけど、資産家の息子との結婚に必死な主人公の気持ちはまあ、解ります(笑)焦るなよ〜。そしてあまりにも怪しい話に簡単に引っかかるなよ〜。全体的に割とオチが読める話が多めでした。鈴木光司さんの「浮遊する水」は映画原作なんですね。「仄暗い水の底から」の。幽霊より主人公の潔癖な性格の方が怖い。要は生きてる人間の方が怖いってことですかね。

  • それぞれ面白かったけれど、一番最後のが好き。思わず途中で、美容クリームを手にとるくらいに。

  •  短編7編収録。『ミッドナイト・ラン』景山民夫著が好きだ。

  • 阿刀田高・高橋克彦・荒俣 宏・景山民夫・鈴木光司・綾辻行人・山崎洋子。日常生活の裂け目に潜む極限の恐怖! 現代ホラー小説の一つの到達点を示す七人の作家による七つの物語。

  • 阿刀田高さんの『知らないクラスメート』は、なんとなく展開は読めてしまうのにそれでもゾッとする怖さがありました。
    綾辻行人さんの『再生』は視覚に来る文章だと思いました。想像を膨らませながら読むと鳥肌です…!

  • 7人の作家によるアンソロジー。
    各作家とその作品の感想。


    知らないクラスメート 阿刀田高

    多分私は「知らないクラスメート」その人なのではないかと思う。
    中学の同級生で私を知ってる人は、ほとんどいないのだろう。
    もっとも、だから同窓会になんて行かないし、第一誘われませんけど。
    行なわれているかどうかもわからないしなぁ…。

    私は今のところ間違いなく「この世のもの」ですけどね。


    大好きな姉 高橋克彦

    ただの昔語りで終わるはずもなかった。


    シム・フースイ 荒俣宏

    得体の知れないものをほいほい拾って、持ち帰ったりしてはいけません。
    「呼ばれた」のかもしれないですけれど。


    ミッドナイト・ラン 景山民夫

    M・C・ハマーのラップ。


    浮遊する水 鈴木光司

    日頃絶対の信頼を置いているもの、信頼を置かざるを得ないもの。
    その信頼が揺らぐ恐怖。
    二年もの間、点検、清掃なしってのはそれだけで問題なのではないのかな。
    それとも、ああいうのはどれもそんなもんなんでしょうか。


    再生 綾辻行人

    それほどの再生能力があるのであれば、何も火傷を恐れる必要はないはず。
    皮膚だって再生するのだろうから。

    問題は脳だ。
    どこが本当の本体なのか解らないが、それが脳である可能性は高い。
    となると、流石に本体である脳は再生できない可能性もある。
    しかし、脳の一部分ならどうなのだろう。
    問題の部分だけを切除すれば何とかなるのかもしれない。

    この病気こそが再生の代償なのかもしれないのだけど。


    備えあれば憂いなし 山崎洋子

    お肌の状態はそんなに気になるものなのですね。
    もともと、お肌がどうしようもないほどの状態であれば、
    そんなに気にならなかったかもしれませんね。
    肌が健康でさえあれば、少々シミがあろうがシワがあろうが大したことではない、
    勝負するならもっと他の部分で勝負したらどうかと思うのですが。
    まあ、これは健康なお肌を持っていない立場からの視点なのかもしれません。
    健康なお肌既にを持っている立場だと、さらに上を望んでしまうのは
    仕方のないことなのでしょう。

    確かに綺麗な肌には憧れるのですけれど。

    ………

     水道の水を飲もうとしてふと気になり、松原淑美は流しの蛍光灯にコップをかざした。
    額の高さでコップをゆっくり回すと、細かな気泡の浮遊する様が見て取れる。
    コップの底に付着していたのか、もともと水に含まれていたのか、
    気泡と絡まるようにして、無数のゴミが一緒に揺れている。

    ………

  • 面白いのもあった。綾辻行人はやっぱりぐろくてぞっとさせるのが上手い。04-08

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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