征馬孤影 (角川文庫 た 14-5 アルスラーン戦記 5)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041665053

作品紹介・あらすじ

漸く王都奪回の大軍をおこしたアルスラーンに、横あいから強大な妨害者が現われた。歴史的な敵国トゥラーンがパルス領内に侵攻してきたのだ。アルスラーン軍は反転急行してペシャワール城に再入城した。智将ナルサスの奇抜な戦略が大勝利をもたらした時、アンドラゴラス国王夫妻は自力で虜囚の身から解放され、遠い脱出路を経てペシャワールまでやってきてしまったのだ。父王の命で、アルスラーンは、一人ペシャワール城を立去った、ただ一羽の鷹と一頭の馬だけを伴って。パルス歴321年6月、炎熱の季節のことであった。

感想・レビュー・書評

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  • 前作よりも読む間隔を早くしてみた。笑
    次作もすぐに図書館でリクエストしとこう。

    だって、著者の本って「無駄がない」ですやん。意味のない文章、意味のない展開はないですやん。
    せやからめっちゃ集中して読んでおかないと、ふとしたときに物語についていけなくなる。笑

    (読解力の問題?)

    今回も、日常で肉体的にくたびれ果ててるときに読んでんけど(なんかこのシリーズを読むタイミングっていつもそれやな。インフルとか)、それでもページをどんどんめくったよ。
    残念ながらアルスラーン陣営があんまり出てこなかったし(笑)、正直アンドラゴラスパパはもうエエわって思うけど(笑)、嫌味なおっさんを書かせたら著者の右に出る人はいてはらへんもんな。
    せいぜい、アンドラゴラスパパが黒々としてもらおうか。この人ばっかりは
    「実はアルスラーンのことを云々・・・」
    ちゅうようなお花畑系の裏面はないやろう。

    それにしてもアンドラゴラスパパの強さは悪役クラスやんね。

    パルス周辺の年代記として読んでるのに、チョイチョイ「人ならざる者」的な影がちらつくよねー・・・。
    魔物とかそっち系がメインになってくるシリーズやったっけ、これって・・・?
    理屈が通用しない相手との闘いになるのかな・・・。

    私は銀英伝から著者にハマッたので、魔物系の話よりも人間だけが登場する歴史書みたいな話(意味合いがびみょう)のほうが好きなんやけど、でもまあどっちも面白いから、いいか・・・。

    次作は海賊と戦う? 秘宝??
    なんだかすごい展開になりそうやけど、久しぶりに初期のアルスラーン陣営での行動が見られそうなので、楽しみ。
    こういう構成も憎いよなあ。笑

    (2017.05.21)

  • アンドラゴラス国王、人間ですか?
    半年間鎖につながれて、一日2度の食事と厳しい拷問を与えられたにしては、考えられないほどの行動力なんですけど。
    ターミネーターなんじゃないの?

    水滸伝や三国志と比べてこのアルスラーン戦記の弱いところは、敵ながらあっぱれといえる敵役がいないこと。
    有能な人はみんなアルスラーン側にいる。
    その中で唯一アルスラーンサイドが総力をあげても勝てそうにない強大な敵が(今のところ父親だけど)、アンドラゴラス王だ。
    ただし「あっぱれ」と言ってあげる気にはならんが。

    アルスラーンが少しずつ味方を増やしながら王都奪還と両親の解放を目指している間に、両親の方が自由の身になってアルスラーンの方にやってくる。
    そして、友達味方が5万人出来るまで帰ってくるな、と。
    三国志のようだったアルスラーン戦記が、突然ヤマトタケルの話に転換。
    洋の東西を問わず、強すぎる息子を父親は嫌うものなのね。

    ヒルメスは優しい一面を見せ始めたし、ギスカールもアンドラゴラスの前では小物に過ぎないことがわかったので、この先の活躍はあまり望めない。
    アルスラーンがメイン舞台から退場したというのに、第一部の完了まであと2冊。
    あれ?
    蛇神の話はどこ行った?

  • 1989(平成元)年発行、角川書店の角川文庫。一度途中まで通読したはずなのだが、前後関係がごっちゃになっている。パルス国内はとにかく、周辺各国の動きというのは若干必然性が薄いというか、そんなところが前後関係をきちんと押さえられない原因となっている気がする。とはいえ中心のパルスの話は面白い。やっぱり周辺各国の動きがなんか、という思いはのこる。

    あとがき:(1989年2月9日)(昭和からずっと風邪がぬけない編者拝)、

  • また孤りかよ。
    トリ、いい奴だ。

  • [自宅]

    なんと懐かしい!
    図書館で銀英伝の特集コーナーを見つけ、久しぶりに懐かしいと思い読もうと思ったが、、、、"黎明伝"などよくわからない副題?副シリーズ?にどの順に読めばいいのかがよく分からず調べてから読み直そうと断念。

    でもそのきっかけで、昔懐かし小中時代に読み漁った田中芳樹シリーズのうち、まずはアルスラーン戦記から読み直そうと読み始めてみた。

    このシリーズは昔読んだ「角川文庫」シリーズ。この天野喜孝さんの絵にもハマったんだよな。菊池秀幸さんの「吸血鬼ハンターD」の挿絵もそうで、どちらが先だったかわからないけど、きっと天野さん繋がりでどちらかも読み始めたはず。

    こうして本来のシリーズに加えて、"出版社名"などのシリーズを意識しなくてはならないのは、30年という時の流れのせい。どうやら自分の知るこのシリーズから、途中紆余曲折を経て、光文社にて完結していたらしい。しかもその移籍先の光文社でも、「カッパ・ノベルス」シリーズと「光文社文庫」シリーズがあり、前者は角川からの乗換時にあたって再版となる従来の10巻を2巻づつまとめ、新刊となる11巻からは単刊とした丹野忍さんによる挿絵のシリーズで、後者は恐らくは完結が見えて来た?2012年から、山田章博さんの挿絵によって全て単刊発行されたもの。

    実際今回読んでいるのは10巻までは「カッパ・ノベルス」で、11巻からは期せずして「光文社文庫」シリーズ。とりあえずストーリーを読みたいから挿絵は我慢するけれど、やはり本当なら天野さんか、まだ世界観の近い丹野さんのイラストで全巻読み通したかったな。

  • 感想はこちらにてひとまとめ。
    https://booklog.jp/users/ohsui/archives/1/4334766692

  • アンドラゴラスが帰ってきてムカつきましたが、ここからがまたいいんだよね!

  • 20190426 再々読?読了

    覚書
    第一章 トゥラーン軍侵攻
    第二章 魔の山
    第三章 ふたつの脱出
    第四章 王者対覇者
    第五章 征馬孤影

  • 再読。連勝を重ねているにも拘らず、苦難続きの王太子殿下。お国のために頑張ってきたのに、体のいい追放を父王に言い渡され単騎(&鷹一羽)で陣営を後にするその寂しさよ。2巻にも一行が離れ離れになるシーンがあったけど、あれは計画的な一時離散だったわけで、今回のは数段辛いですなあ……結局いつもの面々が合流してくれるのだけど。あとギーヴの冒険譚が面白かった。

  • 対トゥーラン国のためペシャワール城に取って返すアルスラーン一派。そして、エクバターナ宮では剛毅の士が豪気に自らを解放する。◇アンドラゴラス三世の、全てをひっくり返せるほどの強烈な存在感が圧倒的。そのためか、アルスラーン一派に与する豪傑異才、あるいはルシタニアの支配層が完全に小物化してしまった感はある。一方で、賢臣ナルサスに忠臣ダリューンの存在感は顕在だが、その中で、善なる自由人ギーヴも良い味を醸し出している。キャラクターの魅力全開の五巻。◇PS.タハミーネの想うところと謎めいた言動がとても気にかかる。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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