知識人99人の死に方 (角川文庫)

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本棚登録 : 541
感想 : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041690345

作品紹介・あらすじ

手塚治虫、三島由紀夫、有吉佐和子、寺山修司、永井荷風、森茉莉、折口信夫……誰もが避けられない死ぬということ。大往生していった先人たち99人の死に様を見て、死に備えよ。

感想・レビュー・書評

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  • 友人からの贈り物。
    生き様を描くものは多くても、死に様を描くことは少ないように思える。それは死を忌避し、蓋をしてなかったことにしようとする人間の性質なのか。
    書き手の影響が出るから書き手の関心に沿って描かれてしまうのは致し方ないこと。しかも死に様を詳細に描くことは口を閉ざされたり、記録が残っていなかったり、開示の同意が得られなかったりとかなり難しいことだったと思う。
    記録の都合上、どうしても著名人ばかりの死に様であるが、どんな人間であっても、必ず死ぬ。望むと望まざるとにかかわらず、死は平等だ。どのような人生を歩んで来ようと、必ず死を迎える。
    落ち着いて死を受け入れる者、じたばたする者、最期まで自分の仕事を続ける者。ほんとうに様々な死に様である。
    死に方を伝えることはそれは裏返し、生き方を伝えることに他ならない。死ぬという事実から始めることで生きることが始まる。

  • 監修の荒俣宏(1947年~)氏は、慶大法学部卒、『帝都物語』で日本SF大賞(1987年)も受賞している小説家、神秘学者、妖怪研究家、翻訳家、収集家、タレント。
    本書は、タイトル通り、知識人(主に作家)99人の死に様について、それぞれ1~十数頁で解説したもので、1994年に単行本で出版され、2000年に文庫化された。著名人の臨終の様をまとめた本としては、伝奇・推理小説の作家山田風太郎(1922~2001年)が、英雄、武将、政治家、作家、芸能人、犯罪者など923人について書いた『人間臨終図巻』(1986年出版/現在も徳間文庫、角川文庫で入手できる)が有名で、本書でも同書から引用されている記述が少なくないのだが、同書は大部のため、私はまず本書を選んだ。
    私はこれまで、キューブラー・ロス『死ぬ瞬間』、岸本英夫『死を見つめる心』、山折哲雄『わたしが死について語るなら』、藤原新也『メメント・モリ』、池田晶子『暮らしの哲学』、広井良典『死生観を問いなおす』、鎌田東二『日本人は死んだらどこへ行くのか』、岸本葉子『生と死をめぐる断想』等々、死と生に関する多数の本を読んできたが、それについて考え尽していたであろう知識人たちは結局どのように死んでいったのかを知りたくて、本書を手に取った。
    荒俣氏も冒頭でこう書いている。「現在、多くの人が「死」に関心を抱いているのはたしかであるが、その対象である「死」をあまりにも医学的に解釈しすぎてはいないだろうか。当人が人生の最終時点に体験するのは、そのような客観的な「死」ではない。「臨終」というきわめてプライベートな瞬間なのである。そしてこのプライベートな“見せ場”は、見せ場(クライマックス)であるがゆえにわれわれの関心を魅きつける。モンテーニュは言った-「われわれが準備するのは死に対してではない。死はあまりにもつかの間のできごとである。われわれは死の準備に対して準備するのだ。」・・・読み方はご自由。よけいなお世話を申し上げれば、たとえば99の死を死んでみてはいかがと。己のものとして様々な場面を思い実感する。つまり入念に死んでおく。思いもかけぬ死に方に直面したとき、周章狼狽せずにすむかもしれませぬ。死の準備に対する準備のために、お役に立てれば幸いです。」
    取り上げられているのは、手塚治虫、三島由紀夫、稲垣足穂、寺山修司、谷崎潤一郎、高村光太郎、棟方志功、吉田茂、古今亭志ん生、小林秀雄、湯川秀樹ら錚々たる知識人で、ある意味、我々市井の人びととは異なる「生きざま」をした人びとである。その知識人の、ある人は淡々と穏やかに、ある人は壮絶に、ある人はもがき苦しみ、迎えた死が、知識人ゆえなのか、市井の人びとと変わらずなのかは、わからないが、ひとつだけ確かなことは、「人類が創始されてこの方、死ぬことのできなかった人はひとりもいない」ということである。
    と考えると、荒俣氏の言うように、試しに99の死を死んでみるのも悪くないのかも知れない。
    (2020年12月了)

  • 知識人99人の死に方

  • 読んでおいて損はない

  • 2016 8 11
    23冊

  • 昔の武士とかは生きざまより死にざまを気にかけた、という文庫版あとがきになるほどと思う。あと文庫版に増補された「戦後著名人 怪死・変死一覧」というのが、飛び降り自殺ならそれで死んだ人の三行記事みたいなのが延々続いて、読んでるとどよーんとなる。

  • 何年か前に読んだと思うのだけど、ふと目に留まったので再読。目次に「死因別INDEX」とあるのが、視覚的に衝撃。

  • 世の中に存在する絶対は、「人は死ぬ」ということだけ。

  • 知識人というか、作家にけっこうかたよっている。あとがきで荒俣さんも言っているけど。まあ、自分の身辺を書き残してる人というのが限られるわけだから仕方ない。こうして見てると、ガンや心臓はやっぱり多いなあ。巻末の「切断」というのが怖すぎる。

  • 20111107読了
    99人の死にざまが記録されている本。大仰でもドラマチックでもなく、淡々とした記録であるのがよい。ただ、この表紙が苦手なんだよねー…虫がいっぱい。昆虫の標本のように人間の死を並べてみせたという意図なんだろうし、それ自体は悪くないと思うが、あんまりかわいい虫でもないので本を触るのが気持ちわるい。

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