欲望産業 下 小説・巨大消費者金融 (角川文庫 た 13-23)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041643273

作品紹介・あらすじ

消費者金融の雄・富福に副社長として迎えられ、かつての人脈と経験をもとに業績を伸ばす大宮だったが、次第に、腕に刺青があるとの噂もあるオーナー社長・里村の独断専行ぶりに反発を募らせていく。業界の行方は?

感想・レビュー・書評

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  • 上巻よりは面白かった。
    どこまでが本当の話かは不明だが、武富士社長のなりふり構わずは酷い。
    裸の王様とはまさにこのこと。

    社内の乱れぶりも昔の話と聞き捨てればそれまでだが、サラ金の被害者たちも酷いもんだと思う。
    現代の異常なまでの多重債務者の保護はこの時代の悲劇をもとに生まれたのかと思うと納得。

    いくらインフレで経済成長の時代とはいえ、過剰融資、過剰な取り立ての実態は、現代人から見ると戦慄を覚える。
    この平和な時代に生まれ育って本当に良かったと思う。

    サラ金大手4社の中で、なぜ武富士だけが潰れたのか、この本を読んで理解できた。
    業界No. 1は結構なことだが、一線を超えると全てが逆回転してしまう。
    不良債権山積みの貸し倒れに継ぐ、過払い請求は、武富士にとっては、まさに泣きっ面に蜂。
    息の根を止められたということなのだろう。

  • 消費者金融の話だけでなく、売上を追っているほかの業界の企業にも・・・。

  • 消費者金融のイメージは昔も今も私の中では、変わっていない。この本を読んでも、変わらなかった。良くもならなかったし、悪くもならなかった。ただ、やっぱりな、と改めて確認をした感じ。
    「だいたい、高利だとわかっていて借りているんだから、それは借り手側の責任じゃないの?貸し手側に責任があるの?」と、以前から疑問だった。政府の対策に対しても、なんだかな、と思っていた。確かに、回収方法に問題がないわけじゃないけど。ま、現在の消費者金融を見れば、小説のその後がわかる。

  • かつて法律事務所で働いていた私としては、とても興味深い内容だった。
    消費者金融の実情。
    この物語はフィクションではあるが、現に会社更生に至った企業があるところをみると、この内容はあながち嘘ではないのではと感じた。
    大宮さんの熱さ、石野さんの颯爽さ、男の駆け引きとロマンを感じました。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。専門誌記者や編集長を務める傍ら小説を書き、75年『虚構の城』でデビュー。83年、退職し作家に専念。緻密な取材に基づく企業・経済小説の問題作を次々に発表する。代表作は『小説日本興業銀行』『小説ザ・外資』の他『金融腐蝕列島』シリーズ全5部作など。

「2023年 『転職』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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