THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ (角川文庫 や 31-5)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041616093

感想・レビュー・書評

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  • 再購入2012/05/21JPN450

  • ”ハードボイルド小説”
    ときくと
    どうしても
    ”ハードコア”
    を連想してしまっていけない

    どちらにせよ
    どちらのコトバも似合わない小説だったなあと

  •  レイモンド・チャンドラーの『The Long Goodbye(長いお別れ)』へのオマージュ作品といってよいだろうか。本書は『The Wrong Goodbye』。チャンドラーの『長いお別れ』を再々読しておいてから、この作品に挑んだ。以前テレビ・ドラマで観た、永瀬正敏主演の「私立探偵濱マイク」を連想した。パロディともコメディともつかない、ビジュアルに力を入れた妙に楽しいドラマだったが、本書を読んでいて同じような映像が瞼に映った。著者は、チャンドラーの世界と小説手法を、日本の横浜に舞台を置きかえて忠実に再現しようと試みたかのよう。国も時代も異なるため、リアリティの点ではかなり厳しかっただろうが、あえて制約を設けることで創作を楽しんだのではないだろうか。それともやはり苦しかったのだろうか。いずれにせよ、一読者としてはそんな文章スタイルを堪能させてもらえ、嬉しかったが。ストーリーは『長いお別れ』を思わせるところが随所にあるが、当然まったく異なる話。もっと大きく、複雑な犯罪が扱われてる。探偵は刑事、ギムレットはパパ・ドーブレに置き換えられている。『長いお別れ』をなぞったところは、冒頭酔っ払った男と出会うところ。そして、魅力的な女性と出会うところだ。鏤められた『長いお別れ』の欠片に、ニヤリとさせられた。主人公の刑事・二村永爾が誰何され、「伊達邦彦」と答えたときには笑った。大藪春彦の生んだ最も人気のあるダーティー・ヒーローの名前だったから。以上のように本書は面白かったのだが、レイモンド・チャンドラー、ミッキー・スピレイン、大藪春彦らのハードボイルド小説を知らない、あるいは好きではない人には理解されないかもしれない。

  • 単行本で出た時に気になっていたので購入。
    ハードボイルドな刑事物の長編小説です。「探偵ガリレオ」のような全てのつじつまが合い、さらっと解決し、一件落着…というような小説ではありません。人臭さのある計画性と偶発性が絡み合う物語に、語りすぎない主人公の刑事・二村の執拗なそして孤独な調査。心を揺さぶる刑事物かと思います。

著者プロフィール

1950年、神奈川県横浜市生まれ。漫画家などを経て、1972年『抱きしめたい』で小説家デビュー。「アゲイン」「ザ・ギャンブラー」では映画監督を務めた、『あ・じゃ・ぱん!』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、『ららら科學の子』で三島由紀夫賞、『ロング・グッドバイ』でマルタの鷹協会・ファルコン賞を受賞。

「2022年 『サムライ・ノングラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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