千姫様 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 175
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041630143

作品紹介・あらすじ

家康の継嗣・秀忠と、信長の姪・江与の間に生まれた千姫は、政略により幼くして豊臣秀頼に嫁ぐが、18の春、祖父の大坂総攻撃で城を逃れた。千姫第二の人生の始まりだった。その情熱溢れる生涯を描く長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 以前、織田信長の娘「冬姫」を主人公にした小説を読んだ。それが面白かった印象があり、徳川家康の孫「千姫」の歴史目線も知りたくて手にした。
    豊臣家滅亡の時にあって一人大阪城から脱出して生き永らえた…家康の孫だから…秀忠の娘だし…そりゃあ助けるよなぁ…くらいの認識で、それが千姫本人にとって本意だったのか不本意ながらの脱出だったのか、そこらあたりが丁寧に描かれるのかと思いきや、脱出劇はあっという間。
    その後の千姫の恋愛、結婚、出産、そして夫の死後に分かった出来事など、千姫様の波乱万丈の生涯を共に生きてきたような読後感が持てる作品だった。
    おもしろかった。

  • 昨年、念願の姫路城に行って気になった千姫。
    私の浅い知識では、あまり良いイメージではなかったけれど、この作品の千姫はとても慈悲深く魅力的な女性でした。
    史実とは違う部分も、諸説ある歴史だからこそ面白く読めました。複雑な繋がりも分かりやすかった。

    姫路城も書写山もこれを読んでから行きたかったな。もっと興味深く見ることができたと思う。また行きたい!

  • 千姫を主人公にした時代小説。
    淀の方や千姫など昔は特に女性は悪女など改変されることが多い。記録にも一部そういった類が残るが、
    大抵は捻じ曲げられて解釈されていたりする。
    そういった信憑性に欠ける話より、手に入る限りの資料に沿った忠実な描写が良い。
    文章も読みやすかった。

  • 千姫関連2冊目。
    これは読みやすく、最初の夫が生きのびて別の国にいるかも設定や、ラブラブな現在の夫との関係、侍女、史実とは違うだろう要素も現代に受け入れやすく書いてあって面白かった。
    昔の人は政略結婚なんて当たり前で、でもその中にもやっぱり恋愛感情があったり、嫉妬があったり、子(男子)を授かるために側室をもったり、女性の生き方として今ほど自由じゃない中にも幸せもちゃんとあってよかったな。

  • 平岩 弓枝「下町の女」を読みました

  • 坂崎出羽守のいわゆる千姫事件による悪いイメージを払拭した平岩弓枝ならではの千姫となっている。
    豊臣の滅亡、本多忠刻、息子の死など波瀾万丈の人生であり、なかなかに読み応えある。

  • 一気読み。
    秀頼が生きて外国へ出ていったという説をとる事と千姫の侍女で複雑な立場·心情を持つ三帆を登場させる事で、千姫のその後の生涯を情熱的·積極的なものとして描いている。

    浅井三姉妹の娘で嫁で、「東福門院和子の涙」の和子の姉なんだもんねぇ。。。あの頃の姫たちのむちゃくちゃな使われ方よ。。。

    本には出てこないけど、高山寺にある、傷んでいた鳥獣戯画を見て気に入って、修復した(させた)のは東福門院和子だそうな。
    ありがとうございます。

  • 一気に読み終わりました。以前訪れた姫路城に書いてあった城持ちの変遷パネルを思い出しました。

    Kindle unlimitedに入っているので、購入よりそちらを利用して読むのがおすすめです。

  • 徳川家康の孫にして、二代将軍秀忠の子、千姫。
    数奇な運命を辿った姫。
    女性の目線で細やかに描かれた人生。
    恋を知り、花開いていく千姫の心の中まで、透かして見るようだ。
    千姫の喜びが手に取るように分かる。

  • 大坂夏の陣での大坂城の落城から始まる千姫の生涯を綴った話。
    千姫の生涯はなかなか波乱万丈だが、柔らかく平易な言葉で書かれているのでとても読みやすかった。
    創作要素である三帆の存在もそこまで気にはならなかったが、千姫に対する感情や行動とその後三帆が選んだ人生に対する理由が中途半端になってしまっている印象を受けた。

    これまで千姫に関しては良い印象を持っていなかったのだが、千姫の目を通してみると違う捉え方ができるので、その点が興味深かった。
    ある人にとっては悪でも別の人にとっては善だったりするのは当然のことだし、様々な視点からみることの大切さと面白さに気づいた。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(十) 幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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